筋肉痛を正しく対処する
今回は、前回の「足がつる」ということに関連して、筋肉痛についてお話したいと思います。
筋肉痛の正式な定義は、「筋肉の運動に伴って起きる筋肉の痛み」と定められています。
一般的には運動が終わって、数時間から数日が経過してから、筋肉に痛みが出る、というのが筋肉痛です。
原因の多くは、慣れていない運動を激しくやったり、普段使っていない筋肉を酷使すると起きるというものですが、なぜ痛みが出るのかのはっきりした原因は未だ不明です。
今回はこの筋肉痛について、詳しく触れていきたいと思います。
筋肉痛のメカニズム
筋肉痛の詳しい原因は不明ですが、筋肉が運動することによって傷がつき、それを治している働きの中で痛みが起きていることは分かっています。
筋肉が激しく動くと、その部分が傷ついて炎症が起きます。
この炎症を治す過程で痛みが出る、というのが筋肉痛です。
そして、運動してから筋肉痛が出るまで時間が空くのは、筋肉の中に血管が充分に通っていないためです。
単純に、あまり使っていない筋肉は、そこに通っている血管の数も多くなく、炎症が起きるだけの血液が行き渡るまでに時間がかかっているのです。
言ってしまえば、筋肉が衰えている方ほど筋肉痛が来るのが遅くなり、普段から運動をして筋肉が大きい方ほど筋肉痛が来るのが早くなります。
年齢を重ねると自然と筋肉が衰えて来ますので、年を取ると筋肉痛が来るのが遅い、と言われやすいのです。
逆に言えば年齢を重ねていても、筋肉量や運動の頻度によっては、筋肉痛が来るのが早い事もあります。
血液の流れが良いほど、強い筋肉痛は起きない
筋肉痛は全く起きないようにすることはかなり難しく、ほぼ不可能です。
ただ、全身の血流が良いほど、強い筋肉痛は起きずに治りも早くなります。
筋肉痛を軽くしたいときは筋トレだけではなく、全身を動かすような有酸素運動をして、血流を促すようにするのがベストです。
ウォーキングやジョギングはもちろん、日ごろの生活でも歩く量を少し増やすとか、階段を使う頻度を上げるといったもので大丈夫です。
有酸素運動の量を増やすことで、血流が促進されて各部分の筋肉の血管にも刺激が行くため、筋トレ時の筋肉痛がある程度改善されます。
次に大事なのは急に激しい運動をせず、負荷をかけ過ぎない事です。
突然筋肉に負担をかけると筋肉へのダメージも大きくなり、筋肉痛も酷くなります。
ですので、例えば筋トレ前にはしっかりとストレッチをして、筋肉をほぐしてから行うということをしてください。
この時は動的ストレッチがおすすめです。
動的ストレッチとは簡単に言うとラジオ体操的なもので、少し反動をつけながら筋肉を動かしていくストレッチです。
逆に運動した後は、動かして硬くなった筋肉をほぐすように、ゆっくり伸ばしていく静的ストレッチが便利です。
筋肉痛が起きたら休むこと
筋肉痛が起きた場合ですが、その時は何よりも休んでください。
筋肉痛は筋肉が傷ついている証であり、元の状態に戻っていないことを表しています。
この状態で無理に動かすと、より治りづらくなるどころか筋力が落ちることにも繋がるため、元に戻るまでは安静にしておいてください。
安静にする目安は、運動の量や筋肉痛の程度、さらには個人差もあるため一概には言えませんが、一般的には痛みが出てからおよそ48時間から72時間は安静にしておくのがおすすめとされています。
ボディビルダーの方など筋トレに精通している方は、一部の筋肉を酷使してトレーニングしたら、次の日はその部分のトレーニングではなく違う部分のトレーニングをして、痛い部分は安静に休ませつつ違う部分を鍛える、という風にしている方もいます。
筋肉痛が起きたら冷やす?温める?
筋肉痛が起きた時、冷やすのと温めるのとどちらがいいのかですが、これは状態によって変わって行きます。
簡単に言うと、運動直後に起きた炎症の痛みは冷やして抑えた方が良く、運動後にしばらく経ってから来ている筋肉痛は温めて血流を促した方が良い、となります。
また、痛みがひどく強い場合や腫れがひどい場合は、その分炎症も酷くなっているため、一旦冷やして炎症を抑える方が望ましいです。
あまりに痛い場合はお薬を使うこともあり、筋肉痛の痛み止めも、湿布のような貼り薬、塗り薬、さらに飲み薬もあります。
例えば痛み止めとして有名なロキソニンも、筋肉痛には効果がありますので、痛みが強い場合は無理せずにお薬を使ってみてください。
ただし、予防的に使うのは好ましくありません。
あくまでも、痛くなってからの対処をして下さいね。