第4波?変異株から身を守る方法!#507

Voicy更新しましたっ!

今回は、ついに全都道府県で確認された変異株と、感染者数が激増している第4波についてのお話

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第4波で、全国的に深刻な事態に

今回は久々に、covid-19についてのお話です。

連日、大阪をはじめとした関西では1000人を突破し、未だピークアウトが見えていない状況にあります。

特に、急激に増え始めたのが3月23日で、2度目の緊急事態宣言が明けてから3週間後あたりから、週ごとにおよそ2.3倍、1.5倍という風に着実に増加しています。

率で言うとわずかに鈍ってきているため、ここできちんと対策出来れば、もう3週間から4週間後あたりでピークアウト出来る可能性があると思われます。そこで、そのための緊急事態宣言という見方が出来ます。

大阪府では医療崩壊が起き始めている

現在の大阪府で最も深刻なのが、重症者用の病床が100%を超えている点です。

軽症中等症の方を見ている病院で、患者さんが重症化したした場合、重症者用の設備がある病院に転院となりますが、その重症者用の病院が100%で満床となってしまうと、軽症中等症の設備で重症者に対応しなければなりません。

これで結果的に、軽症中等症への医療資源も失う事になり、医療が行き渡らなくなり医療崩壊となります。

現在では、不要不急の手術を控えるように、と公式に発表している状況でもあります。

一方東京でも、大阪ほどは急激に伸びていないというだけで、感染状況で言うとステージ4相当ですので、緊急事態宣言の要件を満たしています。

東京が大阪ほど深刻化していないのは、変異株の問題と同時に、単に2度目の宣言の解除が3週間ずれたことも一因と思います。

つまり逆に考えれば、大阪の3週間前の状況が今の東京の様子で、今後、大阪のように急激に感染が爆発する危険は充分あると考えても良い思われます。

「N501Y」という変異株について

変異株についてですが、今の大阪で最も広がっているのが、イギリス由来とされている「N501Y」というタイプのウイルスです。

これは従来まで日本国内で流行っていたcovid-19に比べると、1.32倍の実効再生産数とされていて、単純に従来のcovid-19よりも感染者力が強いタイプとなります。

例えばこれまでのは10代への感染力があまり強くないと言う特徴がありましたが、N501Y株は世代を問わず同じ程度の感染力があります。

例えば、これまでは全国的にも稀だった学校内、部活内でのクラスターも、大阪をはじめとしていくつかのところで起きています。

また死亡リスクについても、必然的に従来のcovid-19よりも高いことが分かっています。これはイギリスでのデータが大きいことが大きな根拠で、そのまま日本人に当てはまるか少し微妙なところはあります。

そして、東京の今年の年始ごろ、第3波の時に2000人近くにまで感染者数がのぼりましたが、重症者数は160名ほどと著しく少ないという事がありました。

しかし、そのN501Yが大きく流行っている大阪では、感染者数が1000人強の状態で重症者数が274名と、前回の1.5倍ほどの人数になっている上に、若い世代でも重症化しているケースが従来よりもかなり目立ってきています。

例えば20代の、基礎疾患が無い一般女性で、重症化したというケースが報告されています。

これまで度々「若い人はリスクが低い」と言われていましたが、高い確率で、強い方向に変異していると見たほうが良いかと思います。

変異株の割合と、今後の予測

今後の予測ですが、まず変異株(N501Y)と従来型の割合の変化については、大阪の例だと先月3月23日ごろ、感染者全体の4割が変異株でした。

それから急激に感染拡大していき、現在の割合はおよそ8割が変異株のウイルス、ということが分かっています。

そして現在の東京は、およそ5割強が変異株ということが分かっています。

これは大阪で急拡大が始まった3月23日の数字よりも少し多いぐらいですので、このまま考えると、前回お話したまん延防止等重点措置では確実に不十分です。

ですので、やはり東京でも緊急事態宣言となると思いますが、何度かお話したように、前回の宣言の時点で、人出はほとんど変わらないという事がありました。

どうにか、人々の意識を変えるほどのメッセージ、施策が出来ればと思いますが、これは行政や自治体の力量によるところが大きいので一概には言えません。

ます。

変異株のウイルスも、アルコールで殺菌できる

強いと言われている変異株のウイルスも、従来型と同じくアルコールで問題なく殺菌できます。その他、マスクも当然、変異株従来型問わず、ウイルスの侵入を防ぐことができます。

これまで続けてきたことを、これからもしっかりと続けて行ってください。

これを踏まえて、個人的に気になるのが、最近、消毒や手洗いの回数が若干減っていないかどうか、ということです。

どう言う事かというと、自分の薬局で、消毒液の減る量が、以前と比べて若干減ってきた、減るペースが落ちてきたように感じるのです。

つまり来られる患者さんの使う量が、若干少なくなっているように見えるという事です。

covid-19は以前から飛沫感染と同時に、接触感染のリスクが極めて高く、各施設でもテーブルのような共用部分をこまめに消毒することが非常に大切です。

もし万が一、変異株などのウイルスの強毒化によって、今までよりももっと微量な量でも感染力があるとしたら、今こそ、この接触感染をしっかりと防ぐようにしなければなりません。

コロナ疲れはもちろんあるかと思いますが、自分や身の周りの人を守るために、是非、今一度意識していただければと思います。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属