放置は危険!身体に生えるカビ!水虫薬・白癬菌#519

「水虫」は体にカビが生えた状態

実は、カビというのは体の中に生えることがあります。前回の「梅雨時期に見直したい「カビ」対策」でも少し触れましたが、カビが体内に住み着くということがあります。

それで最も有名なのが、「水虫」です。水虫は白癬菌(はくせんきん)という菌が起こす病で、種類で言うと真菌(しんきん)という種類になります。

そして水虫のことを正式にいうと、足にできた場合は「足白癬(あしはくせん)」、爪に出来た場合は「爪白癬(つめはくせん)」という風に、発症した場所によって名前が変わります。

また頭部の水虫を「しらくも」という事がありますが、これは正式には「頭部白癬(とうぶはくせん)」といい、さらには俗にいういんきんたむしのことを正式には「股部白癬(こぶはくせん)」、頭や足元以外の体に出来たものを「ぜにたむし」ということがあると思いますが、それは体部白癬(たいぶはくせん)といいます。

体のどこかに水虫がある方は、日本人でいうとおよそ5人に1人と、意外と多いのが特徴で、例えば爪水虫だと10人に1人ほどの割合であるとされています。

水虫が繁殖しやすい場所

梅雨時期に見直したい「カビ」対策」の回にも通じますが、水虫が繁殖しやすい場所は、暖かくて湿った場所を最も好みます。例えば、靴の中や、お風呂場や銭湯などのバスマットが非常に繁殖しやすいです。

すでに水虫がある人が使った靴や使ったスリッパ、踏んだバスマットといったところにうつり、繁殖してさらにそれを踏んだ人の足へ感染していくという流れです。

バスマットは水虫が感染しやすい場所なので注意が必要

ところで、最近確認された新しい水虫があります。通常、前述のような手白癬(てはくせん)や爪白癬(つめはくせん)といったものは、足にできた水虫から感染していくため、足に気を付けるのが一番でしたが「トンズランス感染症」と言う新しいタイプのものが出てきました。

これは主に格闘技の競技者に多い水虫で、トンズランス菌という白癬菌の1つが、対面で行う格闘技の練習を通じて体や頭から移り、足に水虫が無くても「頭部白癬」などとなって表れるということです。海外では水虫のことをアスリートフットと呼ぶことがあり、激しくスポーツをして、足元と靴の中に汗をかくと水虫ができやすい、ということが由来しています。

水虫の症状

足の水虫の主な症状としては、水ぶくれができる、皮がむける感じになることが多く、皮が白くふやける感じになるのは、足の指の間だけですがよく起こります。

水虫といえばかゆみの症状が主では、と思われそうですが、実は半分以上の割合は、水虫に感染してもかゆみを感じません。つまり、なんとなく皮がむけてる、カサカサしてるだけとか、かゆみが無くポツポツとした水ぶくれや湿疹があるだけ、という感じの方が多いのです。

爪水虫は爪が白く分厚くなったり、巻き爪のようになる症状が多いです。

そして、いんきんたむしやぜにたむし、トンズランス感染症は、円形に、輪のような形で赤茶色の湿疹が出来て皮がむけてくる症状が多く、しらくもも同じく円形に、毛が抜けたり毛穴が黒くなったりと言った症状になります。

水虫を放っておいたら

以上が水虫の主な症状ですが、いずれにしても、皮膚の軽い病で、ちょっと汚い程度で済むイメージかもしれません。ですが放っておくと意外と問題が出てきます。例えば爪水虫だと、巻き爪のような症状ですので放っておくと痛みが強くなってきます。

特に、足に主に出来る水虫は、皮膚にダメージを受けている状態で、いわば常に傷がついている状態、と言えます。

この時、何かの拍子で余計に傷つくと、普段よりも菌が入りやすくなり、化膿しやすくなるなど、重症化しやすくなるという事です。

最も困るのが糖尿病の人で、糖尿病の人の場合はそもそも水虫に感染しやすい上に、足の感覚が鈍くなってくるため、一般的な水虫やそこから入ってくる雑菌による化膿には気付きにくい状態にあります。

すると、知らず知らずのうちに化膿しまい、「糖尿病性壊疽」という状態になり、足が壊死して切断する、というところまで進行します。

糖尿病で足を切断するという事態は、この水虫から起こる事が全く珍しくないのです。

水虫の治療

一般的な足の水虫は、市販のお薬で問題なく治療ができます。

軟膏、クリーム状のものや液体状のものなど様々ありますが、大きく分けると、皮がふやけていたり水ぶくれになっている場合はクリームタイプのを、カサカサしている場合は液体状のもの、とするのがおすすめです。

そして一番重要なのが、症状が片方の足にか出ていなくても、必ず両足に、全体的に使ってください。

ほとんどの場合、片足に症状が出ていればもう片足にもすでに移っていて、いつ症状が出てもおかしくない状態にあります。

続けて、たとえ症状が無くなっても、1か月は両足に全体的に使ってください。

水虫の薬は、片足だけの症状であっても両足に使うことが重要。

水虫は真菌という菌で、普通の細菌よりもしつこく、強いため絶滅まで至るのに非常に時間がかかりますので、治ったと思っても必ず1か月ほどは使い続けるようにしてください。

ちなみに水虫っぽい症状でも、普通の真菌ではない違う種類の病もあります。

なんてことは無い湿疹だったりとか、カンジダ症、掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)など様々、水虫に似たものがあるので、そう言ったものは通常の水虫のお薬は効きません。

もし、2週間ほど使っても何も効果が無く、変化が無ければそう言った病の可能性がありますので、皮膚科のお医者さんに診てもらってください。

そして、爪水虫やいんきんたむし、しらくもなど足以外に出来た水虫は市販薬で治すことが出来ないため、もし足以外で水虫っぽい症状があり、心当たりがあれば皮膚科のお医者さんに診てもらいましょう。

そういった場所へは塗り薬が効かないため、専用の飲み薬で治す必要があるためです。

水虫の予防

水虫の予防は、白癬菌を24時間以上付け続けないこと、です。一瞬、数時間程度足についた程度では住み着くことはありません。

付いたとしても24時間以内にきれいに洗い流せば、うつって住み着くことはありませんが、24時間以上たつと足に白癬菌が住み着き、発症するリスクが生まれます。

ですので、銭湯でも公共のバスマットを使わないとか、使ったとしても最後は必ず自分のタオルで拭いてから靴下を履いて靴を履く、という風に対策してみてください。

もし、家族に水虫の人がいるなどの場合でも同様に、バスマットやスリッパを共有しないように注意すると良い予防になります。

薬剤師からのアドバイス

吉田 聡(なくすりーな薬局長)

なくすりーなでは水虫の症状に対応する「零売薬」をご用意しています。零売薬とは、処方箋なしで買える病院の薬です。
必ず薬剤師による対面での相談・カウンセリングが必要なので、症状に合わせて、より効果的なお薬をお出しすることができます。(市販薬は手軽に購入でき、どんな人にも効きますが効果は緩やかです。)

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この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属