お酒との上手なつきあい方#205

Voicy更新しましたっ!

今回は、前回に引き続いて、お酒の話。

上手く付き合う方法についてお伝え致しました。

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「お酒で顔が赤くなる」ことと酔いの関係

顔がすぐ赤くなってしまってお酒が弱い方、逆にどれだけ飲んでも顔色が変わらないからお酒に強い、などと言われやすいですが、実はこれはお酒の強さとはほぼ関係ないことなのです。

今回は前回に引き続いてお酒のお話です。

 

例外の方は意外に多い

例外ということは、つまりお酒を飲んでも顔色が変わらないけど弱い、そしてお酒が好きでたくさん飲めるがすぐ顔色が変わる方、が意外に多いということです。

なぜ、お酒に酔って顔が赤くなるのかというと、前回もご紹介した、アルコールにおいて切っても切り離せない成分である「アセトアルデヒド」によるためです。

アルコールは肝臓へ入り、アセトアルデヒドとなり、さらにそれが酢酸となって尿として出る、という仕組みです。

アセトアルデヒドが体内にある状態が、お酒をたくさん飲んだ時の酔い、気持ち悪さの原因です。

顔を赤くするのも、この成分の働きのためです。

この仕組みは人間であれば皆さんそうですが、アセトアルデヒドの皮膚への反応しやすさには個人差があるのです。

 

たくさんのお酒を飲める方は、素早くアセトアルデヒドが分解できる

そもそも、お酒に強い・弱いの理由は、このアセトアルデヒドをどれだけため込まずに分解できるか、という部分で決まります。

これがすぐに分解できれば、気分が悪くならずにお酒を飲める、逆に分解に時間がかかれば、長時間とどまったままで、多くのお酒は飲めない、という風になります。

しかし、皮膚へ起きる反応は、これとは別の問題なのです。

つまりすぐに分解出来てお酒を多めに飲めるとしても、少量でもアセトアルデヒドが体内にあると皮膚が反応してしまい、赤くなる、とか、逆にごくわずかな量でも体内にあると気分が悪くなってしまって全然飲めないが、皮膚には反応しない、ということがあるのです。

一概に顔が赤いかどうかで、お酒が強いかどうかとは言えない、というわけです。過信せずに、適度な量を楽しむようにしましょう。

 

酔いにくい、おすすめの飲み方

すぐに酔いが回ってしまうという方に、おすすめな飲み方をいくつかご紹介します。

・空腹の状態で飲まない

ダイエットでよく言われますが、空腹時に最初におなかに入ったものは、100%無駄なく吸収しようと働きます。

アルコールも同様で、お酒に含まれるあらゆる成分を吸収しようとするため、早いうちに酔いが回りやすく、また肝臓も酷使することにつながります。

 

・お水とともにお酒を飲む

特にウイスキーなど強いお酒でありますが、お酒とともにお水を飲むという、「チェイサー」という概念があります。

チェイサーは胃、肝臓への負担を和らげるのと同時に、単純にすぐにおなかがいっぱいになって、お酒の量が減ることもあるため、簡単にできて非常に便利な予防になります。

 

恥ずかしい場合はグレープフルーツジュースがおすすめ

ただ、ウイスキーやテキーラのような強いお酒ではなく、ビールやチューハイと言った一般的なお酒と、チェイサーを使うのは恥ずかしい、という方も多いと思います。そういった方には「グレープフルーツジュース」が便利です。

なぜかというと、グレープフルーツジュースはビタミンC、B3、クエン酸がたくさん含まれていますが、これらはアルコールの分解を助ける働きがあります。100%のものでないとあまり意味がありませんが、もしメニューに100%グレープフルーツジュースがあれば、チェイサーにしてみてください。

 

ただし、薬との飲み合わせには注意

ただし、普段から何らかへのお薬を服用中、という方は、グレープフルーツジュースを飲むのは避けてください。

お薬への効果が変化してしまうため、何かを服用しているときは、お水を使いましょう。

 

おつまみはチーズ、枝豆が最適

よくお酒のおつまみに、チーズと枝豆が並ぶと思いますが、これはたんぱく質が肝臓の働きを助ける効果があるためです。

どちらも質の良いたんぱく質が含まれる、代表格のような食品でありながら、安価なため、お通しなどで非常に重宝されているのです。

 

スポーツドリンクで二日酔い予防

最後に、二日酔い予防で簡単にできておすすめなのが、「水分補給」です。

お酒は体内の水分を消費するため、飲んだ後は水分を補給すると、分解を促して次の日にはすっきりとします。特にスポーツドリンク、経口補水液は水分補給のためのものですので、効果的です。

ちなみに、スポーツドリンクを飲むとお酒が余計吸収されるという噂がありますが、体への浸透圧に作用することは考えられないので、ほぼあり得ないと思って大丈夫です。

 

お酒は適度に、自分に合った量で楽しむようにしましょう。

 

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属