夏には水虫に注意
今回は、夏に向けて気を付けていきたいことの一つとなる、水虫についてのお話です。
以前、何度かvoicyでも取り上げたことがありますが、今回は今一度取り上げてみたいと思います。
足に発生する感染症の一つ
水虫とは、白癬菌(はくせんきん)というカビの菌が起こす病で、簡単に言うと感染症の一つになります。
足に白癬菌が付いて繁殖すると水虫、頭に付いて繁殖すると、しらくも、頭部白癬、陰部ではいんきんたむし、股部白癬と言われ、いずれも同じ白癬菌によって引き起こされる病です。
すべてに共通しているのが、白癬菌は暖かく、通気性が悪く湿った環境で繁殖しやすいという点です。
ですので、春から夏にかけて気温が徐々に上がり、衣替えの季節などには、起こるリスクが高まるということです。
今回は水虫ですので、足について言うと、足の指の間や足の裏は非常に感染しやすく、特にお風呂上りのバスマットや床を通じて感染することが極めて多いです。
主な症状は激しいかゆみで、かゆみに伴い皮膚が赤くなったり、乾いてはがれて来たり、逆に膿んだように湿ることもあります。
見分けが大切
水虫は白癬菌という菌によって起こるものですので、通常の炎症や虫刺されへのような対処法では効果がないという特徴があります。
ですので、意外にも間違えやすく、きちんと診断してもらわないと分からない部分もあり、自己判断が難しい病になります。
皮膚科のお医者さんでは、水虫と思われる部分の皮膚をとり、顕微鏡で目視して白癬菌がいるかを確認しますが、逆に言うとそのように診断しなければ、白癬菌がいるかが分からないということなのです。
もし心当たりがある場合は、早めに皮膚科に行くのも手です。
水虫は治りにくい
水虫の治療においての最大の特徴が、治るまでに極めて時間がかかるという点です。
水虫は適切な治療をしないと症状が治らずに長引いたり、症状が一旦収まっただけで再度繰り返したりと言ったことがよく起こります。
市販薬を使う場合でも、じゅくじゅくと湿っている感じの患部がある場合は、液状のお薬は刺激が強く、しみる感じになって痛みが走るため軟膏タイプを使うとか、逆にカサカサのところだと軟膏ではべたつきがあるため、ローションのような液状タイプのものを使うなど、患部によって使い分けるのも大切になります。
そしてもう一つ重要なのが、症状が出ていない、健康に見える部分にもお薬を塗り広げて、長期間塗るということです。
白癬菌は非常に根強く、しつこい菌ですので、一度症状が引いたように見えても、皮膚の深いところで生きていることが多く、お薬を辞めてしまうとすぐに再発するケースが大半です。
ですので、出来るだけ足全体にお薬を塗って、そして治ったと思ってから1カ月ほどはお薬を塗り続けるようにするのがベストです。
1カ月使っても効果がないとか、すぐにぶり返すような場合や、爪白癬で爪の間に水虫の症状が起きている場合は、お薬を使うのが難しいため、飲み薬の抗菌薬で治療をしますので、皮膚科のお医者さんに診てもらってください。
水虫の飲み薬は、他のお薬との飲み合わせが悪いケースもあるため、処方された際には必ず伝えて、指示を受けていただければと思います。
足を清潔に、乾燥させて予防を
水虫の予防は、免疫力にも関わるため日頃の生活習慣等はもちろん大切ですが、やはり足を清潔にして、乾燥させておくことに尽きます。
特に、可能であれば毎日足を洗うことが大切になります。
白癬菌は付着した時点で感染しますが、付着して24時間以内に足をきちんと洗い流すことができたら、菌が繁殖せずに流れるという特徴があります。
ですので、毎日洗って、繁殖しないように乾燥させることができれば、水虫にはかからないのです。
そのためには、足を洗うのと同時に靴下を毎日替えるとか、靴を乾燥させる、通気性のいいものを選ぶのがポイントになります。
また、他の人と靴やバスマットを共有しないのも大切ですが、温泉施設などの床では、バスマットを使うこともあるかと思いますが、その場合は帰宅してから再度足だけ洗ったり、きれいに拭いて除菌するのも充分予防になります。
不安がある場合は、こうしたことを意識していただければと思います。