質問より!市販でストレスやうつに効く薬やサプリは?#508

Voicy更新しましたっ!

今回は頂いたコメントから、ストレスやうつなどに効く市販薬についてのお話

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ストレス・軽いうつ状態に効く、市販の薬?

先日、「市販で手軽に飲める抗うつ薬みたいな、精神的に良い効果が得られる薬ってある?」という旨のコメントをいただきました。

うつの手前の状態の時や、ストレスをどうにかしたいという時におすすめのお薬、サプリメントについて、いくつかご紹介していければと思います。

 

ストレス・うつ状態とは

まず、ストレスやうつについてですが、これは以前456回から459回にかけてかなり細かく、お話しているので、そちらを併せてご覧いただければと思います。

簡単にまとめると、ストレスは人間の心や体に対してかかる刺激の総称です。

そして、ストレスがかかって、自分に起きた反応を、ストレス反応と言います。

突然不運なことがあって気分が落ち込む、面倒なことが起きてイラっとする、などなど日常的な些細な事も含め、自分の身に降りかかったことに対して、自分の体が起こしたリアクションを、ストレス反応と言います。

ですので、何かが起きたことで気分が落ち込むというのは、うつではなくストレス反応になります。

うつとは「うつ病」という言葉があるように、ストレスを原因とする病の一つで、反応ではありません。

例えば一日中気力が湧かず時間が過ぎる、食欲もわかず、今までは多少なりとも楽しめていた趣味や気分転換が楽しめなくなる、何とも思わなくなる、と言うような症状が出ます。

うつ病は薬があり、きちんとお医者さんが診断できれば、すっきりと治っていくものです。

ただ、以前の配信で触れた適応障害や双極性障害、躁うつ病、新型うつ病のように、一見しては普通のうつ病と違いがわからないものの、対処の仕方が全く違うというのが非常に大きな問題です。

このそれぞれのタイプの病で、治療の仕方が大きく変わるのです。

これを踏まえて、自分で自覚できる範囲で、少し重いストレスがかかっているとか、軽いうつになりかけていると思ったとき、市販で購入出来るお薬があります。

 

漢方薬が主

市販のもので精神的に効果のあるものは、やはり漢方薬が主になります。

まずストレスの中でもイライラする感じが強い場合、最近怒りっぽくなったとか、イライラして周りにあたるようになったような時に便利なのが、抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)です。

気分がイラっとしたときに、以前はさほど何ともなかったことでも、抑えきれずにものにあたったり、人ともめたりするようなことが増えてきた、という場合に効果があります。

次に、怒りっぽくなったというよりも、些細なことが気にかかって気分が散る、イライラする、という感じで、神経質な感じになってきた時におすすめなのが、桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)という漢方です。

怒るというのとは違う感覚で、以前は何とも気にならなかったことが細かく気になると言ったときにおすすめです。

この二つが、ストレスに効く代表的な漢方になります。

症状がもう少し細かく分かれば他の漢方もありますが、選ぶのが難しいので、もしこのほかにも興味があれば、店員さんや薬剤師に聞いてみていただければと思います。

 

サプリメントで気分を落ち着かせる

漢方薬は高く、敷居が高い感じがするのでサプリメントを、という時に意外に便利なのが「ビタミンC」です。

体内ではストレスに対抗するホルモンが作られますが、この時にビタミンCが補助的に働くのと同時に、ストレスがかかるほどビタミンCが消費されていくため、サプリメントで補給しておくのは意外にも効果的です。

そしてもう一つ、成長ホルモンにもストレスに対抗する働きがあります。

その成長ホルモンを促すアミノ酸の種類の一つで、アルギニンという成分がありますので、ビタミンCとアルギニンを積極的に摂ると、外からストレスへの対処ができるかと思います。

 

軽症のうつ状態、抑うつ症状の時に良い漢方・サプリ

ストレスともう一つ、軽度のうつ状態についてですが、これは抑うつ症状がある、という風に言うことがあります。

抑うつに効く漢方で有名なのが、香蘇散(こうそさん)です。これはお医者さんでもよく処方される漢方薬の一つで、それほど深刻ではない、軽度のうつ状態に効果的です。

あともう一つ、前回のコメントの返信の際にも取り上げた、酸棗仁湯(さんそうにんとう)もおすすめです。

これは不安で眠りが浅い時、ストレスよりも憂鬱感じで気分が優れない、という時に、すっきりと睡眠に入っていける効果があります。

サプリメントだと、こちらもコメントの返信の際にも取り上げた、セントジョーンズワートというものがあります。

セントジョーンズワートはセイヨウオトギリソウというハーブのエキスで、西洋で民間療法としてよく使われていました。

民間療法に使われていましたが、意外にも使い方が難しく、お薬との飲み合わせで注意しなければならないので、もし万が一他に何かの薬を飲んでいる時は、必ず薬局の薬剤師やお医者さんに相談してから飲んでください。

ちなみにセントジョーンズワートには、若干食欲を抑える効果があり、ダイエット食品に添加されることもあります。

最後に、コメントでは寝付きが悪いような、睡眠に影響が出ているとあったので、市販の睡眠薬も良いかもしれません。

以前も何度か取り上げましたが、ドリエルは有名ですが、サプリメントでグリシンというアミノ酸の成分もとても便利です。またこちらも有名ですが、GABAという成分は脳の神経を落ち着かせて、寝付きが良くなる効果があるので、ベッドや布団に入る30分前ぐらいに飲むと一番効果が得られますのでおすすめです。

サプリメントの回で何度かお伝えしましたが、およそ2週間飲んであまり効果を感じられなければ、飲むのを辞めてお医者さんにかかってみてください。

 

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属