covid-19予防にも有効?小腸の意外な働き!#558

Voicy更新しましたっ!

今回は2回にわたって、小腸と大腸について。

今回は「小腸」のお話

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人の健康を左右する「大腸と小腸」

今回と次回にわたって、人間にとって極めて重要な臓器となる「大腸」と「小腸」について詳しくお伝えしていきたいと思います。

腸を健康にすることで様々な病気の予防につながりますが、covid-19の予防にも役立つ可能性があります。

 

胃の直後から大腸の手前部分が「小腸」

まず今回取り上げる「小腸」ですが、位置で言うと胃から直接つながる腸のことです。

胃のすぐ後から、大腸の手前までのところが小腸となります。

もう少し具体的に言うと、まず胃の直後の部分が「十二指腸」と言い、手の指12本ほどの長さの腸になります。

そして、「空腸(くうちょう)と言い、長く、食べ物が通るスピードが速い部分を通り、その後スピードが減速して通っていくのが「回腸(かいちょう)」、そして大腸のつなぎ目となる「盲腸」を通り、大腸へ入ります。

この十二指腸から回腸までを総称して「小腸」と言います。

小腸全体はおよそ6メートルほどの長さですが、全体にヒダがついており、これをまっすぐに広げるとテニスコート2面分ほどの面積になるとされています。

小腸内にある細菌はおよそ1兆個で、例を挙げると乳酸菌が善玉菌として働いています。

ちなみに、ビフィズス菌が働いているのは大腸です。

 

小腸は消化と吸収のために働く

小腸の一番の働きが「消化と吸収」です。

食べ物は胃にある胃酸で溶けた直後、小腸に入ることで、本格的に消化と吸収がされます。

例えばタンパク質や炭水化物、脂質といったものは、そのままでは吸収されないため、必ず消化という工程を経ます。

これらの物質は、例えるならレゴブロックが組み合ってできたお城や車、と考えてください。

大きいためそのままでは使用できない上に、分解する余地がある状態ですので、小腸の力によってこれらをバラバラにします。

具体的に言うと、タンパク質であればアミノ酸類、炭水化物であれば前回触れたブドウ糖などの多糖類、脂質であれば脂肪酸類までに分解します。これが小腸の働きです。

そして、その時に生まれた残りかす、残骸が大腸へと行き、便となります。

 

腸内細菌の働き

以上のことは、おそらく中学校や高校とかでも習うことがあり、ご存じの方も多いと思います。

ここからもう少し小腸の働きを掘り下げると、まず前述の腸内細菌が活躍しています。

以前から度々、腸は体の免疫力に多大な影響を与えるとお伝えしていますが、実は人間の免疫細胞の7割は小腸に集まっています。

食べ物は外から入ってくるため、胃腸で消化、分解されたとしても、体にとってはわずかながらでも異物となる病原菌や細菌が入ってきます。

そうした異物と戦うために、小腸には自然と免疫細胞が集まり、働きも活発になるのです。

乳酸菌は善玉菌として小腸内で働きますが、小腸内の免疫細胞をより活性化させるという役割があるため、免疫力が高めるということにつながるのです。

これに付随して、小腸には解毒の働きもあります。

解毒というと、少し前に触れた肝臓の主な働きなように思えますが、小腸にも解毒の作用があります。

これは、外から小腸まで毒素が入ってきた場合、免疫細胞では分解できないためです。

例えば、魚や肉の「こげ」が発がん性物質と言われていますが、食べた時にこうしたものが小腸まで届くことがあります。

これを1兆個ある腸内細菌が手分けして解毒、無毒化します。

さらには、腸内細菌同士が協力して、ビタミンやホルモンを生成することもあるため、小腸の健康も人体にとっては非常に重要なのです。

 

小腸で起こる病気

この小腸が不調になるということは、まず単純に、栄養が上手く吸収できなくなるということになります。

その状態を正式に言うと「吸収不良症候群」と言います。

そして、小腸と大腸の粘膜が原因もわからずに炎症を起こしてしまったことを「クローン病」、そして小腸がん大腸がんといった「がん腫瘍」と挙げられます。

ちなみに小腸がんは大腸がんよりは、起こることは稀です。

いずれも共通する症状が下痢や腹痛、突然体重が減っていく、貧血の症状が起きる、といったものです。

そしてこれらの症状は、一時的なものではなく、だんだんと悪化していく場合は重大な恐れがあるのでやはりその場合は消化器科などのお医者さんにかかってみてください。

また、体のだるさや疲れが取れないといった症状でも、小腸で何らかの問題が起きている可能性があります。

しかし、実は小腸を調べるのは極めて難しく、小腸の検査というのはあまり行われることが無いという現実があります。

胃は胃カメラ、大腸はお尻から内視鏡で確認する、ということができますが、小腸はそのどちらからも遠い部位です。

実際に、小腸の病気もすべて解明できているわけではなく、未知の事もいくつかあります。

ですので、例えばクローン病の場合は大腸で炎症を起こしていることから、小腸でも炎症が起きていると推察して治療をします。

非常にやっかいなのは小腸でできた腫瘍です。

小腸用の内視鏡があるため検査自体は可能ですが、前述のように長さがあり、体に対して極めて負担がかかるという点があります。

そのため、症状がはっきりと出始めてから検査をするというケースが多く、がんや腫瘍が進行してから見つかることになります。

こうしたことを防ぐためにカプセル内視鏡という、飲み込むタイプの内視鏡が徐々に広がりつつありますので、お医者さんと相談の上検討してみてください。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属