暑さに負けない!熱中症予防と緊急時の対応策#810

各地で気温が上昇

6月半ばになり、じわじわと気温が上がって来ています。

前回、食中毒について触れましたが、今回は熱中症についてです。

今回は今年もやってくる夏に向けて、熱中症の基本的なことも含めてまとめて行きたいと思います。

熱中症とは

熱中症とは簡単に言うと、体温調節が出来なくなったために起こる様々な症状のことです。

熱中症は気温が高い状況で起こりますので、日差しが強く気温が高い外だけではなく、室内であってもエアコンが効いていないキッチンやお風呂場で、熱中症が起こることもあります。

段階としては、まず軽度であれば軽いめまいやふらつき、中度が頭痛や筋肉痛、重度が体温が40℃を超えたり、意識がもうろうとする、失神するといったことが起きます。

熱中症は特にお子さんや高齢者がなりやすいとされていますが、これは特に筋肉量が著しく少ないのも一因です。

筋肉には水分を貯める部分がありますが、筋肉が少ないとその水分を貯めることが難しくなるため、体温調節に影響が出るとされています。

体を冷やして水分を取る

熱中症の治療、解消は、何よりも体を冷やして水分を取ることに尽きます。

まず、ベルトやズボンのボタンなどで、体を締め付けている部分があればそこを外して血流を良くして、冷たい水や氷を首筋や脚の付け根と言ったところに当てて体温を下げます。

次に水分は、熱中症の症状がある場合は経口補水液を使うのがベストです。

症状が出ている場合で、普通のお水やスポーツドリンクを取っても、体に吸収されるまで時間がかかったり、受け付けない場合があります。

ですので、経口補水液を少しずつでも飲むようにすると、素早く吸収されるので、より安全になります。

もし、明らかにおかしい頭痛や筋肉痛、脱力感があって動きにくいというような場合は、無理に自力で対処して様子を見ようとせずに、早めに病院に行くのが最善です。

特に、近くにお子さんや高齢者がいる家庭で、そういった方に熱中症の症状がある場合は、早いうちに病院に連れて行くのが安全です。

暑い場所を避けてこまめに水分補給を

熱中症予防は、暑い場所を避けてこまめに水分補給をすることに尽きますが、例えば暑い日に外に出る場合は帽子をするとか、日傘を使うなどで、直射日光を避けるようにするのがおすすめです。

ちなみに黒など濃い色は熱を吸収しやすいので、白など明るいものにするのがベストです。

次に水分補給については、熱中症の症状が無い状態であれば、普通のお水でも大丈夫ですが、カフェインが入ったものとアルコールの飲み物は避けてください。

カフェインは利尿作用があるため水分が余計に奪われてしまうのと、アルコールは分解に体の水分を使うため、水分が一気に無くなってしまうため、水分補給にはなりません。

また、汗をかいた場合は塩分を補給する必要がありますが、これはスポーツドリンクで大丈夫です。

普通のスポーツドリンクだとジュースのように糖分が多いため、出来れば無糖のものが望ましいです。

そして経口補水液についてですが、経口補水液はあくまでも熱中症の症状が出始めて、脱水してきている時に飲むもので、普段の水分補給には向いておりませんので注意してください。

熱中症の見分け方

最後に、熱中症かどうかを見分ける方法について、いくつか簡単にまとめておきます。

まず一つ目が、わきの下を軽く触ってみることです。

普通は、わきの下は少なからず蒸れる部分で、かすかにでも湿った感じがするのが普通ですが、湿り気が無く完全にサラサラしているのは、汗が出ていない可能性が高く、水分が不足しているサインの一つになります。

次に、親指の爪を少し押してみると、普通であれば白くなって、離すと瞬間的に元のピンク色に戻ると思いますが、熱中症になりかけている時は元の色に戻るのに少し時間がかかります。

最後が、尿がなかなか出ないというときも、体の水分が足りない証拠ですので、すぐに水分補給をしてください。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属