何故桃は女性の節句になったのか?#196

Voicy更新しましたっ!

今回は先日のひなまつり、桃の節句について。

 

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「桃」が女性に与える効果は絶大

桃の節句」と言う言葉がありますが、なぜ女性に桃がおすすめなのか、ということについて考えていきます。

桃は、元は中国の果物の一つで、不老長寿の効果があるとされるほど、重宝されていました。

桃は実際、栄養が豊富でありながらも低カロリーな果物で、ダイエットにとっても便利な果物なのです。

基本的に果物であれば低カロリーですが、桃は100gあたりで40kcalしかありません。

なぜかというと、そもそもほとんどが水分でできているためです。

なんと全体の9割が水分になっているのです。

それでいて、充分に甘さを感じられるという、とっても優れたフルーツです。

 

血糖値を下げる効果もあり、食前に食べるのがベスト

また、桃に限ったことではありませんが、血糖値を下げる効果も持っています。

例えば、糖尿病の方は体内にある糖分を上手く使うのが難しいですが、桃を食べることで、細胞に糖分を取り込むのを助ける働きがあり、糖尿病治療に大きく役立つ、と言う効果があります。

この働きは、食後に血糖値が上がるというのを防ぐのにも役立つため、食事前に桃を食べることでダイエットの助けになります。

 

「便秘」「疲労回復」の効果も

さらに、桃には便秘解消の効果もあります。

桃には一般的に便秘解消に必要な食物繊維はそれほど含まれていませんが、水溶性の食物繊維の一つである「ペクチン」という物質が含まれています。

ペクチンが桃の水分に溶け込んでおり、これが便秘解消に大いに働きます。

 

疲労回復効果は、果物によく含まれる「クエン酸」で得られます。

桃は甘いですが、レモンなどによく含まれるクエン酸も大量に含んでいるため、疲労回復に役立ちます。

 

種・葉っぱも健康に良い

桃の種、葉も余すところなく使えます。

例えば桃の葉は、「桃湯」として使われることがあり、お風呂に入浴剤代わりに葉を入れるという風に使うことで、あせもや湿疹のようなお肌のトラブルの改善に効果があります。

また、種は「アミグダリン」という物質が含まれ、桃仁水(とうにんすい)という漢方などに使われています。ただ、アミグダリンを多めにとると人体に毒になるため、個人で作るのはおすすめしません。

 

食べすぎには注意

桃は非常に万能な果物ですが、含んでいる糖分の種類には注意してください。

桃に含まれている糖分は、一般的な果物に含まれる「果糖」ではなく「ショ糖」です。

ショ糖とはブドウ糖+果糖でできた糖分のことで、ブドウ糖のみ、逆に果糖のみ、の場合よりも吸収が遅くなるという欠点があります。

これはつまり満腹感が得られにくい、ということにつながります。

食べる量は、1日に多くても丸1個で収めるようにしましょう。

 

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属