痔にならないために大切なこと
今回も前回のVoicy「最近痔の人が急増中?原因と治療」に続いて、痔についてのお話です。
痔の予防は便の健康に直結しておりますので「あなたの便秘。原因は?」便秘の回も併せてご覧いただければなお良いかと思います。
痔にならないためには、やはりまずは「水分をとる」ことを一番に意識していきましょう。
水分をとって便を柔らかくする
前回触れた、男女問わず最も多い「切れ痔」は、何よりも便が硬いことが最大の原因になります。硬い便を無理に出そうとして、肛門が傷つき、切れるという状態ですので、とにかく便の健康に気を使うことが痔の一番の予防になります。
まず、最初に大切なのが水分です。
ご存知の方も多いかもしれませんが、成人であれば1日2Lほどの水分が必要、とされています。お水を1日に2リットルも飲むのは非常につらいと思いますが、これは食事で得られる水分も含めての数字です。
つまり、スープやお味噌汁はもちろんのこと、野菜や果物類から得られる水分も含めて、トータルで2Lと考えてください。
このことを踏まえてお水を飲むとしたら、食事で500ml、お水は1.5Lほどでも大丈夫と言えます。
ただ、それでもなかなか大変だと思います。
そういう時は、朝起きてコップ1杯のお水を飲みほしてください。朝一でお水を飲むと腸に刺激が行き、排便を促してくれるため、便秘予防に非常に便利です。
少しで良いから、朝に何かを食べる
次に食生活についてですが、前回などでも触れたように、食物繊維や乳製品、発酵食品で腸内環境を整えることが大切です。とはいえ、ヨーグルトなどすっぱいもの全般が苦手とか、葉物でも野菜が本当に嫌いという方もいると思います。
そういう時は、朝起きてすぐお水を一杯飲むのと同じように、何でもいいので朝ご飯を必ず食べて、胃腸に刺激を送ってください。
例えば、果物をほんの二口だけとか、ジュース一杯とか牛乳一杯程度でも良いので、胃腸を刺激することで、便秘しにくい環境になります。
朝はきちんと食べる方が望ましいですが、難しいというときは何でもいいので食べる、ということをやってみてください。
トイレでも痔の予防ができる
前回や前項でも書いたように、切れ痔は硬い便を無理やり出そうとして起きますので、トイレで急に強く息まないようにすることも予防の一つになります。
便が出にくいからと言って、勢いづけるようにいきなり強く息むと、非常に痛いダメージになります。
したがって、ゆっくりと徐々に力を入れるような感覚で息むようにして、場合によっては力を入れずに待ってみたりするのも大切です。
また、無理やり出そうと長時間粘るのも肛門に負担となるので、およそ3分から5分ほどを目安にして、出なさそうだったら一旦あきらめることも考えてください。
次に、排便後のお尻の拭き方ですが、肛門はそもそも非常にデリケートで弱いお肌ですので、決して強くこするように拭かないでください。
特にすでに痔がある場合は、可能であればウォシュレットを使うようにしてください。
軽くペーパーで拭いてから、ウォシュレットを使って、最後にもう一度軽くペーパーで押さえて水分を拭きとるという風にするととても良いです。
逆にむやみに洗いすぎるのも、肛門周辺のお肌のダメージになりますので、ウォシュレットは1回にして、後はペーパーで優しく拭くようにしてください。
温水洗浄便座症候群に注意
ちなみに、ウォシュレットを浣腸のように使うという方がたまにいます。
ウォシュレットでお尻を刺激して排便する、というやり方ですが、この方法に慣れてしまうと、ウォシュレットが無いと便が出にくくなる、という状態になることがあります。
これを「温水洗浄便座症候群」と言い、近年問題になりつつあります。進行すると、ウォシュレットが無いとおなかが苦しいけど出せない、という状態にまでなるため、ウォシュレットで排便を促すのは避けてください。
その他で痔の予防になること
お風呂に入る
食生活とトイレ以外でできることでは、お風呂があります。
シャワーで済ませるよりも、湯船にきちんと浸かった方が良いというのは度々お伝えしていますが、痔において言うと、まず血流が良くなるという点があります。
前回触れたように、長時間の座り仕事などで血流が悪くなるのは、内痔核の大きな一因ですので、しっかりと温めて血流を良くすることが、痔の予防になります。
そして、シャワーよりもお尻が清潔に保たれるのもメリットの一つです。
例えば、何らかで傷がついて化膿して、痔ろうとなることがありますが、湯船に浸かることで全体的に適度に汚れが落ちて行きます。
逆にシャワーを直接当てるのは肛門周辺を洗いすぎてしまい、ダメージになりますので、できれば湯船に浸かる方がベストです。
同じ姿勢を続けない
前項に関連して重要なのが、「同じ姿勢を長時間続けない」という点です。
座りっぱなしだと、どうしても血流が悪くなりますので、目安としては1時間に1度ほど、どうにか姿勢を変えたりストレッチをして、血液を流すように意識してください。
ストレスをためない
最後に、ストレスも遠からず痔の原因になります。
ストレスが強まると消化管の働きが悪くなり、便に悪い影響を与えるため、その分痔のリスクも高まります。
ストレスについては、456回の配信「ストレスって何?うつとは何が違うの?」で触れておりますが、痔で言うと特に睡眠が大切になります。
睡眠時、副交感神経が活性化されているときは消化管の動きが良くなっており、胃腸が働いている時間ですので非常に重要です。
適度な運動と、しっかりと睡眠をとることも、痔の予防になりますので、是非普段から注意していきましょう。
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