糖質でも注意が必要?果糖の取り過ぎは健康を害する!#557

Voicy更新しましたっ!

今回は前回の尿酸のお話しに関連して、糖質や果糖にフォーカスしたお話

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尿酸値に影響を及ぼす「糖質」

前回、痛風のお話しの中で、意外にも「糖質」が尿酸値に影響を与えるということをお伝えしました。

中でも「果糖」に要注意、ということですが、今回はこのことをもう少し深く掘り下げて行きたいと思います。

まずは以前も少しお話ししましたが、糖質そのものについてのおさらいから、詳しくご紹介して行きます。

 

糖質は炭水化物の一つ

糖質とは、簡単に言うと炭水化物の中の一種です。

糖質と食物繊維を総称したものを、炭水化物と言います。食物繊維については直近で547回で詳しく触れておりますので、そちらも参考にしてみてください。

糖質の最も小さい単位は3つしかなく、この3つのものが様々な形にくっつき、組み合うことで様々な形になり、様々な働きを持つ糖分として体内で活動します。

その3つは「ブドウ糖」「果糖」「ガラクトース」です。

代表なものをいくつかご紹介すると、まずブドウ糖と果糖が1個ずつくっついたものを「ショ糖」と言い、簡単に言うと砂糖の主成分です。

次に、乳製品に多く含まれる「乳糖」はブドウ糖とガラクトースが1個ずつくっついたものです。

そしてパンやお米といったものに含まれる「でんぷん」はブドウ糖が大量にくっついている糖質、となります。

こうした糖質は胃を通って十二指腸のあたりで分解され、最初に書いた3つの最小単位にまで分解され、吸収されていきます。

ちなみに、voicyでもこれまで何度も触れており、日常生活でも度々耳にする「血糖値」ですが、この数字は前項で言うと「ブドウ糖の量」の数字となります。

ブドウ糖は小腸から直接体に吸収され、血管にそのまま入る成分ですので、取った分だけ血糖値に直に反映されるのです。

ですが、ブドウ糖は甘さで言うと砂糖の7割程度しかなく、甘さで言うと果糖の方が砂糖の1.3倍強い、とされています。

 

果糖は温度が低くなるほど、甘さを強く感じる

果糖のもう一つの特徴が、温度が低くなればなるほど、甘さを強く感じるという点です。

ですので、お菓子やパンはもちろん、清涼飲料水やアイスクリームといった製品に頻繁に用いられます。

また、果糖は吸収されると肝臓で中性脂肪となるもので、ブドウ糖のように血糖値にはほぼ影響しません。

これが非常に厄介で、血糖値が上がらないと満腹状態にならないため、たくさん果糖をとっても体感ではあまり満足できないのです。

このことは人間ではなくマウスによる動物実験でも立証されており、ブドウ糖を注射したマウスは食事を辞めるものの、そのブドウ糖と同じ量の果糖を注射したマウスはしばらくは食事を辞めず、カロリー過多となることが確認されています。

こうしたことにより、果糖が肥満や痛風の引き金になる一因とされているのです。

ブドウ糖は糖尿病になる恐れがあり、果糖は糖尿病ではない代わりに脂質異常症のリスクがある、と考えてください。

 

果糖は天然に含まれるものから摂る

この果糖は加工品から摂ると量が多すぎますので、天然のものから摂るのが一番おすすめです。

前回も触れたように、果糖はフルーツの甘みを構成する成分でもあり、ほとんどの果物類に含まれています。

そもそも果糖以外にも食物繊維もたくさん含まれているため、果糖もゆっくり吸収されていくので中性脂肪が一気に上がるということはありません。

一度にたくさんの量を食べれば、その分増えるため意味がありませんが、デザートとして少し食べる程度であればとても健康には良いです。

反対に、お菓子や清涼飲料水といった加工品に含まれる果糖は、異性化糖と言い、砂糖より安価な上に甘みが強いため加工食品には欠かせない成分です。

加工品や飲料には前述のような食物繊維類も無いため、果糖が一気に直接体内に入り、吸収されるため、生活習慣病の引き金になりやすいのです。

油ものをあまり食べていないとか、お酒も飲んでいないのに、尿酸値がなぜか高いという方は、こうした加工品から果糖を大量に摂っている恐れがあるため、食生活の見直しを検討してみてください。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属