covid-19は今後どうなりそうなの?#403

Voicy更新しましたっ!

今回は東京都で感染が大幅に広がり、外出自粛が出たcovid-19の、これからのお話

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東京で2日連続40人越えの感染が確認

依然として世界中で猛威をふるう新型コロナウイルス「covid-19」ですが、先日ついに五輪の延期が発表され、堰を切ったかのように東京での感染者が急増しました。

同時に、都内と首都圏の隣接県の共同で、外出自粛のメッセージも発表されました。

首都圏が大変なこのタイミングで、これからのcovid-19について、自分なりにまとめて行きたいと思います。

ウイルスが収束するまで

まず始めに、空港などで行われていた体温測定や健康状態の確認と言った検疫による「水際対策」ですが、これは今考えると完全に失敗した、と言えます。

普通に国内に入ってきてしまったのはもちろんのこと、発生しています。

これを市中感染と言います。

北海道などで起きたクラスター感染とは、どの場所の、どの集団で起きたのかおおよそ把握できるというタイプですが、市中感染ではその地域内のどこから起きたか、完全にわからない、ということになります。

これがいつ、どのようになると「収束」となるのかですが、全体の6割の人が感染すると、以前お伝えしたように免疫が広まるということになり、徐々に収束していきます。

日本国民で言うと、6000万人強ほど、となりますが、現時点での感染者数は1000人を少し超えたほどですので、どれぐらいの期間が必要かは、今の段階ではほぼ分かりません。

こちらも先日お伝えしたように、急激に感染者が増え、医療崩壊を引き起こしてしまうと、通常の処置すらも難しくなり、軽い症状なのに助けられないというケースが大幅に増えることになります。

できるだけ緩やかに、医療資源が枯渇しない範囲で抑え込んで行ければ、自然と収束となる、と言えます

ちなみに、欧州のオランダやイギリスは政府から正式に、集団免疫の獲得を目指すと発表しています。

1回かかっても再度2回かかる可能性は?

1回かかって治ったらあとは大丈夫、ということはなく、治ってももう1度かかる可能性がある、とされていますが、免疫は確実にできているので、それほどひどい症状にはならない可能性が高いです。

最終的には、通常の風邪のウイルスに近いような形になるかと思います。

そして、そのころには専用のワクチン、お薬もできているかと思いますが、そこまで何年かかるかは、正直全く分かりません。

covid-19の「予防接種」

予防接種は、簡単に言うと症状を起こさないようにしたウイルスを体内に入れておいて、万が一新たにウイルスが入って来ても、十分に戦えるようにする、というものです。

covid-19はウイルスですので、当然ながらワクチンは世界各国で研究、開発されています。

日本では、テレビからの情報ですが動物実験の段階で、海外では人による臨床試験が始まっている国もあるようです。

ただ、こちらも以前の回でお伝えしたように、ここから1年程度はかかる可能性が高いです。

人への臨床試験が始まったにしても、それからかなり事細かに、様々なことを調べる必要があります。

場合によっては何も効かないどころか、covid-19の症状よりも遥かに重大な副作用が出る可能性もあります。

様々なタイプの人で、充分なデータ量を得られるまで確かめ、それから大量生産に入って行きます。

生産出来るまで、最低1年半ほどはかかり、それから世界中の医療機関、人々に行きわたりますので、さらに時間は必要になります。

収束した後にワクチンができたら

もし、広がり方が非常に早く、その分収束も早まったとしたら、ワクチンはどうなるのかという事ですが、個人的にはお子さんについて影響があると思います。

例えば、子供のころの水ぼうそうや、おたふく風邪は軽くても、大人になってかかると非常に重く大変な病になります。

現状では子供の重症化例が少なく、一概には言えませんが、もし子供でも重症化することがあるとか、亡くなってしまうケースも多い、などが分かれば、定期接種や任意接種で、ワクチンが残る可能性はあります。

治療薬・特効薬は?

予防のワクチンではなく、今一番必要な治療薬ですが、もし「新薬」という形であれば最低でも10年は必要になり、遥かに難しい道のりになります。

お薬は、新しい病気が出てすぐに開発に取り掛かれる、というものではないためです。

今世界中でされているのが、今現状であるお薬の中から、何がcovid-19に一番最適かを探す作業です。

一番最初、第一報とも言えたのが、HIVのお薬が効くんじゃないか、ということでしたが、これは結果的に何もしないのと大して変わらず、今では使われていません。

一方で、以前お話したオルベスコはあまり効かないと思われていましたが、最近ではウイルス量を減らす効果が認められた、という報告が出ました。

ただこれも、お薬の働きで減らしたのか、その方自らの免疫で減らしたのかを確認する必要があり、実用化にはまだ時間がかかります。

また、インフルエンザのアビガンと言うお薬とタミフルを一緒に使うと有効、という説も出てきています。

世界各国で日夜、今あるお薬をどのように使ったら一番効果的かを、あらゆる視点から実験されています。

今まさに、その発見を待たれている最中ということです。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属