全国各地で感染者数が急増
今回は久々に、covid-19のお話しです。
7月に入り感染者数が徐々に増え、7月8日時点では1週間前と比べて2倍以上と、急増しています。
7日の東京での感染者は8777人で、病床使用率は25%、重症者用の病床使用率は4%となっています。
そしてこれは東京以外でも同様に、急増している地域が相次いでいます。
増加の一因と思われるのが、オミクロン株の亜種となる「BA.4・BA.5」株です。
現在流行している「BA.2」から「BA.5」へ
現在、国内で確認されているウイルスはほぼ全て、オミクロン株がさらに変わったステルスオミクロン株、「BA.2」というものに置き換わっています。
そしてさらにこれが変化して、BA.4やBA.5に置き換わり、現在に至ります。
海外の例だと南アフリカでは今年4月から5月にかけて、イギリスやポルトガルでは5月ごろ、アメリカでは6月ごろから、BA.2からBA.4やBA.5に置き換わり、そのタイミングで感染者数が増加に転じたというデータがあります。
これと同じことが、7月の日本で起こると推測されます。
BA.4や5は、BA.2のステルスオミクロン株よりも1.2倍感染しやすいことが分かっていますが、重症化のリスクについてはまだ確かなことは分かっておらず、実験のさなかにあります。
ワクチンが一層効きにくい変異株
ただ一つ確かなのが、ワクチンの効果の低さです。
BA.4やBA.5は免疫から逃げ回るような性質を持っていることが分かっています。
通常、人間はウイルスに一度感染したり、ワクチンを打つことで、そのウイルスに対抗するための「抗体」ができます。
しかし、BA.4やBA.5はこれをすり抜けるように逃げるため、ワクチンがこれまでのよりも効きにくいとか、過去に一度感染しても再度感染するリスクがこれまでの変異株よりも高い、といったことが明らかになっています。
さらに、covid-19治療で初期から用いられている抗体カクテル療法も、抗体そのものから逃げるため、これによる治療が難しいことも分かっています。
その上で、特に日本では緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が解除されて久しく、人の動きや3密の回避が若干ですが緩んでいる傾向にあり、感染者数が増えやすい環境になっていることも一因と言えます。
気を引き締めて、しっかりと感染対策を
ここで今一度、しっかりと気を引き締めて感染対策を忘れずに行っていきましょう。
ステルスオミクロンも、BA.4もBA.5も、covid-19のウイルスであることには変わらないため、これまでの対策で充分感染予防ができます。
まずはトイレの後や食事の前後の手洗い、手指の消毒の徹底、そして室内の換気をこまめに行う、会話の時はマスクをする、人との距離をきちんととる、と言った基本的なことを今一度再確認して、行っていって下さい。
今では熱中症のリスクも危険なため、外で安全な環境であればマスクを外して負担を和らげることも大切です。
そしてこちらも基本的なことですが、体調が悪ければきちんと休んで、不安があればすぐに自治体の窓口や病院、薬局に相談してください。
重ねてになりますが、今こそ入念な感染対策をしていきましょう。