日光健康効果!どれくらいは必要なの?#344

Voicy更新しましたっ!

今回は、お日様の光を浴びて得られる、健康効果のお話

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「日光を浴びると健康になる」理由

紫外線は体に悪い、と様々なところで言われていると思います。

前回のVoicyでも、日焼けについてお伝えしましたが、その反対に「日光浴」という言葉があり、体に良い習慣として知られていると思います。

今回はこの日光浴、というものについて、詳しくご紹介していきます。

 

日光にある作用

紫外線を浴びるのは体に悪いですが、日光浴は体に良い、と言うのは、どちらも正しいです。

実は紫外線を浴びると、人間の体は「ビタミンD」というビタミンを生み出します。

ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける効果に優れており、骨を強くするのが良く知られていると思います。

さらに、最近では筋肉を強くする効果もあるとか、免疫力を高める作用もある、と言われています。

紫外線は皮膚に大きなダメージになって、皮膚がんになる可能性がある、とされていましたが、紫外線を浴びてビタミンDを作り出すことで、免疫力を高めて、がん予防をする、というのも可能なのです。

 

浴びる紫外線の量が減ることが、ビタミンD不足に

このビタミンDは、普段の食事からとる場合は、1日5.5μg必要です。

食事量で言うと、男女ともにこの量以上をとれているとされていますが、血中のビタミンDの量は、現在では男性で3人に1人、女性は二人に1人が、ビタミンD不足、とされています。

なぜかこうなるかというと、5.5μgという基準値がだいぶ昔に作られたもので、それがまだ更新されていないため、と思われます。

なぜビタミンDの量が不足しているのかと言うと、昔に比べて日焼け予防グッズが進化しているのが大きな要因と言えます。

日焼け止めクリームやオイル等はもちろんですが、化粧品や衣服なども数多く出てきており、単純に浴びる紫外線の量が減ってきた、と言うのが一つの原因として考えられます。また、仕事でも効率化が進んで、外にいる時間が減っているのも一因と言えます。

 

ビタミンDは、絶対に摂り過ぎないように

ちなみに、ビタミンDは1日の摂取量に上限があり、1日100μgに収めてください。

食事でこれだけの量をとるのは難しいですが、医薬品でビタミンDを大きく補給する薬があり、具体的にはエディロールカプセル、というものがあります。

これは簡単に言うと、強いビタミンDで、これを飲むときはビタミンDやカルシウムが入っているサプリメントは絶対飲まないでください。

ビタミンDを取り過ぎて上限を超えると、性腱炎という、カルシウムが体内に大量に吸収されてしまって、石灰化して激痛が出るとか、手が上がらなくなると言ったことがあります。

 

最も効率よくビタミンDを得られるのが”日光”

日光です。

ポイントは夏と冬で紫外線の量が変わる、という事です。

例えば夏場の今頃、7月や8月の時期は紫外線が強いので、外の木陰にいるだけで充分です。

直接太陽の光を浴びなくても、外にいるだけで充分紫外線はあるので、およそ30分ほどいると、必要量のビタミンDは得られます。もちろん水分補給は欠かさずにしてください。

冬場は夏場よりも紫外線の量が少ないので、直接当たっても問題ありません。

どうしても外に出たくない、日焼けをしたくないという場合は、食事から補給していきますが、そのときはキノコ類、ヨーグルトなど乳製品がおすすめです。

ビタミンDのサプリメントもありますが、前述したように、取り過ぎると非常に大きな悪影響がありますので、現在市販されているサプリメントは、ほとんど5μgほどですので、とり過ぎることはほぼ無いと思います。

しかし、海外のものだと25μgぐらいのものもあり、これを必要量以上に飲んでしまうと上限を超える可能性があるので、避けてください。

 

 

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属