病院で行う「検査」とは
これまで主にcovid-19関連で、PCR検査や抗原検査と言った言葉が度々出てきましたが、今回はそれとは少し趣を変えて、エコーやレントゲン、CT、MRIと言った、その他の一般的な検査について触れていきたいと思います。
健康診断や人間ドック、歯医者さんなどの場面で行うことがありますが、今回はこういった各種検査について、一つずつご紹介していきます。
エコー検査とは
まず最初にエコー検査ですが、エコー検査とは超音波を使った検査になります。
超音波を体の表面に当てて、臓器の動きが問題ないかや、不審な影が無いかと言ったことを調べます。
例えば肝臓の大きさを測って、不自然に大きくなっていれば脂肪肝、小さくなっていれば肝臓がんかが判別出来ます。
エコー検査は動きを確認するのに効果的なため、妊婦さんに使って胎児の様子を見るとか、心臓の弁の動きも確認できる上に、血管そのものを見て動脈硬化を見ることも可能です。
そしてエコー検査はレントゲンと違い、あくまでも超音波で放射線を使わないため、お子さんや赤ちゃんの臓器の検査にも用いられます。
検査時間はおよそ10分から15分ほどで、費用も比較的安価なタイプになります。
レントゲン・CT検査とは
次のレントゲンとCT検査ですが、どちらも「X線」という種類の放射線を用いる検査になります。
まず、レントゲンの方は、写真を撮るように一つの方向から放射線を当て、平面的に画像を撮影する形です。
これにより、骨のヒビの入り方や折れ方、肺の影が確認できます。
またバリウムを飲んだ後にレントゲンをとることで、影のでき方を見ておかしい部分が無いかもチェック出来ます。
写真を撮るのとほぼ同じなためかかる時間も短く、パシャっと撮って終わりますが、実はお医者さんによって上手い下手がはっきり出る検査でもあります。
どういうことかと言うと、特に整形外科でよくありますが、例えば足の骨折一つにしても角度をきちんと考えてとらないと、骨折部分が見つからずに見逃してしまうという事があるのです。
レントゲンはあくまでも一方向から見ての写真になるため、骨折やヒビによる痛みなのか、骨以外の問題による痛みなのか判別しにくい場合は、しっかりと注意して撮らなければ誤診に直結するのです。
次のCT、CTスキャン検査ですが、こちらもX線を使って写真を撮る形の検査になります。
これは体の全体にX線を当て、およそ0.5ミリ間隔で輪切りにした画像が確認できます。
横になった状態で、洞窟のような筒形の機械に自動で動いて入って行き、撮影していきます。
主に頭部CTとして、脳出血や脳梗塞など頭部の精密検査をしたり、手術前の精密検査や抗がん剤の治療効果を確認するなど、脳以外の全身の検査にも幅広く用いられるようになりました。
費用も安価で、日本では全国的に取り入れられているメジャーな検査方法になります。
ただし、レントゲンもCTも、両方X線という放射線を使った検査になり、被ばくのリスクがあるというデメリットがあります。
実際に年間で受けても問題ない放射線量は定められているため、妊婦さんなどは注意が必要です。
MRI検査とは
最後のMRIですが、こちらはCTと同じような機械になり、得られる画像もCTと同じように見えますが、実は結構違いがあります。
まずMRIは放射線ではなく磁場を用いるという特徴があり、金属類は必ず外して、稼働時は近辺に金属の物を絶対に置かないようにします。
いわば電磁石を動かす状態になるため、動作すると金属のものがMRIの機械に引き寄せられます。
MRIはCTのような断面の画像ではなく、あらゆる角度で写真を撮れるため、縦横斜めどのような形にも切ることができる上に、その画像を組み立てて3Dモデルのように立体的に確認することもできます。
さらに精度も高く、レントゲンやCTは骨や空気の影響を受けますが、MRIは一切受けず、頭蓋骨の中の脳の様子や、脊髄の中の神経の様子もはっきりと分かります。
ただしMRIはその分、動く物に大して非常に弱く、例えば心臓は検査中も休まずに動くため完全にぶれてしまい、確認が難しい部分になります。
そして検査費用もこの中ではかなり高く、CTと比べてMRI検査が出来る病院や施設は全国的にも限られているため、予約も大変な検査になります。
同時に1回の検査に時間がかかるのも特徴で、最新式の良いモデルでも20分から30分ほどはかかり、一昔前のものであれば1時間ほどは筒の機械の中でずっと横になっている必要があり、意外に負担がかかります。
さらに、検査中に機械で鳴る音がかなりうるさく、特にお子さんの場合でMRI検査を嫌がり、時間がかかる事がしばしばあります。
MRIで使うのは電波や磁力で、放射線を使わないため対象を選ばないのが利点ですが、費用が高額で負担も大きいですので、利用の際は充分検討してください。