蚊に刺されない為にはどうしたらよい?#640

夏の終わりこそ「蚊」に注意

今回は趣向を大きく変えて、「」のお話しです。

8月も後半に入り、暑さも全国的に和らいで来た今こそ、蚊の働きが活発になります。

今回は今こそ気を付たい「蚊」についてお話ししていきたいと思います。

蚊は暑さに弱い

実は、蚊という生き物は強烈な暑さには弱いという特徴があります。

真夏で気温が30度以上の時は働きが落ち、22℃から30℃までの間の温度が最も活発になります。

そして人を刺す蚊は産卵期を迎えているメスのみで、オスは全て花の蜜や樹液を吸うようになっています。

産卵期のメスが、人の体温や人から出る汗、二酸化炭素と言ったものを感知して近寄ってきます。

血液型の違いでも刺されやすさが変わり、仕組みは未だ不明ですがO型の人は刺されやすく、A型の人は刺されにくいことが分かっています。

また、汗の中には乳酸が含まれており、蚊は乳酸を感知するため、汗をかきやすい人や汗の量が多い方も刺されやすいです。

具体的に言えば、お子さんは代謝が良くて汗もたくさんかく上に体温も高めなため蚊に刺されやすいタイプとなり、太っている人は汗の量が多いのと同時に吐く息の量が多く、二酸化炭素が多く発生するため、蚊に刺されやすいと言えます。

ちなみに、アルコールを分解する際は体内から出る二酸化炭素量が増えるため、外でお酒を飲んでいる時は蚊が寄ってきやすいので注意してください。

さらに服の色によっても、近寄って来るかどうかが変わり、色が濃い服は刺されやすいことが明らかになっています。

蚊は白と黒しか判別できませんが、黒いものに寄って来る性質があるため、白などの薄い色の服よりも、黒系の濃い色の服を着ている人の方が刺されやすいです。

蚊の予防は虫除けスプレーが最適

蚊の予防で最も効果的なのは、虫除けスプレーです。

特にディートという成分はダニにも効果があり、山遊びなどアウトドアの時には非常に便利です。

ディートは一昔前には害がある可能性が指摘されており、イメージが悪い成分でしたが、現在では年齢による回数制限が設けられ、ほぼ害がない成分として現在も流通しています。

お子さんに対して気になるときは、イカリジンという成分が入ったスプレーが便利です。

外に出た時に1回スプレーするのではなく、可能であればこまめに使うようにすると効果が高いのでおすすめです。

使う部位は、蚊の対策であればあご周り、首元が最適です。首元は基本的に体温が高い上に肌も出やすいため、体の中でも刺されやすい部位になるので、そこをこまめにスプレーしておくと充分予防になると思います。

ちなみに、昔ながらの蚊取り線香やベープマットは、煙などによって蚊を寄せないようにする仕組みですので、どちらかというと閉鎖している空間の方が効果が高い傾向にあります。

最近は特に、室内の換気が極めて大切ですので、煙の成分が室内にはあまり留まらず、効果が薄くなるため、どちらかと言うと虫除けスプレーの方がベストです。

刺された時は、かゆくてもかかないこと

蚊に刺された時は、かゆくてもかかないように注意してください。

かいてしまって皮膚に傷がついてかさぶたになるとか、最悪そこから雑菌が入って化膿してしまい、とびひになる恐れもあります。

刺された時は、お薬であればムヒ、キンカン、ウナと言った塗り薬が市販されているため、これらが便利です。

赤みがひどく腫れている場合は、炎症が大きく起こっている表れですので、ステロイドが入ったかゆみ止めがおすすめです。

虫刺されによる炎症は意外と強いため、可能であれば強めのステロイドのお薬を使えるとベストです。

また、もしかいてしまて傷がついている場合は、化膿しないように化膿止めも入った塗り薬が一番便利で、商品名で言うと医薬品ではリンデロンVG、市販薬ではドルマイコーチ軟膏があります。

もし刺された直後などで、お薬が手元にない場合は水や氷を使って部位を冷やし、かゆみを紛らわしてかかないようにしてください。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属