梅雨の準備は大丈夫?カビ対策!#518

Voicy更新しましたっ!

今回は今年も本格的にシーズンを迎えた、梅雨のお話

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梅雨時期に見直したい「カビ」対策

今年も6月に入り、全国的に雨が多いシーズン「梅雨」を迎えました。

梅雨と言えば、家に湿気が増えて「カビ」が生える季節ですが、なぜ梅雨時期にカビが生えるかと言うと、単純に「カビが生えるのに最も適した環境になる」ためです。

具体的に言うと、気温が25℃から30℃、湿度が80%以上の環境だと、カビが一番生えやすいとされています。

 

意外にも起こりやすい「湿度80%以上」

気温はともかく、湿度80%以上と言うのは意外に難しいのでは、と思われるかもしれません。

かなり強めに雨が降っていないとならないように思えますが、実はカビは、空気中の水分量だけで生えるものではありません。

表面の水分を使って生えるため、空間の湿度が80%より低くても水があれば生える可能性はあるのです。

ちなみに、同じ湿度でも、夏ごろの気温が高い時と、秋冬の気温が低い時期では意味が変わって来ます。

どう言う事かと言うと、湿度が同じ50%でも、気温が違うと空気に含まれる水分量が変わる、という事です。

梅雨や夏の季節は気温が高く、同じ空気中の水分量が増えますが、冬場は同じ空間の空気中でも、水分量は夏より少なくなります。これが、冬場は乾燥するという事になります。

 

カビが生えやすい場所

ですので、カビが生えやすい場所は、湿度が高いのと同時に、湿気が溜まっている場所、水分が多くなる場所になります。

例えば浴室はもちろんですが、人の汗を長時間吸うベッドやお布団もカビが生えやすいです。

そしてもう一つ、キッチンやその周辺のカーペットもカビが生えやすく、この辺にはカビの栄養となる、食べ物の食べかすや調理で出た小さなゴミなどが常時あるため、非常に危険な場所になります。

また頻繁に結露したり、ほぼ直接雨水に触れる窓ガラスのサッシや窓枠は言うまでもありません。

気温と湿度が一定で、カビにとって丁度いい環境であれば、カビは生えやすい環境になる、という事です。

 

カビの「胞子」が危険

カビが最も危険なのは、目に見えない「胞子」を空気中にまき散らすという点です。

花粉のように空気中に漂い、それを吸い込むことで様々な病が発生します。

例えば有名なのがシックハウス症候群で、お家の中に居て落ち着いているはずなのに調子が悪くなる、体調が優れなくなるとか、夏型過敏性肺炎という肺炎の原因になります。

カビのアレルギーによる肺炎で、主にエアコン内部で起きたカビが原因で起こりやすく、エアコンを止めたり、外で新鮮な空気を吸い込むと一旦治ると言う特徴があります。

そして、もう一つ厄介な胞子による病が、アスペルギルス症です。

特にカーペットの中に生えたカビから起きる病出、体力や免疫力が下がっている時にアスペルギルス症の原因となるカビの胞子を吸い込んでしまうと、肺の中に住み着いてしまい、微熱や咳、痰が長く続いてしまうという病です。

いずれも、胞子を吸い込むことで、肺に起こる炎症や症状がほとんどですので、同じく肺炎のウイルスとなるcovid-19と極めて似ています。

もし万が一、咳や喘息の症状と同時に、微熱でも発熱がある感じであれば必ず病院や保健所など、専門の窓口に相談してみてください。

ここ最近で、咳や発熱があるからと言ってcovid-19に感染したとは限りません。

当然ながら現在も、covid-19のウイルスと同時に、通常の肺炎のウイルスやカビの胞子は存在しますので、そう言った病が起こるケースも充分あり得ますので、遠慮せずきちんと相談してください。

またカビの胞子が鼻に入ると、花粉症のように鼻のかゆみや鼻水と言ったアレルギーの症状になって起こるケースもあります。

カビは他にも様々な面で悪影響が出るので、出来るだけきちんと対策するようにしましょう。

 

カビの対策

カビ対策については、かなり前ですが326回の配信でお伝えしておりますので、もしよければそちらも参考にしていただければと思います。

カビへの一番の対策は「換気」です。

換気については、最近は特にcovid-19に関連して何度も触れておりますが特に417回で詳しく触れています。

少し前のことにも重なりますが、換気システムがあればそれをきちんと使う、無ければ対角線になるように窓やドアを開ける、換気扇を回すと言ったことですが、今回、一番重要なのが「雨の日でも換気する」という事です。

雨の日で室内を閉め切ってしまうと、実は外よりも湿度が高い環境になります。

もし窓の内側が酷く濡れて、結露していると、室内の湿気が外よりも多い、湿度が高いという事になります。

ただ、それでも天気柄、上手く換気が出来ない場合があると思いますが、そのときはエアコンや換気扇、サーキュレーター、扇風機を使って空気を動かしてください。

そしてもう一つ、可能であれば室内ある物を、壁から10センチほど空けるように配置を見直して、空気の通り道を開けるようにしてみてください。

若干間を空けるだけでも、梅雨の時期だけでも良いので、家具の位置を見直してみると、カビ予防に非常に効果的です。

最後に、エアコンがあれば必ず、シーズン前にエアコンの掃除をやっておいてください。

普段からこまめに掃除していれば問題ないですが、エアコンの掃除はなかなか難しく、掃除が行き届いていない方が多いと思います。

エアコン内部でカビが生えると、その風に胞子が含まれるため、前述のように極めて危険な状態になります。

エアコン使用中のカビ予防としては、冷房を切った後、30分ほど送風にしてエアコン内部の暖かい空気や湿気を流すことで、カビが生えるのを防ぐことが出来ます。

使い方一つで、カビ予防になりますので、是非試してみて下さい。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属