ストレスって何?うつとは何が違うの?#456

Voicy更新しましたっ!

今回は何気なく言われる「ストレス」の詳しいお話

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「ストレス」と「季節性うつ」

今回は、最近あまり触れていなかった、精神的な、こころに関するお話です。

秋口は特に、季節性うつという気分の落ち込みが激しくなる時期なので、是非対策していければと思います。

 

ストレスの語源

まず、voicyでも何度も登場していて、また日常生活でも頻繁に使われる「ストレス」という言葉ですが、これは正しくは物理学で使われている言葉です。

「ストレスがかかった」というのは、外側から圧力をかけたことで、物に歪みができた状態のことを指します。

このことから、人の心や体にかかる負担、刺激のことを、ストレスという風に呼びます。

そして、ストレスがかかったことで起こる反応を、ストレス反応、と言います。

ストレスがかかることで、イライラするとか、気分が落ち込むとか、胃腸の調子が悪くなる、甘いものが食べたくなる、ニコチンやアルコールの量が増えると言ったことが起こると、ストレス反応が起きている、と言えます。

いわゆる心の不調で、俗に言う「うつ」のように見えますが、うつとは原因が異なると言う特徴があります。

 

うつとストレスの違い

一方のうつは、ストレスを原因とした病の一つ、となります。

密接に関連している両者で、しばしば混同されやすいですが、同じものではありません。

うつの症状は一日中、何も気力が湧かずに時間が経過するとか、何をしても気分が変わらず何とも思わない、と言うような、気分的な、心の面での症状が多いです。

そしてもう一つ、うつは病の一つなため、薬での治療が可能で、よく効く薬もあると言う特徴があります。

ただ、うつと似たような病はいくつもあり、一概に薬を飲んだら治る、というわけではないという点もあります。

例えば適応障害や、双極性障害など、うつに似ていてもうつとは全く違う病もあり、特に適応障害はうつと非常に似た症状ですが薬が効きにくい病です。

うつと似た症状で、その原因もストレスによるものが多いですが、それぞれの病でお薬と治療法が変わってくるのです。

つまり、お医者さんに正しく診断されなければ意味がないどころか、症状が悪化する可能性もあります。

なので専門のお医者さんに充分に診てもらって、しっかりと治して行く必要があります。

今挙げた適応障害と双極性障害は難しくややこしいお話ですので、次回詳しく掘り下げていきたいと思います。

 

ストレスを解消するということ

本題のストレスに戻しますが、ありとあらゆるところで「ストレスが原因なのでストレス解消を」と何度も目にすると思います。

ストレス解消の方法は本当に人それぞれで、性格や趣味が千差万別あるように、ストレスが取り除かれて行くのも人それぞれいくつもの方法があります。

運動をする、カラオケで大声で歌う、アロマやお香を焚いて家でゆっくりする、ご飯をたくさん食べる、などなど挙げればキリがないほどあります。

個人的に、ストレス解消ということについてお伝えしたいのが、「何をやるかではなく、たくさんの方法を持っておく」ということです。

これがストレス解消の一つのコツ、ポイントだと思います。

よく、ストレス解消と言えば、新しく趣味を始めるとか、何かとお金がかかるというイメージがあると思います。

それは確かに一理ありますが、お金がかからないものでも、いくつかストレス解消の方法を持っておくことで、イライラしたときに気軽に気分転換できるようになるのです。

例えば、安価なお店で思い切り外食するのがストレス解消だとした場合、今年の数か月前にはcovid-19によって全国的にほぼ封鎖状態になり、行けるお店がほぼゼロに近いぐらいになったと思います。

また、日常のストレスを溜めに溜めて、海外旅行で一気に解放すると言うのも一つの手ですが、それも今年に限って言えば、covid-19でほぼ丸1年は出来ない状況にあります。

なので、一つに絞るのではなく、簡単なものでも良いので、いくつかストレス解消のための行動を作ると、万が一その方法が出来なくなったとしても、別の事でストレス解消ができ、良い気分転換ができます。

 

ストレス解消の行動を「意図的に」行う

そこでもう一つポイントなのが、そう言ったストレス解消法を、「意図的に」行うようにしてください。

これは非常に重要なことで、例えばゲームが好きで、趣味で遊んでいるとした場合、家に帰って時間がある時にたまに遊ぶとします。

と思ってやらなければ、ストレスは残ったままなのです。

必ず意図的に、ストレス解消のためにやる、と決めて、やるようにしてください。

 

生活環境を変える

個人的に、お金がかからず、またとても手軽にできるストレス解消法の例を挙げると、模様替えとか断捨離、片付けのような、自分の生活環境を変えるというのが挙げられます。

これは、家具を動かすとかではなく、少し窓を開けてみるだけでもおすすめです。

外で出来ることでは、通勤通学の時の通り道を変える、帰宅の時の帰り道を変えるとか、支障にならない程度に少し寄り道するのも非常に良いストレス解消になります。

 

その他のストレス解消法

また、少し手間がかかりますが、犬や猫など動物と遊ぶとか、信頼できる人に愚痴として聞いてもらうというのも、もちろん有効です。

逆にさらに手軽なものでは、自分が触り心地が良いと思うものを触る、というのも実はストレス解消になります。

さらに言えば、あえて自分から勉強してみる、というような、自分が苦手なことにチャレンジしてみるのも、一つの手です。

いずれにしても、一番重要なのは、意識して、「今ストレスを解消している」と思う事です。

無意識で何となくやるだけでは、特に楽しくもなく、ただ疲れるだけですので、必ず自分から意識して「ストレスを解消する」と思って、実行するようにしてください。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属