オミクロン株の「兄弟株」
今回は久々にcovid-19についての話題です。
先日から徐々に話題になって来たのが、オミクロン株の変異株となる「ステルスオミクロン」と言う言葉です。
これはこれまでの変異株とは若干異なり、オミクロン株の「兄弟」とも言えるようなタイプとなります。
今回はこのステルスオミクロンの最新情報について、現時点で分かっていることをいくつかご紹介していきます。
オミクロンとステルスオミクロンはほとんど同じ
まず、covid-19の変異株と言うと、去年流行って記憶に新しいのがデルタ株です。
デルタ株という感染力も毒性も極めて強力な変異株が流行したのちに、日本では今年初めごろから流行してきたのがオミクロン株です。
オミクロン株はデルタ株と30か所違い、特に抗体カクテル療法が効きにくいという特徴があります。
この次に、これから流行しそうというのが、ステルスオミクロン株です。
このステルスオミクロンはオミクロン株とほとんど同じ形で、デルタ株との違いのような特徴的な違いが少なく、見分けがつきにくいとされています。
その特性から、ステルスオミクロン株=隠れたオミクロン株と呼ばれるようになりました。
正式名ではこれまでのオミクロン株をBA1株、ステルスオミクロン株をBA2として区別しており、デンマークでは流行中のcovid-19はすでにBA2に置き換わっていると発表されています。
そして、日本でもBA2株の市中感染が広がっており、BA2の拡大による第7波起きる恐れが高いと言われています。
より詳しい検査が必要
オミクロン株とステルスオミクロン株の具体的な違いですが、まず現状の技術では、検査に時間がかかるという点があります。
それによりステルスオミクロンとの見分けがかなりつきにくい上に、症状も両者ともに特に変わらず、重症化率もほぼ変わらないとされています。
しかし、感染力はステルスオミクロンの方が強い可能性が高いとされています。
以前のオミクロン株の回で触れましたが、オミクロン株はデルタ株よりも潜伏期間が早いのが特徴でした。
デルタ株は他者に感染させるまで5日間必要だったのが、オミクロン株では2日となり、これが急激な感染拡大の原因となりましたが、ステルスオミクロン株はさらに半日ほど短い可能性が高いのです。
症状や重症化率については、見分けが付きにくい事からまだ充分なデータが集まっておらず、確かなことは分かりません。
そして、オミクロン株に一度感染したら、免疫がついてステルスオミクロンには感染しにくいと思われそうですが、一概にそうとは言い切れません。
例えばインフルエンザA型にかかって治ったすぐ後、B型に感染したという事があると思います。
このオミクロン株とステルスオミクロン株でも、同様のことが起こり得ると考えられ、実際に海外ではそう言った方の事例も報告されています。
ワクチン・治療薬の効果は出る
次に、ワクチンと治療薬のステルスオミクロン株への効果についてですが、まずワクチンの効果は問題なく出ます。
以前からお伝えしているように、2回目の接種から時間が経つと抗体は減っていき、感染予防効果は落ちますが、重症化予防の効果は高い水準で維持します。
その上で、日本でも3回目接種が本格化しておりますので、3回目の接種が完了できれば1か月ほどは予防効果が高いままで維持できます。
これは具体的には、およそ10週間ほどは67%の感染予防効果があることが分かっています。
次にお薬ですが、現在承認されているお薬も、いずれもオミクロン株への効果は確認されております。
ラゲブリオ、レムデシビル、どちらも効果があります。
ただし、感染者数が増えて軽症の患者さんが増えると、お薬の消費が激しくなり、行き渡らなくなる恐れがあります。
また同時に、感染者数が増えるという事は、重症化する方も必然的に増えて行くため、病床もひっ迫していきます。
ですので、やはりワクチンが打てるのであれば、3回目の接種をすることをお勧めします。
そして引き続き、3密の回避、マスクと手洗い、手指消毒の徹底と言った基本的な感染対策をしていきましょう