2ヵ月ぶりの、全国的な全面解除へ
首都圏など18の都道府県で発令されていたまん延防止等重点措置ですが、3月21日をもって久々の全面解除となります。
実に2ヵ月ぶりとなり、自治体による旅行キャンペーンなども随時再開される見込みとなっています。
またこれに併せて、濃厚接触者についても見直され、対策がわずかにですが変わる部分もあります。
今回は、このまん延防止等重点措置の解除について、最新情報を踏まえてお伝えしていきます。
感染リスクの低い事業所では、濃厚接触者の特定を求めない
今回の見直しで変わったのが、「リスクの低い一般の事業所では、感染者が出ても濃厚接触者の特定を求めない」と言う部分です。
一般の事業所の定義は少し難しく、良い例がありませんが、医療関係や介護施設と言った事業所ではない、一般の会社と思って差し支えありません。
これは一律で特定しない、というわけではなく、地域の感染状況や保健所の状況に合わせて変動しますが、これまでよりは措置を「緩める」形となります。
これについて、個人的に色々考えましたが、正直かなり難しい問題だと思います。
まず、実は感染状況だけで見ると、現状はそれほど改善されているわけではありません。
全国の1日の感染者数が5万人を超えており、確かにオミクロン株の流行がピークとなっていた年初と比べると落ち着いているものの、1年前の今頃と比べた場合、人数で見てみると想像を絶するほどの方が感染していることになります。
そのうえ、下げ率も鈍くなってきており、こいわば下げ止まりの兆候もあるのです。
そしてこれに加え、以前少し触れた、「BA2株」という感染力が強いオミクロン株の変異型が流行する恐れもあります。
また3回目のワクチン接種も、以前として一般の方への接種券発送が滞り、接種率が上手く上がっていません。
経済的には限界が見えている
一方で経済の面を考えたら、今年も一部地域では2ヵ月まん延防止等重点措置を実施したことで、主に飲食店へのダメージは計り知れないものがあります。
営業は8時まで、酒類は提供禁止という厳しい措置を長期間受け続けています。
そして、まん延防止等重点措置を続けても、それほど急激には下がらずに下げ止まっているという現状を見ると、このタイミングで一旦全面解除するのも理解できます。
措置を続ける意味が薄い現状と経済へのダメージを考えると解除は妥当と言えますが、反対に当然ながら措置を解除して酒類の提供を再開したり、営業時間を元に戻すということは、感染者数が上がる危険が高まります。
引き続き徹底した感染対策を
2ヵ月ぶりの全面解除となり、また4月に入って歓送迎会のシーズンになり、感染のリスクだけで考えるとこれまでよりもはるかに上がることが予想されます。
さらにはイベントの人数上限も撤廃されはじめ、より一層、日常の姿に戻りつつあるさなかにあります。
しかし、感染者数が大幅に下がっているわけではなく、むしろオミクロン株の変異型など新たな脅威は依然として身近にあるままです。
ですので、やはりこれからも引き続き、感染対策を徹底することが何よりも重要です。
まずは、3回目のワクチンの接種が可能になり次第、出来れば早めに打つことをおすすめします。
ワクチンを打つことで重症化のリスクは大幅に軽減され、接種直後から3か月は感染予防効果も極めて高い事が確認されています。
そして、外出時のマスク、3密の回避、手洗いと手指消毒の徹底、黙食と言った、現在行っている対策をこれからもきちんと行ってください。
飲み薬も今の所は安定的に供給されており、今後も随時入って来る予定ですが、いつ医療資源がひっ迫するかはわかりません。
これからも、これまで通りの対策を続けて行きましょう。