続covid-19の最新情報!検査や治療は?#462

Voicy更新しましたっ!

今回も前回に続いて、covid-19の最新情報、厚労省が発表した10の知識についての続き

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前回触れなかった「10の知識」

今回は前回に続いてcovid-19のお話です。

中でも、10の知識のうちの2番目と3番目など、いくつか触れなかった部分も詳しく触れていきますので、是非前回と併せてご覧いただければ幸いです。

具体的には、検査や治療に関しての内容になります。

 

重症者・死亡者の割合

まず、10の知識のうちの2番目ですが、これは感染者のうち、重症になる方や死亡された方の割合についてです。

これまで度々話題になっていますが、傾向としてはやはり高齢者の方が多く、若者の方が少なくなっています。

具体的には30代までの方の重症化率は非常に低く、40代から緩やかに上昇して、60代以降は跳ね上がる形で表れています。

これは6月から8月までのデータですが、重症化率は50代以下は0.3%、60代以上で8.5%と、30倍近く一気に高まることが分かっています。

死亡率では50代以下では0.06%が、60代以上が5.7%と、100倍近い差になって現れています。

ただし、6月以前の第一波の時期、1月から4月の場合は、同様の年齢で重症化率は9.8%で死亡率は5.62%とどちらも高いですが、初期は診断されていない方も多く、検査の対象を大きく限定していたため、全体で見ると現在の方がどちらも割合は少なくなっています。

 

60代以上の方がリスクが高い理由

60代以上の方が重症になりやすい理由は、単に高齢という面もありますが、基礎疾患がある人が多いのも一つです。

以前から言われているように、持病がある方は重症化率が高くなる傾向にあります。

特に、代表的な6つの基礎疾患があります。

慢性腎臓病、糖尿病、高血圧、心血管疾患、肥満、COPDの6つです。

いわゆる生活習慣病で有名な糖尿病、高血圧、肥満は有名ですが、心血管疾患は狭心症のような文字通り心臓に関する疾患のことで、COPDはcovid-19の初期のころに触れた、慢性閉塞性肺疾患のことで、たばこによって肺の機能が衰えている状態のことを指します。

 

検査について

10の知識のうちの8番目が、検査についてです。

voicyでも度々出てくるPCR検査、そしてPCR検査よりも若干素早く簡単に出来る検査が抗原定量検査、もう一つがインフルエンザのようなキットを使った抗原定性検査、そして抗体検査です。

このうち、抗体検査は過去に感染したことがあるかを調べるもので、今現在感染しているかを調べることは出来ません。

過去三か月程度以内に感染したかどうかは調べられますが、抗体があるから大丈夫というわけではありませんので、感染対策は欠かさず入念に続けてください。

そしてこれからの検査体制として、インフルエンザとcovid-19を同時に検査できる検査センターの設置が全国に進んでおり、先日11月の2日ごろから実際に冬に向けた体制に変わっている地域もあります。

例えば、かかりつけの病院に発熱外来があればそこにまず連絡するようにと変更したところがあります。

従来は保健所や専門の相談窓口に、と言われていましたが、インフルエンザの可能性もあるため、まずは病院へ連絡をという風になりました。

ただ、かかりつけの病院が特に無い場合は、これまで通り保健所や受診相談センターに相談するようにというケースもあります。

さらに、インフルエンザとcovid-19が同時に検査できるキットも開発されており、実用化と供給に向け、現在進行形で進められています。

 

治療・ワクチンについて

10の知識のうちの最後の二つが、治療とワクチンについてです。

まず治療ですが、これまでも何度かお伝えしているように、やはり、軽症の場合は経過観察、自宅待機で自然に回復するケースが大半です。

もし熱がある場合はその熱への対症療法で、重症化している場合は、必要に応じてステロイドやレムデシビルを使うとか、予断を許さない時は人工呼吸器、ECMOを、と明記されています。

このように、現時点で治療法が確立されてきたため、入院された方が亡くなる割合は一時期よりも大幅に低くなっています。

6月6日以降のデータで、40代以下の、入院中に重症だった方が亡くなった割合は0%で、一人もいないとされています。

50代から60代までの方で1.4%、60代以上で20.8%と、最初の重症率死亡率の部分にも関連するように、大幅に高まります。

ですので、60代以上の方が周りにいる方は、特に入念に、ウイルスを持ち込まないように注意してください。

そして、レムデシビルともう一つの、アビガンについてですが、これは現時点でも承認されていません。

初期段階の症状に確実に効果があることは分かっていますが、レムデシビルと違って承認されていないため、保険適用がされません。

ただ、一部の大学病院等では、試験的に初期段階の治療に使っていることもあるようです。

そして最後に、ワクチンについてですが、これも以前詳しく触れた時から、あまり進展はありません。

各国で臨床試験に入っていることは確かで、ロシアではすでに使われている地域もありますが、はっきりとした効果は確認されておらず、具体的な副作用もまだ分からない状態にあります。

現在も度々、臨床試験でワクチンの開発が一時中断というニュースが入って来ますが、これは新しいワクチンの開発には付き物のことで、安全性をしっかりと得るためのことですので、充分必要なプロセスです。

やはり普段からしっかりと、感染対策をして行くことが一番大切かと思います。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属