「痔」の人が増加している?
今回はかなり久々に、自分がインターネットで検索した最近の話題から、取り上げてみたいと思います。
そこで、見つけたのが「痔の患者さんが増えている」というお話しです。これはcovid-19関連ではなく、ここ10年ほどの間で、右肩上がりに増えているという内容でした。
痔そのものについても、voicyではあまり触れておりませんでしたので、今回はこの痔について詳しく掘り下げていきたいと思います。
「痔」とは、お尻の穴、肛門の病気の総称のこと
まず「痔」というのは、人間の肛門に起こる病気の総称のことです。
つまり、痔を種類分けすることで「切れ痔」「いぼ痔」「痔ろう」という風に分かれ、この3つが痔の代表的な三大疾病となります。
女性に多い「切れ痔」
「切れ痔」はどちらかというと女性に多く、硬くなった便を無理に力を入れて出そうとして、肛門にダメージとなって切れる、という状態です。単純に、肛門が傷ついていますので痛みが非常に強く、出血も起きます。
「いぼ痔」には内痔核と外痔核がある
「いぼ痔」は、男女問わずこの3つの中で最も起こりやすいタイプになります。いぼ痔は内側と外側の2パターンがあります。
外からでは見えない、肛門の内側にできたいぼ痔を「内痔核」といい、痛みがあまりないのが特徴です。痛みがないものの出血が起き、拭いた後のトイレットペーパーに血が付いているとか、出血が大きい深刻なものだと便器が赤くなるほど血が出る内痔核もあります。
特に出血が多いタイプのは単なるいぼ痔ではない可能性もあるので、早めにお医者さんに診てもらってください。
また、内痔核が進行することで内側から外側に出てくる、というパターンもあります。排便してトイレットペーパーでお尻を拭くとき、紙越しに指に触れて「いぼがある」と認識できるといぼ痔が大きくなっている状態と言えます。
ここからひどくなると、便をした後に手で押し戻さないと戻らないとか、押しても戻らなくなるレベルまでなる場合もあります。
一方の外痔核も、内側から徐々に外側に出てきますが、これは排便時に痛みが出るのが特徴です。肛門の周囲にしこりのように、常にある状態が外痔核となります。
こちらは内痔核よりも症状がはっきりしており、実際にすぐに病院にかかる方が多いタイプで、早期に治療されることが大半です。
中高年の方に多い「痔ろう」
最後の痔ろうは、発熱がある、肛門周辺に妙な痛みがあるといったことが初期症状として起きます。
詳しくは次項で後述しますが、膿を出そうとするために皮膚の外までトンネルのように膿が進み、体にそのトンネルの先が開いたという状態が痔ろうです。
これは自然には治らないため、治療か手術が必要になります。
痔の原因
これらの痔の原因ですが、まず「切れ痔」は前述したように便の硬さが最大の原因です。女性は女性ホルモンの影響が大きく、便秘になりやすいという特徴があります。
単純に、妊娠への準備として水分が大量に必要になるため、便の中の水分が不足しやすく、便が硬くなりやすいということです。また、ダイエットで食事の量を減らし、便のかさが減ることも、便が硬くなる一因になります。
次の「いぼ痔」は、いわば「動脈瘤」みたいなものが肛門で出来ていると考えてください。例えば長時間のデスクワークや運転で、肛門の周囲の血液の流れが悪くなり、血液がお尻にたまってしまいこぶのようになっている状態です。
厳密には、血管が詰まっているというわけではなく、血液がうまく循環しないという状態で、こぶのような形になっているのがいぼ痔です。長時間座りっぱなしもそうですが、例えば気温が下がって血流が悪くなることで起きるとか、女性の場合は妊娠や出産が引き金でいぼ痔となるケースもあります。
妊娠によって体の血液がおなか周辺に集まりますが、体の末端の一つである肛門の血流も悪くなり、いぼ痔ができやすい状態になるのです。
最後の「痔ろう」は、肛門周辺に膿ができるのが最大の原因です。特に暴飲暴食は大きな一因で、例えば下痢をした後に固い便が通ると肛門周辺の皮膚が荒れてしまい、粘膜が傷つきます。
その時に便などから細菌に感染することで、化膿していき、進行することで痔ろうとなります。
治療は注入軟膏がベスト
「切れ痔」「いぼ痔」は注入軟膏が一番楽でおすすめです。CMでも非常に有名な「ボラギノール」の注入軟膏で充分効果があります。ボラギノールには座薬と普通の軟膏と注入軟膏がありますが、これの注入軟膏がベストです。
もしこれを使っても良くならないときは肛門科のお医者さんか、もしくは消化器内科のお医者さんに診てもらってください。
「切れ痔」や外痔核は普通の軟膏か注入軟膏、内痔核の場合は座薬かもしくは注入軟膏という風に使い分けてください。お薬を使うタイミングは、トイレットペーパーに血が付いていると思ったときにすぐに使ってください。この時に使ってみて治れば問題ありません。
特に内痔核は前述のように進行して大きくなると手術が必要になりますので、おかしいと思ったときにすぐにお薬を使って対処していくのが大切です。
最後の「痔ろう」は、肛門のあたりが妙に痛い、原因不明の熱が出ているというときは、痔ろうの初期症状の恐れがあるためすぐに病院での処置が必要です。
痔ろうは放っておくと痛みが激しくなって手術が必要になるどころか、進行するとがんに移行するケースもあるほど重大な病ですので、万が一心当たりがあればすぐにでもお医者さんにかかってください。
なお、痔の予防については、「痔の予防はどうしたらよい?」をご覧ください。
薬剤師からのアドバイス
なくすりーなでは痔の症状に対応する「零売薬」をご用意しています。零売薬とは、処方箋なしで買える病院の薬です。
必ず薬剤師による対面での相談・カウンセリングが必要なので、症状に合わせて、より効果的なお薬をお出しすることができます。(市販薬は手軽に購入でき、どんな人にも効きますが効果は緩やかです。)
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