第8波の変異株は?対策はどうなってるの?#661

第8波の可能性が

先日、covid-19の感染者数がじわじわと増加している、とお伝えしましたが、数字にも目に見えて増えて来ており、ついに「第8波」が始まったと言える現在です。

当薬局で行っている抗原検査で陽性となる人も増えており、またお薬をもらいに来られる方も、covid-19による咳、喉の症状の方が多くなっています。

特に最近は、感染しても陽性者登録をしないという患者さんも見受けられます。

以前は検査の結果陽性であれば、ほぼ自動で登録されていましたが、今では登録を患者さんに委ねる部分があるため、全員が登録しているわけではない、という一面があります。

それを考えると、潜在的な感染者、患者さんというのは、現在発表されている感染者数よりも多い可能性があります。

旅行支援が始まり、海外からの観光客も目に見えて増えて来ている今、引き続きしっかりと感染対策をしてください。

10月11日から増加に転じる

まず、直近で「底」となったのは、先月11日で、週平均が2万6000人まで減りました。

これ以降増加に転じ、現在は週平均で5万人ほどとなり、一か月で倍近くまで増えている事になります。

実は、当薬局などでも行っているcovid-19の無料検査は、旅行目的のためでは原則として認められていません。

ただ、感染が不安ということであれば検査はできるため、それで陰性となれば陰性証明が得られて、各種割引が受けられることがあります。

結果的に検査需要が高まって検査数が増え、同時に人の出入りの量も上がったため、10月の後半から陽性者が増え始めたという見方ができます。

BA.5ではない変異株が確認

現在主に流行しているのは、オミクロン株のBA.5という種類になります。

第7波と同じものですが、感染力が強く、また既存のワクチンでは感染予防が難しいため、数字で見ると感染者数が多くなっている現状です。

ただ、10月に入ってから、わずかにですがオミクロン株とは別の変異株が確認されてきています。

その変異株はやはり海外から入ってきているため、まず海外の状況を整理すると、アメリカやイギリスでは今年8月ごろまではBA.5の流行が主でしたが、現在のBA.5の流行はピーク時の半数以下になっています。

その代わりに流行したのが、BA.5から派生した株となる、「BQ1」です。

アメリカやイギリスではこの株の感染者が、週ごとに増えている状況にあります。

そしてシンガポールやインドといったアジア系の国では、BA2株から派生した「XBB株」というのが確認されており、こちらも徐々に感染者数が増加しています。

欧米とアジアで流行している株が違いますが、いずれにしても現在主流のオミクロン株の派生となり、感染力が一層強い可能性があります。

「免疫から逃げ回る」という意味

オミクロン株が流行した際に、voicyでも度々出て来たのが「免疫から逃げ回る」という言葉です。

これは具体的に言うと、「免疫機能が反応するのが遅れる」という意味です。

通常、体の中に異物や細菌、ウイルスと言ったものが入ると、それを即座に察知、反応して戦ってやっつけます。

しかし、covid-19のオミクロン株は異物として反応しにくく、免疫が実際に戦い始めるまで時間がかかります。

その結果、体内で増殖して発症しやすくなる上に、ワクチンで免疫を強化しても不十分なため、オミクロン株は強い、と言われるのです。

ただオミクロン株は強毒化しているわけではないため、重症化はしにくい株になっています。

発熱の患者さんが激増する可能性が

以上を踏まえ、これからについてですが、現在の日本ではBQ1やXBBが確認はされていますが、主に流行しているのは依然としてオミクロン株のBA.5になります。

海外からの人流も特に制限されなていないため、今後は海外と同じように流行する可能性が高いと言えます。

さらにその上で、海外からの人流があるという事は、インフルエンザも例年のように冬場に流行する可能性があり、同時に大量に流行することを考えると、発熱の症状がある患者さんの数は、過去に類を見ないほどになる恐れもあります。

今年の冬は、これからのcovid-19の第8波と、インフルエンザの流行、二つが起こり得ると充分に認識しておいてください。

ですので一層入念な感染対策、手洗いや手指の消毒、マスク、距離をとる事、黙食といったことを引き続き行ってください。

特に黙食や室内の会話の際のマスクは、会食の機会も増えて来た今、おろそかになりがちだと思いますので、特に注意してください。

最後にワクチンについては、オミクロン株や、これからの変異株はかなり効きづらいのは確かと言えます。

ただ依然として重症化予防には効果的ですので、感染リスクの高い方や、重症化リスクの高い方であれば、できるだけ打つことをおすすめします。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属