covid-19ワクチン、コミナティ筋注はどうなの?#489

Voicy更新しましたっ!

今回はついに正式に接種が開始したcovid-19のワクチンの最新情報

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特例承認され、接種が開始された「コミナティ筋注」

2021年2月14日、「コミナティ筋注」というお薬が特例で承認されました。

これは、voicyでも何度も触れてきた、ファイザー/ビヨンテック社のワクチンの、商品名になります。

以前にも軽く触れましたが、他の国で販売流通されていても、日本人への臨床試験、治験が不十分であれば、通常は承認はされません。

しかし未曾有の事態の最中にある今、そこを言葉通り”特例”で承認する、と言うのがこの制度です。

通常であれば、短くても最低半年は必要ですが、そこを数か月で承認して、実際に流通、接種まで開始しました。

今回はこのコミナティ筋注について、詳しくご紹介していきます。

 

実際、信用できるワクチンなの?

このコミナティ筋注は、以前触れた「mRNAワクチン」になります。mRNAワクチンのについては475回にて、詳しく触れておりますので、今回は割愛します。

このワクチンが今まさに、covid-19に直接かかわる2万人の医療従事者に対して接種がされています。

covid-19の当初にも触れましたが、ワクチンや新薬は数年単位で開発していくものですので、いくら急を要するとはいえ、本当に大丈夫なの?と思う方は多いと思います。実際、ネットでも誤報やデマを含めて、色々な情報が飛び交っていて、不安な方もたくさんいるようでした。

この、mRNAタイプのワクチンが日本で認可されたのも、このファイザー/ビヨンテック社のものが初めてです。

実は、mRNAワクチンというのは、何十年も前から研究開発されており、有事の際の実用に向けて、様々な面で実験がされていたワクチンなのです。

つまり、covid-19を受けて一部の研究者が突然思いつき、理論上は出来る、と言う程度で作られたものではないのです。

何十年も前から、ウイルスそのものを入れる生ワクチンなどではない、新たなタイプのワクチンを、と研究開発され、治験も何度も重ねて出来たものです。

承認についての時間は、世界各国が一丸となって、損得勘定を抜きにして多額の投資をして短縮したという背景があります。

決して、ワクチン開発に必要な手順を一つか二つ、完全に飛ばしたという事はありません。

あらゆる国が連携して、史上類を見ないほどに規模を広げて、有効性や安全性を確認する試験を行って開発したワクチンです。

 

誰でも打てるの?・副反応は大丈夫なの?

どんな背景があるにしても、やっぱり不安に思うとか、体質的にアレルギーの事があって自分が使えるか分からない、という事もあると思います。

まずこのコミナティ筋注、mRNAワクチンは、前述のようにウイルスそのものが入っているワクチンではないため、妊娠中の方でも問題なく使用できます。

そして、このmRNAワクチンにおいて、少し話題になっているのが、人間のDNAに影響が出るのではないか、と言うようなデマです。

簡単に言うと、遺伝情報をよそから体内に入れて、自分のDNAが書き換えられたり、変わる事はないのか、と言ったことですが、これはあり得ません。

詳しくは割愛しますが、mRNAは遺伝情報ですが、これは人間の細胞核の中にまで入り込んで何かをするという事は無いため、人間の遺伝、DNAに影響が出ることはありません。

そして副反応についてですが、これまでもvoicyでも何度か触れていますが、軽い発熱や筋肉痛は、起きることは充分あります。

実際、接種後30分は院内にとどまるように、と指示されます。

また、アナフィラキシーショックも、通常のインフルエンザワクチンと比べると起こしやすいと言える部分もあります。

ただ、他の麻酔や抗菌薬に比べると確率が低いことが分かっているので、そこまでリスクが高い薬ではありません。

そして、アメリカの報告では、ワクチン接種後1日以内に亡くなられた方が全体の0.003%いる、とされています。

これはあくまでも、ワクチンを接種後1日以内に死亡した方の数字で、ワクチンによって亡くなられたかは全く分かっていません。

特に、現状はリスクの高い方、高齢者など重症化のリスクが高い方を優先的に打っているため、ワクチンが関係ない部分で重大な事態に亡くなった方も存在すると思います。

 

有効性はどうなの?・どれくらい効果があるの?

以前紹介したイスラエルの例でですが、現状ではイスラエルの総人口の4割が1回、もしくは2回、すでに接種が完了しています。

期間で言うと1月半ばから2月6日までのデータで、この間に予防接種を2回した人で、新規感染は53%と半分ほど、入院は39%、重症化は31%減ったことが分かっています。

そして、ワクチンを接種した方と、ワクチンを全く接種していない方とを比較した場合、91%の感染を減らすことができたと報告しています。

以前発表した、臨床試験での有効率が95%だったというのを、少し裏付けるような形になっています。

さらに、ワクチンを2回接種してから22日経過後の方で、感染したという例は未だに報告されていません。

関連して、どれだけ効果が持続するのか、ということですが、これは現状でもまだ何とも言えません。

最も進んでいるイスラエルの研究では、3年に1度の予防接種が良いのでは、という話題もありますが、具体的な根拠はまだ何も示されていません。

コミナティ筋注には高い効果があることは確かですので、以前もお伝えしましたが、打つことが可能でしたら、出来るだけ打つ方がおすすめです。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属