ホントにガンにビタミンが効くの?#197

Voicy更新しましたっ!

今回はビタミンDがガンに効くと言うニュースから。

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ビタミンDでがん予防

ビタミンはもともと、人体に必要な栄養の一つですが、中でも「ビタミンD」はがん予防に効果的なビタミン、と言われています。

今回はこのビタミンDの働きについてご紹介していきます。

「ビタミンD」でNK細胞を活性化させる

ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける働きで知られており、ビタミンDが不足することで、骨がもろくなるというのは、実は中世の時代など数世紀前から判明しています。

しかし、最近分かったのが「NK細胞を活性化させる効果」も、ビタミンDにはあるとわかってきたのです。

これは言い換えれば「免疫力を上げる効果」でもあります。免疫力とは一般的に、風邪などの細菌に負けずに撃退する力ですが、体の免疫力を構成する成分に「ナチュラルキラー細胞」というものがあります。

「NK細胞」とも呼ばれるこの細胞は、体に害を与える細胞を無くす働きがありますが、これが悪性の細胞、つまりがん細胞などを撃退するのに大きく働く、というのです。

ビタミンDはこのNK細胞の餌となり、活性化させる作用があります。

もちろん、風邪、インフルエンザへの予防効果もあるとされています

ビタミンDががんに効くわけ

NK細胞に働くからと言って、本当にがんに効果的なのか、と疑問に思う方も多いと思います。個人的にもそう思いました。

さらに、世界各国の研究者が発表する論文でも、がんに効く効かないで意見が分かれやすいテーマでもありました。

はっきりとビタミンDの大小でがん細胞に効くと言っている方もいれば、ビタミンDとがん細胞の因果関係は無い、と断言する方もいるというほどです。とても難しく、一筋縄ではいかない分野の研究なのです。

しかし、2018年3月に国立がん研究センターが行った研究は、今までにないぐらい大きな規模で行ったため、データの正確性がこれまでよりも飛躍的に高まりました。

40から69歳までの男女、およそ8000人を対象に血中のビタミンD濃度とがん細胞の関係を調べたもので、その結果がんのリスクが2割減ると発表したのです。

中でも「肝臓がんの予防に効果的である、と発表されました。まだまだ研究途中ではありますが、今までよりもはるかに信ぴょう性の高い、公式に限りなく近い研究結果であるといえます。

ビタミンDを効率よく補給する方法

ビタミンDの補給は、キノコ類、魚類がおすすめです。

例えばイワシの丸干し、しらす干し、干しシイタケと言った保存食などは特に便利です。

また、ビタミンDは体内で作れるという特徴があります。

そのために必要なのが「日光浴」です。

日光浴でビタミンDを作る

ビタミンは体内で作れないものが大半ですが、ビタミンDは日光を浴びることで体内で生成できます。

ただ、日本は日照時間に差があるため、地域ごとで大きな差があります。

1年の内最も日照時間が短い日となる、冬至に日光浴をするとした場合、暖かい気候の沖縄では8分ほどで、1日に必要なビタミンDを生成できます。

しかし、茨城県のつくばでは22分、札幌では76分日光浴することで、1日に必要なビタミンDができます。

全て冬至の日で、同じように日光に当たると仮定した場合でですので、緯度の違いだけでこれだけの差があるということです。

ただ、午前中からお昼ごろにかけて外回りをするなど、ある程度外を歩くという方であれば、割と日光に当たれるため、それほど気にする必要はないかと思います。

ちなみに、ビタミンDを得るための日光浴であれば、日焼けはしない程度で問題ありません。むしろ日焼けするほどの日光浴だと、皮膚に大きなダメージになるので、避けるようにしましょう。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属