インフルエンザワクチンと医師が選ぶ予防#186

Voicy更新しましたっ!!

今回はインフルエンザワクチンの集団免疫と医師が選ぶ予防法についてです。

 

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「インフルエンザワクチン」は非常に効果的な予防

インフルエンザ予防として真っ先に上がるものに「ワクチン」というものがあります。

老若男女問わず効果的な予防法として知られていますが、特にお子さんへの予防として知られているかと思います。

インフルエンザワクチンは、実は30年以上前には完全に「義務化」されていました。

「強制接種」とされ、日本の小中学生のほぼ全員がインフルエンザワクチンを接種していました。

その後、段階的に廃止されて行き、94年から現在まで「任意接種」となっています。

この移り変わりで最も特筆すべき点が「小中学校の学級閉鎖の日数」です。

ワクチン接種率が社会へ大きく影響する

ハフポストの一記事に、「インフルエンザが大流行」との見出しで集団免疫に関する記事が掲載されていました。

その記事では、インフルエンザワクチンの接種が義務付けられていたころの学級閉鎖は1.3日程度で、任意接種に変わってから徐々に学級閉鎖の日数が増えて行き、ピークとなる接種率2%の時期では全国で平均して年20日も学級閉鎖が起きたとされています。

さらに、お子さんへの集団接種があったころは、インフルエンザで命を落とすお年寄りの数も比例して減っていきました。

逆に集団接種がなくなったころから、再びインフルエンザで亡くなるお年寄りの数が増加したのです。

インフルエンザのワクチンは、お子さん自身への予防になるのと同時に、お年寄りなどといった社会へ、間接的な予防効果があります。

社会の「集団免疫」を高めることに大きく繋がっています。

「インフルエンザワクチンは意味がない」「ほとんど役に立たない」という意見も一部で見かけますが、個人的には、是非とも、インフルエンザワクチンを活用していただければと思います。

インフルエンザの予防は「手洗い」がカギ

インフルエンザに限ったことではありませんが、様々な感染症、風邪を予防するには手洗いが何よりも重要です。

ただ、一般的な手洗いは、何度も時間をかけて、こまめにすることが必要です。

難しい場合は病院などの入り口によく置いてあるような「アルコール消毒」、アルコールに弱く肌荒れしやすいという方は、保湿剤入りのものなどがおすすめです。

また、ノロウイルスにはアルコールが効かないとされていますので、若干値は張りますが、有機酸が含まれたもの、ノロウイルスに効くとうたっているものを使いましょう。

 

うがいはあまり意味がない

インフルエンザに関しては、うがいはあまり意味がありません。

ウイルスが体に入るのは15分から20分ほどで体内に入ってしまいます。

外出してから帰ってきてうがいをすることで、殺菌したり、体外へ排出するということは難しいのです。

うがいする代わりに、こまめにお茶を飲むなどで、のどに付着したウイルスを殺菌するというような対策の方が効果的です。

 

以上、インフルエンザ予防についてのお話でした。

是非とも、インフルエンザワクチンを活用して、予防に役立てていきましょう。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属