疲れたときなぁと思ったらマッサージで疲労回復!#431

Voicy更新しましたっ!

今回は前回に続いて疲労回復で、マッサージ中心のお話

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マッサージをすると疲れが取れる理由

今回は前回の疲労回復に引き続いて、マッサージを取り上げていきたいと思います。

これまでも何度か、揉んだり、マッサージをすることでリンパが流れる、と言うようなことはお伝えしていると思いますが、今回はそれにフォーカスをあてて、詳しくご紹介していきます。

 

疲労の種類

最初に、そもそも疲労というものについてですが、前回はだるさ、やる気の出なさを中心にしましたが、疲労の種類を全てまとめるとおよそ5つぐらいに分けられます。

末梢疲労、中枢性疲労、生理的疲労、病的疲労、精神疲労の5つです。

まず末梢疲労は脳以外の部分、脳からみて末梢となる足、腕など筋肉全般の疲労のことで、中枢性疲労は逆に、筋肉よりも脳の緊張状態が続いてしまって、自律神経が乱れたことによって疲れる、というものです。

よく聞く眼精疲労というのは、厳密には中枢性疲労です。

実は目が疲れるということはなく、目を使うことで脳が疲れるというのが、眼精疲労になります。

本来、近くのものを見る時は、副交感神経が働くようになっています。しかし、パソコンやスマホを見るときは何か文字を見たり、動画を見たりと、大抵脳が活発に働く場面なはずです。ですので言い換えれば、交感神経が働く必要があるのです。

近くのものを見るためには副交感神経が働く必要があるのに、それを処理する脳の動きのためには、交感神経が働く必要があるのです。

この相反する働きによる疲れが、眼精疲労になります。

前回のような梅雨だるは、中枢性疲労と末梢疲労が組み合わさって起きている疲労です。

生理的疲労も中枢性疲労ですが、疲労が積み重なる過労などの場合を指します。例えば運動不足、睡眠不足、生活リズムの乱れといったことが原因の疲労で、これは生活習慣を改善しないと取れないタイプの疲労です。

最後の精神疲労はストレスや精神的な負担、ダメージによる疲労で、単なるだるさというよりも例えば無気力感、動くのが難しい感じがするようなケースで、軽度のうつ的な症状の事です。

病的疲労は、肝臓の不調の時のような、特有の重い疲労もありますが、これはその原因となる病を治さない限り取れない疲労となります。

 

疲労を放置していると

基本的には末梢疲労から始まり、次いで脳の疲れ、中枢性疲労と続いていきますが、そうなると影響を受けるのが自律神経です。

簡単に言うと疲労によって自律神経が影響を受けてしまい、全身に様々な症状が出てきます。

精神疲労であれば、軽度のうつ状態から徐々に進行して、体を動かすのがどんどん難しくなり、生活に支障が出るということ起こり得ます。

ここから本題ですが、マッサージでケアできるのは末梢疲労と中枢性疲労、精神疲労の3つになります。

 

リンパと血液が流れて、脳の疲労が取れる

マッサージで疲労が回復できる理由は、やはり、リンパと血液の促進にあります。

静脈とリンパの流れは、筋肉の収縮による働きが大きいため、マッサージで筋肉を外から動かすことで、この働きを大きく助けます。

これで体の中の老廃物が流れ、酸素と栄養も充分に全身に行きわたりますが、これは脳であっても同様に行きますので、中枢性疲労に効くのです。

凄く疲労がたまっていると、手首、手指のマッサージだけでも頭がポカポカと温かくなってくることもあります。全体的な血液の流れが良くなった証拠です。

また例えばきちんとしたお店やサロンで施術を受けたりするときは、アロマの匂いがあったり、リラックスできる音楽がかかっていたりと、副交感神経を活発にできる要素がいくつもあり、疲労回復効果がより高まります。

これはもちろん、お店でなく家でも同様に効果がありますので、是非様々組み合わせてやってみてください。

ちなみに元々は、肩や首の固くなったところをほぐす、というのがマッサージだと思いますが、筋肉が硬くなる原因の一つが、血液の流れが悪くなっていることが挙げられます。

なので、血液の流れを良くすることで、自然と筋肉の固まりもほぐれるという事です。

 

自分で行うマッサージは「首」と「足」がおすすめ

さて、自宅で自分で出来るおすすめのマッサージですが、一番簡単で効果的なのが、首と足のマッサージです。

まず首は、どちらかの手で、耳の下から肩にかけて揉んでいきます。

首のところの骨に沿ってもむと、よりリンパの流れが良くなります。反対側の手でも同様に行います。その後、同じように片手で、首ではなく肩の筋から肩甲骨も回すように揉んで、また反対も同様に行います。

この時、強さで言うと痛すぎない程度に、気持ちいいぐらいで充分です。

次の足は、何度かお伝えしているようにふくらはぎが非常に重要なので、ふくらはぎ中心にするのがおすすめです。

具体的には、足首の方から膝の方面にかけて、押し流す感じで、リンパや血液が上半身に行くように手で押し流す感じでやってみると良いです。痛すぎない程度に軽く叩くのも効果的です。

 

マッサージ機の使い方

こうしたことをするのに、例えば電動マッサージャーやマッサージチェアを使うのももちろん良いですが、高齢の方だとマッサージ機を使った事故と言うのが結構あります。

例えば、振動が強すぎて腕が腫れてしまうとか、傷ついてしまって怪我をすることがしばしばあります。

器具を使ったときに、何かおかしい、痛みがあるという時はすぐにやめて様子を見てください。特に60代以降の方は充分注意してください。

特に最近では、筋膜という筋肉の膜に効く筋膜リリースの器具は非常に強力な振動でほぐして行きますが、その分ダメージにもなりやすいので、明らかに痛いという時はいったん使用を止めてみてください。

最後に、もし様々試しても疲れが取れないというか、余計体力を使ってひどくなっている感じがするときは、前述の病的疲労の可能性もあるので、内科などのお医者さんに相談してみてください。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属