オミクロン株に感染したかも?と思ったときは?#583

検査体制のひっ迫が深刻化

全国的に過去最多を更新するなど、依然としてオミクロン株の拡大が止まらない現在ですが、特に顕著なのが「検査体制のひっ迫」です。

先日、自分の知り合いでオミクロン株に感染したという方がいましたが、検査がなかなか出来ず非常に時間がかかった、ということがありました。

今回はこういったケースについて、また感染してしまった場合の自宅療養について、今一度お伝えしていきたいと思います。

もし身近に感染した方がいるとか、自身が感染した場合に備えて、是非知っておいていただければと思います。

オミクロン株の症状

まず簡単に、現在国内で流行しているcovid-19のオミクロン株の特徴ですが、これまでのcovid-19と同じく発熱、咳、だるさ、喉の痛みはもちろんありますが、鼻で炎症が起きることも多いため、鼻水や鼻づまりと言った症状も頻繁に起きます。

つまり、普通の風邪と区別するのが、これまでの変異株よりもはるかに難しいという特徴を持っています。

たとえ、お医者さんが診察をしても、検査キットでどのウイルスに感染しているかを調べ無い限り、covid-19かどうかわからない、ということです。

さらに、現在一部の地域では、喉の痛みが主な症状となる溶連菌の流行も確認されており、より区別が難しくなっています。

もし、何らかの症状がある場合は、必ず電話で相談をしてください。決して連絡をせずに、直接病院には行かないでください。

電話する先は病院以外にも、熱がある場合は発熱相談センターなどのような、自治体ごとに開設されている相談窓口でも大丈夫です。

相談してみたところで、受診する場合は指定の病院へ、PCR検査を要する場合は検査へ、となります。

しかし、検査体制が極めてひっ迫している現在、場合によってはどこにも電話がつながらず、次への対応が決まらないというケースも起こり得ます。

その場合は自主判断で自動的に、自宅療養となります。

この時ポイントになるのが、症状が出てから10日間、また治っても10日間経っていなければ10日間経過するまでは自宅療養するということです。

オミクロン株は症状が出てから10日ほどでウイルスが出なくなることが分かっているため、症状が出てから10日間、安静にして軽症で済んで、症状が無くなっていけば、治ったということになります。

しかし、もし熱が一向にひかないとか、胸の痛みや息苦しさが徐々に強くなってきた、と言う場合は再度病院や窓口に電話したり、救急に連絡するなどで対応を急いでください。

特に、オミクロン株であっても基礎疾患を持っている方であれば重症化しやすい傾向があるため、もし何かある方で症状が出ている場合は、つながるまで根気よく窓口に電話をかけてください。

それでもつながらない場合は119番で救急に連絡を取ってください。

自分が感染しているかもしれないとき・濃厚接触者になったとき

次に、症状は無いものの感染している可能性がある場合や、自分が濃厚接触者になってしまった場合ですが、まず濃厚接触者の定義が変わったことを注意してください。

現在は、陽性者の症状が出る2日前以降に接触した人が、濃厚接触者となります。

2日前以降に接触して、その人と同居しているとか、飛行機や新幹線の移動のような長時間同じ場所に居た人、1メートル以内の距離でマスクをせずに15分以上接触した人も濃厚接触者となります。

ただ、この距離や時間に関しての定義は、あまり明確には決められていません。

例えば2メートルの距離をとって互いにマスクをした状態でも、2時間以上一緒に居た場合、濃厚接触になるかどうかは各保健所の判断となります。

その時、その環境ではどれくらいの感染リスクがあったかを、個別に判断するようになっているのです。

これを判断して、濃厚接触者となった場合は、PCR検査をします。

濃厚接触者に該当して、検査が陰性となった場合は10日間外出自粛で健康管理をしますが、今後はさらに短くなることも検討されています。

陽性となった場合・症状がありながら自宅で療養する場合

検査の結果陽性となったり、軽症ながらも症状があって自宅療養をする場合は、基本的な対処は風邪と同じことをします。

暖かく、安静にして、しっかりと睡眠と栄養をとることをしてください。

活動をせずに寝ることで、免疫力が高まってウイルスをやっつけることに集中できる上に、暖かくすることで体温を上げるために使うエネルギーが節約できます。

食事についてはまず水分補給を忘れないことと、食べるものは消化の良いものを多くとってください。

消化するのにもエネルギーが必要ですので、あまり負担になるものを食べると治るのが結果的に遅くなることにつながります。

水分は出来るだけ冷たくない、常温のものがおすすめです。

冷たい物が体内に入ると胃腸が冷えるため、出来るだけ常温のものや温かい飲み物をとってください。

スポーツドリンクを飲む場合も出来るだけ冷たくない状態だとベストです。

最後に市販の風邪薬ですが、咳や鼻水を止めるお薬、喉の痛み止めのような、症状を止めるお薬は、一旦は症状が落ち着くため便利です。

ただ、熱に関しては、免疫力が戦っている証拠ですので、あまり解熱せずに出し切ることがおすすめです。

これは言うまでもなく、風邪薬がオミクロン株に効果がある、というわけではなく、風邪薬は鼻水やのどの痛みと言った症状を止めることに対して効果がある、ということです。

もしそういった症状がある場合には、使ってみるのも一つの手ですので検討してみてください。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属