薬局に来られる患者さんが増えて来ている
当薬局では深夜でも処方箋を受け付けておりますが、ここ2週間は多い時で平日に10人から13人ほど、土日では平均して最大で20人近くの患者さんが来ています。
covid-19の感染者の数字で見ると微増ですが、体感ではもっと多くいてもおかしくないと思います。
いくつかの患者さんにお話しを聞いてみると、やはり届け出をしないという方が多く、例えば体調はそこまで悪くないとか、風邪よりも軽いぐらいだから全く気にしていないという方もいました。
医療従事者としては、感染が確認された場合は、確実に届出をした方が良いと言えます。
今回は今一度、covid-19に感染したとき、感染が疑われるときにすべき行動について、詳しくご紹介していきます。
治療の前には登録が必要になる
現在流行しているcovid-19、オミクロン株は確かに重症化リスクが低いのが特徴ですが、感染力は強いため、感染が広がりやすく、誰がどのように重症化するかは不明です。
つまり感染が広がりやすい以上は、重症の患者さんが増えて医療がひっ迫するという可能性が充分残っているのです。
もし万が一、感染して症状が出始めた場合、陽性の届け出をしていなければ、現状では登録しなければ治療薬が処方できないため、治療の開始が遅れることに直結します。
言い換えれば、中等症の治療薬の処方が遅れることで、肺炎が進行してしまい重症化する、という事態にもなりかねないのです。
ですので、検査の結果陽性と出た場合には、症状の有無にかかわらずに必ず、陽性者として登録、届出をしてください。
感染したかもしれないとき
まず、covid-19に感染したかもしれないと思われるときは、まだ症状が無い場合は近くの無料検査場に行ってみてください。
抗原検査は15分から30分程度で結果が分かりますが、症状が出ていない場合は体内でウイルスがまだ増えていないため、感染しているかどうかが分かりにくいという特徴があります。
PCR検査は、専用の機械を用いて1日から3日ほどかけ、検体内にウイルスがないかをくまなく確認するため、症状が出ていなくても体内に少量でもウイルスがあれば陽性となり、精度が非常に高いです。
検査の前の日などに感染者との接触があって、まだ症状が無いけど感染したかもしれない、といった時にはPCR検査が最も有効です。
そして、症状が出ている場合は外の無料検査場は利用できないため、配布や販売されている抗原検査キットを使って検査をしてください。
症状が出ている場合は、体内で充分にウイルスが増えているため、抗原検査キットでも高い精度で陽性かどうかを判断できます。
以前ご紹介した、抗原検査の「研究用」というキットですが、最近は販売されていることが少なくなり、医療用のキットが主になりましたが、まだ一部では販売されているため、必ず「医療用」と書いてあるものを使用してください。
例えば「第一類医薬品」とか「体外診断用医薬品」と書いているものも、医療用の抗原検査キットとなりますので、パッケージを詳しく見てから購入してください。
研究用のキットでは届出をしても受け付けてもらえないため、必ず医療用のものを使ってください。
症状がある場合は、検査の結果が陰性でも陽性でも、結果の出ている医療用検査キットを持って発熱外来に行くと、スムーズに進みますので忘れないで持っていってください。
これまで通り、徹底した感染対策を
最後に、今一度しっかりと認識してほしいのが、これまで通りの感染対策です。
人との距離をとるなどの3密の回避や、黙食の徹底など、これまで通りの対策は充分必要です。
マスクは屋外で人が居ないところでは不要と発表されていますが、会話をするとか公共交通機関を使う場合などでは、引き続きつけることを強くおすすめします。
最近ではcovid-19ではないインフルエンザや、普通の風邪も流行っている上に、ノロウイルスと言ったものも流行しているため、食事前やトイレの後の手洗い、手指消毒は欠かさずにしっかりと行いましょう。