Voicy更新しましたっ!
今回は頂いたコメントから、カロリーや糖質のお話で必ず出てくる、キシリトール等甘味料について
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キシリトール?ソルビトール?
今回も前回に続いて、糖質にまつわるお話です。
コメントにて「間食の砂糖を控えようと、キシリトール入りのチョコ飴やソルビトール入りのクッキーを食べたら、変な汗が出て動けなくなるほどめちゃくちゃお腹が痛くなりました。ガスが溜まる感じです。
以来、キシリトール入りの歯磨きや、プルーンですらお腹が痛くなるようになりました。」と頂きました。
キシリトール、ソルビトールは、いわゆる「甘味料」となる物質です。
糖質や甘い物に関連して必ず出てくる、これらの言葉について少し触れていきたいと思います。
天然に存在している、人工甘味料
まず初めに、甘味料と言うと、「人工甘味料」が思い浮かぶ方が多いと思います。
キシリトールソルビトール、そして医療の業界ではエリスリトールという物質がありますが、この3つはいずれも正式に言うと「糖アルコール」という甘味料になります。
これらはお薬のように、工場で大量生産されていて、食品に用いられているのはそうですが、元は天然に、自然に存在している物質です。
お薬を組み合わせて、人工的に作り出した物質ではなく、自然に存在しているものを元として作っている、という事です。
この3つは、甘みはありながらカロリーがほとんど無いという特徴があります。
キシリトールとソルビトールはわずかにカロリーがありますが、エリスリトールは日本では正式に、厚労省がゼロカロリーと認めている甘味料の一つです。
これらは甘さでいうと、同量で比べた場合砂糖の7割程度の味があります。
逆に完全な人工甘味料、人の手で作った甘味料は、アスパルテームやサッカリン、スクラロースといった名前の物があります。
こういった人工甘味料は、ダイエット用の炭酸ジュースや一般的なお菓子に使うことがあります。
これらは同じ量の砂糖と比べると、数百倍の甘さがある上に、カロリーが無いと言う特徴があります。
これはつまり、砂糖1グラム分と同じ甘さを得るために必要な人工甘味料の量は、ごくごく少量で充分という事です。そしてその上で、カロリーが無いのです。
とても素晴らしい物質に思えますが、その分発がん性の問題が指摘されており、大量にとることで何らかの影響が出る恐れがあるなど、手放しでは活用出来ない物質でもあります。
糖アルコールのメリット
逆に、前項の糖アルコール、天然の甘味料では発がん性の問題はなく、安全に使える甘味料です。
例えば、エリスリトールはラカントSという商品名で販売されており、コーヒーに必ず砂糖を入れて飲むという方は、砂糖の代わりにすることで、味をほとんど変えずに、これまでよりもカロリーを大幅に抑えることが出来ます。
ラカントSは砂糖の代わりとして様々な場面で活躍でき、コーヒーや紅茶はもとより、お菓子作りにも、さらにはすき焼きのような砂糖を多めに使う料理にも、味をほとんど変えることなくカロリーを抑えることが出来ます。
そして有名なキシリトールは、虫歯にならないという効果で有名ですが、実はソルビトールもエリストールも同じく、糖アルコールが原因で虫歯になる事はありません。
虫歯の菌は糖を餌に酸を作り、この酸が歯を溶かしてしまって重いダメージとなり、虫歯となりますが、糖アルコールはいずれも糖では無いため、酸化することがありません。
ですので、虫歯の菌が糖アルコールから酸を作ることはなく、虫歯が悪化したり、新たに生まれるという事は無いのです。
また砂糖ではないという事は、血糖値が上がらないという事でもあります。糖分では無いため体に吸収されず、血糖値が上がりません。
糖アルコールの物であれば、糖質制限をしている時でも、血糖値が上がらないため前回のような糖質依存や生活習慣病の問題が起きないのです。
糖アルコールのデメリット
これらの糖アルコールは万能に思えますが、逆に考えることでデメリットもあります。
例えば、カロリーが無いという事で安心して食べ過ぎてしまうという事があり得ます。
お菓子やお料理において、ラカントSを使ってカロリーを抑えたとしても、お菓子に含まれる乳製品やすき焼きの塩分や脂肪分など、その他のものを一緒にとれば、結局それなりのカロリーをとることになります。
また、前述のように甘みが砂糖よりも若干落ちるため、同じぐらいの甘さを出すためにはそれなりの量を使う必要があります。そして、これらの糖アルコールは、バラつきはありますが一般的な砂糖よりも5倍から10倍ほどの値段で販売されています。ですので、コストパフォーマンスが極めて悪いというデメリットがあるのです。
さらに、砂糖よりも非常に溶けづらく、冷やして固めるようなお菓子で多めに使うと、口の中で分かりやすくジャリッとした食感がします。
また口の中がヒヤッと、冷たい感じがするのも特徴で、例えばプレーンのヨーグルトに少し甘さを加えるためにわずかに入れる程度であれば大丈夫ですが、クッキーづくりの時のお砂糖の代わりなどで多めに使うと、口の中がヒヤッと、明らかな違和感を感じます。
おなかの調子が悪くなることも
そして最後に、コメントにも頂いた「おなかの調子が悪くなる」というのも大きなデメリットの一つです。
通常の砂糖はお水と一緒に体に吸収されますが、糖アルコールの多くは吸収されず、腸内にとどまります。そして、本来であれば一緒に吸収されるはずのお水も同時に腸の付近に残ってしまい、結果として下痢となります。
もう一つ、コメントにあった「ガスが溜まる感じ」と言うのは、糖アルコールが腸に残り、腸内細菌が無理やり分解することでガスが出ます。これによってガスが不必要に溜まる感じで、おなかが痛くなる、という仕組みです。
またコメントに「プルーン一つしか食べていないのに腹痛になった」とありますが、プルーンにはソルビトールが含まれているため、これが作用している可能性があります。
血糖値が上がらないのもデメリットの一つ
最後に、前回の糖質依存の回などでも触れたように、糖質は体にとって必要な物質ですので、血糖値が上がらないというのも、考え方によってはデメリットの一つです。
簡単に言うと、血糖値が上がらないことでパフォーマンスが上がらない、という事になります。
糖質に関する実験で、甘みがあるものの血糖値が上がらないエリスリトール、反対に甘みは無いものの血糖値が上がるデキストリン、そして甘みがあって血糖値も上がる砂糖、この3つを摂取した前後で、暗算の正答率を調べた、というものがあります。
この結果、砂糖をとった場合だけ、暗算の正答率が上がった、という結果が出ました。
つまり人体、脳のパフォーマンスを上げるためには、甘みと血糖値の両方が必要なのです。
いわゆる集中力を高めるとか、パフォーマンスを上げる効果が高いエナジードリンクには、ほぼ100%ブドウ糖が含まれていますが、ブドウ糖はすぐに糖になって体に吸収されるため、一時的にパフォーマンスを上げるためにはとても重要です。
一方で、血糖値は急激に上昇しますので、糖質依存やダイエットのためには糖アルコールを、糖分補給が必要な時には一般的なお菓子、ブドウ糖をという風に使い分けるのが良いかと思います。