かゆみをもう少し掘り下げてみた!#402

Voicy更新しましたっ!

今回はかゆみについて、先日より深いところのお話

健康情報を声で聞ける!

医療・健康ナビ なくすりーなはこちらから聞いてみて下さいね^^v

かゆみの原因

前回のかゆみの回ではあまり触れなかったのが「かゆみの原因」です。

今回は、かゆみの仕組みではなく、かゆみが出る原因について少しまとめて行きたいと思います。

様々なものがありますが、最もポピュラーなのが、皮膚に不具合が起きてかゆみが出るということです。

かゆみのことで頻繁に出てくる「アレルギー」についても触れていきますので、参考にしてみてください。

皮膚に起こる乾燥・アレルギー反応・病

かゆみの大半は、体の内側から、内臓から出るのではなく、皮膚そのものに何らかの不具合が出たため起こっています。

例えば、季節や加齢によってお肌が乾燥するとか、アレルギーや虫刺されによって起きた炎症によるかゆみ、よく言う「かぶれ」も同様です。

また、乾癬(かんせん)という皮膚の表面に炎症が出て、固くなってかゆくなる、という病もあります。

アレルギーが皮膚表面に出て起るかゆみは、非常に様々な種類があり、中にはお薬によってアレルギー反応が出て、かゆみが起こることもあります。

例えばムコダインという痰切りのお薬では、丸い湿疹が同じ場所に同じ時間帯だけ起こる、という特殊な症状が出ることがあります。

また、皮膚に起こる感染症から、かゆみが出ることもあります。

とびひ、手足口病、ヘルペスといったものは細菌やウイルスによるもので、voicyでも何度か触れていますが、前項の乾癬とは違う、疥癬(かいせん)という、ヒゼンダニというダニが原因のかゆみもあります。

もちろん、内臓の病によって皮膚にかゆみが出るケースもあります。

これは肝臓や腎臓の不調とか、副甲状腺の働きすぎといったことで起こることがあります。

それらの場合のかゆみは普段とは違う、全身がどことなくかゆい、おかしな感覚になり、非常に厄介なものですので、注意してください。

「アレルギー」と「かゆみ」

花粉症やアトピー、皮膚炎などの回でも頻繁に出てきた「アレルギー」という言葉ですが、簡単に言うと体を守る働きに、何らかの不具合、誤作動が起きている状態です。

人間の体は本来、体を守る働きによって、ウイルスや細菌といった異物を排除しようとします。

しかし、人にとって特に害の無い食べ物や花粉と言ったものでも、体内に入ってしまうとそれを攻撃して、外に出そうとする働きが出ます。

これがアレルギー反応です。食べ物であれば食べ物アレルギー、花粉であれば花粉症、となります。

前回のかゆみの回で触れましたが、花粉症の鼻水止めのお薬がかゆみに効くのは、このアレルギー反応に効果があるお薬なためです。

鼻水が止まるという事は、アレルギー反応に効くということになり、目のかゆみなどにも効果が出るのです。

例えば、軽いじんましんとかだと、市販されている花粉症の飲み薬を使ってみると、スッキリ改善することも良くあります。

ただ症状が強い場合は、薬も処方される副腎皮質ホルモンのステロイドを使うのが確実です。

アレルギーの症状と、炎症を抑えるの両方に効くのでおすすめです。

ちなみに、アレルギー反応の程度がひどいものを、アナフィラキシーショックと言います。

最悪、命を落とす可能性もある、ひどく強いアレルギー反応で、倒れて呼吸困難になって、救急車を呼ぶ必要があるレベルの症状になります。

表面に症状が無く、全身にかゆみが出る場合

花粉症による目のかゆみや、手足の虫刺されのような局所的なものではなく、全身にかゆみが出る場合もあります。

基本的に、かゆみのほとんどの場合は、その箇所の皮膚を見るとある程度分かり、ただポツポツとあるだけとか、赤みが出てるとか、何らかの症状が出ますが、最初に触れたように、全身におかしなかゆみを感じることがあります。

肝臓や腎臓が悪い場合などですが、それらが悪くなってきているサインとしてかゆみが出る、ということはほとんどありません。

肝臓や腎臓が大幅に弱っていて、すでに何らかの病が起きているところで、症状の一つとしてかゆみが出るためです。

肝臓の場合では、かゆみを調節する物質があり、かゆみを引き起こす物質と抑える物質の2つのバランスが保たれていますが、肝臓が弱るとかゆみを引き起こす物質の方が増えてしまいます。

これで、皮膚には湿疹もアレルギーも、何も異常が無いのに、なぜか全身にかゆさを感じる、という症状になって現れます。

腎臓の場合は、透析を行ってる方で主に見られますので、かなり弱っている状態でないと、中々起きません。

体内にリンという物質があり、これは透析ではうまく取り除けず、体内に溜まってしまい、これによって副甲状腺が異常に働きすぎてしまいます。

すると、骨からカルシウムを溶け出す、という指令になり、骨がどんどんもろくなってしまいます。

結果、カルシウムとリンが皮膚内に溜まっていき、かゆみとなって出ます。

これらで起こるかゆみは、普通のかゆみ止め、よくあるかゆみ止め、前項のようなアレルギー薬を飲んでも効かないという特徴があります。

なのでそれらの治療をしたり、それ専用のかゆみ止めのお薬を飲む必要があります。

ちなみに、薬によるアレルギーのかゆみはアレルギー反応ですので、一般的なかゆみ止めで治ることが多いです。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属