Voicy更新しましたっ!
今回は質問を頂いた肺炎球菌ワクチンなど、ワクチンの話。
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ワクチンとは
コメントで肺炎球菌の予防接種、ワクチンについてのことがありました。
ワクチンに関連して、肺炎球菌による肺炎などについてご紹介していきます。
ワクチンは「弱くした菌そのもの」
ワクチンとは、菌、ウイルスそのものを体内に入れるものです。
もともと、体の免疫と言う作用は、一度戦ったウイルス、菌にはしばらく強くなる働きがあります。
この働きを逆手にとって、弱くした菌、ウイルスをそのまま体内に入れて、免疫を強化します。ワクチンとは簡単に言うとこうしたものです。
そして、このワクチンを打つことが推奨されている病気は、重症化すると命を落とすとか、大きな後遺症になる可能性のある感染症です。
生後間もない赤ちゃんやお年寄りなどは免疫力が低いため、そういった方はこのワクチンを打てないですが、周りの人が自身にワクチンを打つことで、そういった方への感染も大きく防げます。
病気によっては、このワクチンの普及、集団接種によって病気をひとつ丸ごと根絶することもでき、天然痘はこの集団接種からの集団免疫によって撲滅されました。
さてコメントに来た「肺炎球菌」ですが、以前も少しご紹介した肺炎の一つで、細菌性の肺炎になります。
「肺炎球菌」が原因の細菌性肺炎
肺炎球菌にかかって起こる肺炎は、細菌性の肺炎です。
ウイルス性の肺炎よりも非常に治りづらいのが特徴で、特に5歳以下の小さいお子さんは免疫が著しく低いため、潜在性貧血症のような重い病が同時に起こる可能性があります。簡単に言うと血液に菌が乗ってしまい、全身の各部分に菌が入り込むという病です。
この潜在性貧血症は、肺炎球菌のワクチンができる前には年間で1万8000人以上もかかっていた、とされています。続いて細菌性髄膜炎というさらに重大な病は、そのうち年間200人がかかっていたとされていて、お子さんの細菌性肺炎は非常に厄介な病になっています。
肺炎球菌ワクチンは、5歳以下の子供であれば必ず打つ
なので、生後間もない赤ちゃんは難しいですが、少し成長したお子さんがいれば必ず肺炎球菌ワクチンを打っておいてください。これはもうお子さんであれば無条件で打った方が良い、と言えます。
よく子供へのワクチンは副作用のリスクがあると言われますが、かかったときのリスク、後遺症の事も考えたら、明らかに感染する方が危険です。
肺炎球菌ワクチンの副作用は、打ったところが赤くなる、腫れる、痛みが残るぐらいで、数日で軽くなっていきます。確かに重い副作用の可能性もありますが、例としては非常に少ないです。
ウイルスにかかって、重い肺炎になることを考えたら、すぐに打った方が良いです。
高齢者もワクチンは有効
高齢者も肺炎球菌による肺炎にはかかりやすく、どうしても体調を崩しているときなど、抵抗力が落ちている場合は抗菌薬を飲んであまり効かないということがよくあります。
なので予防接種の補助が、1度だけ受けられるところがあります。高齢者のワクチン接種は国も推奨しているので、是非検討してみてください。
5年ごとなのは、ワクチンの効果が5年程度持つのと、5年以内にもう一度打つと副作用が強く出やすい、ということがあります。
また補助が出るのは65歳から5年刻みで80歳までですので、これらについてだけ注意してください。
もともと風邪にかかりにくいとか、肺炎で困ったことが無いなど、元気であれば打たないと言うのも手です。
肺炎については270回にて、詳しくお伝えしているので、是非そちらも合わせて聞いていただければと思います。