帯状疱疹とヘルペスって何が違うの?#616

じわじわと流行をみせる「帯状疱疹」・「ヘルペス」

前回、マスクについての配信の中で、マスク皮膚炎という言葉が出てきました。

先日薬局に、マスク皮膚炎のような症状の患者さんが来られて、「もしかしたらヘルペスかも」というお話しになりました。

この患者さんは一般的な湿疹で普通のマスク皮膚炎でしたが、ヘルペスは口唇に出来ることがあり、確かにマスク皮膚炎とヘルペスは若干似た部分があります。

また、現在帯状疱疹の流行もありますので、今回は帯状疱疹、ヘルペスについて詳しくまとめて行きます。

帯状疱疹とは

始めに帯状疱疹についてですが、これは以前377回の配信で、水ぼうそうと併せて詳しくご紹介しております。

簡単におさらいすると、水ぼうそうと帯状疱疹は、どちらも同じウイルスによる病で、正式には「水痘帯状疱疹ウイルス」と言います。

極めて感染力が強く、感染経路は空気感染になります。

この水痘帯状疱疹ウイルスに初めて感染することで起きる病が、水ぼうそうです。

症状は赤い湿疹や水膨れが出て、それに併せて40℃ほどの高熱が出ます。

大半はおよそ1週間から10日ほどで治って行きますが、重症化すると肺炎や脳症と言った事態になるケースもあり、さらに妊婦さんが感染、発症すると胎内のお子さんに影響が出ることも明らかになっています。

この水痘帯状疱疹ウイルスは、感染して症状が出て、治ったとしても、ウイルス自体は体内から神経の奥に隠れたまま潜伏します。

疲労やストレス、加齢などと言った影響で、体の免疫力が下がったときに、その隠れていたウイルスが出て来て、再び水ぼうそうのような症状を引き起こします。

このことを「帯状疱疹」と言います。

帯状疱疹の症状は、湿疹と同時にピリピリとした痛み、妙な違和感があり、神経に隠れているため神経に沿って出てくるという特徴があります。

そのため、全体で見ると帯状になっていることから、帯状疱疹と呼ばれています。

これも水ぼうそうと同じく大半は1週間から10日ほどで治りますが、神経に影響が出るため痛みだけが長期間残ってしまうという事があります。

皮膚の症状が治まっても、ウイルスが神経の組織に傷をつけてしまい、それが治るまでに時間がかかり、およそ3か月ほどはかかることがあります。

正式には帯状疱疹後神経痛と言い、治療の開始が遅ければこれが起こる可能性が上がります。

帯状疱疹はとにかく早めに皮膚科さんにかかって治療することが大切です。

ヘルペスとは

次にヘルペスですが、これは前項の水ぼうそうや帯状疱疹の、水痘帯状疱疹ウイルスとは違う種類のウイルスによる病です。

「単純ヘルペスウイルス」によって起きる病で、水ぼうそうなどとは種類は違うものの非常に似ているのが特徴です。

症状も似通っており、例えばぽつぽつとした湿疹、水ぶくれ、そしてピリピリとした痛みが出ます。

大きな違いは感染力にあり、水ぼうそうのウイルスは空気感染するほど強力ですが、ヘルペスウイルスは症状が出ているときに何らかの経路で接触しなければ感染はしません。

口唇ヘルペス、性器ヘルペスという名称が一般的ですが、ヘルペスの症状が出るのは口唇と性器に限ったことではなく、体のどこにでもできる可能性があります。

そしてどちらの場合でも、1度かかると何度も繰り返してしまうのも特徴で、例えば口唇ヘルペスの場合は風邪をひいたときや体調不良の時などの際に、すぐに再発することがあります。

さらに、発症場所も同じく、以前の部分に何度も起こるという特徴があります。

口唇ヘルペスはウイルスが増えないようにする市販薬が

帯状疱疹とヘルペスの治療ですが、まず帯状疱疹は前述のように強いウイルスによる病ですので、思い当たる点があればすぐに皮膚科のお医者さんに診てもらってください。

帯状疱疹のウイルスは神経を傷つけてしまうため、治療が遅くなるほど事態が深刻化していきますので、痛みを伴う湿疹や、帯状にぽつぽつと出来ているときは注意してください。

ちなみに帯状疱疹は予防接種があるため、特に60代以降の方は発症しやすいですので可能であれば打つことをおすすめします。

ヘルペスは、口唇ヘルペスの場合はウイルスを増えないようにする塗り薬が市販されているため、例えば少し疲れただけでよくヘルペスができる、という方は常備薬として一つ持っていると安心だと思います。

飲み薬はありませんが、塗り薬は零売でもあるため、薬局で購入できます。

ただ、ヘルペスであっても範囲が広いとか、痛みが強くなる場合があり、また初めてかかったという時はなかなか治りづらくなることが多いため、その場合は処方される飲み薬での治療が必要になります。

その時は、皮膚科さんや、性器ヘルペスの場合は泌尿器科のお医者さんに診てもらってください。

そしてヘルペスはワクチンがないため、予防は免疫力を維持することに尽きます。

特に風邪の引き始めなど、調子が悪くなりそうと感じた時には、きちんと睡眠をとったりアミノ酸やビタミン類を補給しておくと、予防につながるかと思います。

頻繁に口唇ヘルペスが起こるという方でお薬があれば、予防として塗っておくのも一つの手です。

免疫力が下がると起きやすいのがヘルペスですので、普段から健康的に過ごすことが大きな予防になります。

薬剤師からのアドバイス

吉田 聡(なくすりーな薬局長)

なくすりーなではヘルペスの症状に対応する「零売薬」をご用意しています。零売薬とは、処方箋なしで買える病院の薬です。
必ず薬剤師による対面での相談・カウンセリングが必要なので、症状に合わせて、より効果的なお薬をお出しすることができます。(市販薬は手軽に購入でき、どんな人にも効きますが効果は緩やかです。)

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この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属