年末飲み会シーズン!二日酔いの予防と対策は?#764

今こそ知っておきたい「二日酔い対策」

今年、久々に忘年会シーズンという言葉を耳にしました。

去年末は新型コロナ、covid-19の影響が強く、会食もできるだけ避けるように言われていましたが、今年は5類相当になったこともあり、飲食店での感染対策も無くなりつつある中で、年末を迎えることになります。

これは言い換えれば、多くの方が忘年会、新年会を迎える可能性が高い、と言えると思います。

そこで、今回はお酒の問題の中でも特に厄介で、気を付けたい二日酔いについて、お話していきたいと思います。

お酒を飲んだ次の日に出てくる症状

二日酔いとは、文字通りお酒を飲んだ次の日、二日目に出てくる酔いの症状です。

気持ち悪さ、頭痛、喉の渇き、胸やけ、寝不足感と言った体の不調が起こるというもので、簡単に言えば悪酔いしている状態です。

二日酔いが起こる仕組みは、やはり肝臓の働きにあります。

アルコールが体内に入ると肝臓に行き、分解されますが、このとき2段階に分かれて分解されて行きます。

まずアルコールが入ると第一段階で、アセトアルデヒドに分解されます。

そこから第二段階で、アセトアルデヒドから酢酸に分解され、酢酸が腎臓に入り、余分な水分となり、尿として排出されます。

最後の酢酸は無害ですが、第一段階の最後、アセトアルデヒドという成分が、体にとってはかなり有害なもので、様々な症状の引き金になる成分になります。

アセトアルデヒドから酢酸への分解が遅く、アセトアルデヒドが体内に長時間とどまってしまうと、悪酔いの症状が起き、結果的に二日酔いにもつながってくる、ということです。

アルコールの分解量

アルコールの分解は、体重50kgほどの人だと、1時間当たりにおよそ5グラムのアルコールを分解できる、とされています。

そしてアルコール量はビールで言うと大体中ジョッキ1杯、日本酒で言うと一合ほど、ワインはグラスワイン1杯程度で、いずれも15グラムのアルコールが入っているとされています。

つまり単純計算で、中ジョッキ1杯や日本酒一合、グラスワイン1杯を飲むと、体内で無毒に分解されるまで3時間以上は必要になる、ということです。

もちろん個人差があるため一概には言えず、体質的に分解に時間がかかるという方なら12時間ほどかかる場合もあります。

アセトアルデヒドが体内に長時間残ることで様々な症状が起き、二日酔いになるということです。

ちなみに有名ですが、アルコールはいずれも飲み物で液体ですので、水分と勘違いされやすいですが、これは決して水分ではないため、水分補給にはなりません。

むしろ逆に、分解の際には肝臓で水分を大量に使うため、体の水分を大幅に奪ううえに、体の中の水分を保つバソプレシンというホルモンの働きも妨げます。

バソプレシンの働きが狂うことで、尿や下痢として体からどんどん水分が出て行きます。

アルコールの摂取量をしっかりと考えること・水分をとること

二日酔い対策もそうですが、お酒を飲むという上で忘れないでおきたいのが、アルコールの総摂取量を考えることと、アルコールと同時に水分を取ることです。

前述したように、ビールの中ジョッキと中瓶、日本酒一合、グラスワイン1杯と言うのはほぼ同量のアルコール量が含まれており、1単位と定めているお医者さんが多いです。

これで言うと、週に14単位までなら、健康にはあまり影響がない量、とされています。

飲み方で言うと、ビールや日本酒、チューハイなどを1回で1杯ずつ飲むような、ちゃんぽんする飲み方は酔いやすいと言われますが、これは単純に味変のようにお酒が進み、摂取しているアルコール量が多いために起きている現象です。

次に、アルコールは刺激物ですので、摂ることで胃腸が荒れやすくなるため、お腹が減っている時にいきなり飲むのは避けるのが望ましいです。

炭水化物や脂分などがすでに胃腸にあると、アルコールが吸収しづらくなるので、意識してみてください。

併せて気を付けたいのが、いわゆるチェイサーと言うような、アルコールとアルコール以外の飲み物を交互に飲むことです。

水分補給をしながらお酒を飲む、ということですが、大切なのが炭酸の入った飲み物だと、アルコールの吸収を早める可能性がある点です。

ですので、出来れば炭酸の入っていないソフトドリンクや普通のお水を一緒に飲むのがおすすめです。

同時に、お酒を飲んだ後も体内では水分が不足しがちですので、寝る前にコップ1杯程度のお水を飲むようにするのは二日酔い対策に効果的です。

ちなみにお風呂ですが、お酒を飲んだ後は血管が開いているため、その状態でお風呂に入って温まるとさらに血管が開き、血圧が大きく下がる上に、汗をかいて水分も一層失われるため、お酒を飲んだ直後は入らないのが安全です。

肝臓の働きを助ける食事も

アルコールを分解するためには、何よりも肝臓の働きが重要なため、肝臓の栄養になるものをとるのもおすすめです。

特に栄養源になるのが、アミノ酸やビタミンB群で、豚肉や豆類が代表例になります。

ですので、おつまみとして枝豆やナッツ類を食べるのは肝臓にとっては非常に良い効果が得られます。

また、アサリやシジミなどに多い、タウリンも効果的で、お酒を飲む予定のある日の朝にお味噌汁などで飲むと良いと思います。

二日酔いになってしまったら

二日酔いかも、と思われるときは、まずは脱水症状が起きているため、水分とミネラルの補給が第一です。

といっても、ただお水を飲んだだけでは吸収に時間がかかりますので、スポーツドリンクか、経口補水液があると便利です。

特に気持ち悪さや吐き気がある場合は経口補水液のほうが望ましいです。

また、ビタミンCも肝臓のアルコール分解を促す働きがあるため、みかんのような柑橘系のものや、キウイ、バナナと言ったフルーツ類を食べるのがベストです。

サプリメント、お薬はお酒を飲む前に飲む

最後にサプリメントとお薬についてですが、アルコールの分解を助ける製品はいくつかあり、有名なのだとウコンの力とか、ヘパリーゼというものが便利ですので、不安な場合はお酒を飲む前に飲んでおくのがおすすめです。

漢方薬では五苓散が効果的ですので、漢方薬を使いたいときは試してみてください。

二日酔いになってしまった状態から回復するお薬は、ソルマックが有名で、売られていることも多いと思います。

もしふらふらとした感じで、酔いが全く抜けないというとき、水分も取れないようなときは点滴による処置が必要になるので、お医者さんに相談して頂ければと思います。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属