Voicy更新しましたっ!
今回は、腸内環境や腸内フローラの詳しいお話
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「腸内環境」「腸内フローラ」とは
ここ数回、大腸や小腸、盲腸、乳酸菌などなど人間の腸に関することをお伝えしていきましたが、今回は少し視野を広げて、全般的な「腸内環境」ということについて触れて行きたいと思います。
発酵食品や腸に関するお薬でしばしば「腸内フローラ」という言葉も目にすると思います。
今回はこれまでのシリーズに関連してこれらについて、もう少し掘り下げて行きます。
善玉菌と悪玉菌と日和見菌
まず初めに腸内細菌についてですが、以前触れたように小腸には1兆個、大腸には100兆個あるといわれています。
この腸内にある細菌だけで、成人でおよそ1キロから1.5キロほどの重さがあるとされています。
そして善玉菌は文字通り、人間にとって都合のいい働きをする菌の事で、消化や栄養の吸収を助ける、免疫力を高めるといったことをします。
そして悪玉菌は文字通り、人間にとって都合の悪い働きをする菌で、例えば消化されて残ったかすを腐敗させ、おならや便のにおいを生み出すのは悪玉菌の働きによるものです。
そしてもう一つ、日和見菌という種類の菌がいます。
通常、腸内では善玉菌と悪玉菌の二つが主に働いており、いわば勢力争いのような状態になっています。
それぞれがそれぞれの働きを充分に行うことで、バランスが保たれています。
しかし、通常時にはどちらにも味方せずにいる菌が日和見菌です。
日和見菌は、腸内細菌のバランスが様々な要因によって崩れた時、強くなった方に味方して働きます。
例えば、善玉菌が強い時には悪玉菌が増えないように働き、悪玉菌が強い時は悪玉菌が増えるのを助ける、というように役割が変わるのです。
これまでも度々登場してきた「腸内細菌のバランス」というものは、健康な人の場合で善玉菌が2割、悪玉菌が1割、日和見菌が7割という内訳なのです。
日和見菌は未だに、具体的にどういう働きをしているか不明な点も多い、人間の未知の部分でもあります。
加齢とともに善玉菌が減っていく
腸内には善玉菌が若干多いのが望ましいですが、善玉菌は加齢によって減っていきます。
まず前提として、善玉菌がきちんと働ける環境であることが大切で、健康な状態であれば善玉菌は自然と増えて行き、活動も活発になります。
それを踏まえて具体的にどうするかというと、食べ物から善玉菌を補給する方法、善玉菌のえさを摂って働きを助ける、という方法があります。
これまでもお伝えしたように、小腸では乳酸菌、大腸ではビフィズス菌が主な善玉菌ですが、これ以外で言うと酵母菌、麹菌といったものも善玉菌の種類の一つで、腸内で働いています。
これを補給する食品こそが、ヨーグルトや納豆、お漬物と言った発酵食品なのです。
発酵食品以外だと、サプリメントの効果がある整腸剤にも、乳酸菌やビフィズス菌配合といった商品がありますので、そういったものを活用するのも手です。
善玉菌はほとんどが胃酸で死に、生きたまま届くのは1%程度ですが、その死骸が腸内に行くことでそこで生きている善玉菌のえさとなるため、善玉菌の働きを助けることになります。
言い換えれば、善玉菌のえさとなるものを積極的に摂ることも腸内環境を整えるためには大切です。
善玉菌のえさとなるものは食物繊維やオリゴ糖で、簡単に言えば野菜や海藻類、果物にたくさん含まれています。
野菜類とタンパク質類を、バランスよく同時にとる
一方反対に、タンパク質は悪玉菌のえさとなるため、食べ過ぎると悪玉菌が増えることに直結します。
これまでの回など、腸内環境だけを考えると、タンパク質は悪玉菌を増やす大きな一因ですが、言うまでもなくタンパク質は人間の細胞の素となる極めて重要な栄養であり、絶対に欠かせないものです。
しかし、食べ過ぎると悪玉菌が増えてしまい健康にも悪い影響が出ます。
こうしたことも含め、食生活で一番大切なのが「野菜や食物繊維と一緒に、バランスよく食べる」ことなのです。
お肉だけでも野菜類だけでもバランスは取れません。
できるだけ同じ食事で一緒に食べることで、タンパク質をとりつつ善玉菌も活発になり、健康な体ができて行きます。
消化にかかわる部分ですので、食生活が何よりも重要ですが、それ以外で言うとやはり普段の生活リズム、自律神経の乱れも腸内環境には影響が出ます。
腸は自律神経でコントロールされる
以前も少し触れたように、腸はストレスの影響によって動きが悪くなる面もあり、自律神経の乱れも腸内環境に影響が出ます。
自律神経については421回で詳しくお伝えしておりますが、特に腸について言うと睡眠が大切と言われています。
睡眠量が減ることで腸の動きが悪くなるのです。
ですので、朝起きた時にきちんと日の光を浴びて、体内時計をリセットしてください。
リセットとは、朝日を浴びてからおよそ14時間から16時間後に眠くなるようにセットされる、ということです。
起きた時に日の光を浴びた方が良いのは、この働きあってのことです。
そしてやはり、ストレスも影響が出ます。
ストレスは胃腸と自律神経の両方に悪影響が出るため、やはり何よりも大敵となる部分になります。
これも以前ストレスの回などでお伝えしましたが、ストレス解消法は手軽であればあるほど望ましいです。
例えば、ストレスを溜めに溜めてから、海外旅行や遊園地で目いっぱい遊んで解消する、といった方法だと、covid-19などで思うように行けなかった時には非常に重たいストレスとなります。
ですので、普段から、日常的にできる気分転換的なものをストレス解消法として持っておくことで、素早く気分の切り替えができ、ストレスが積み重ならずに済みます。
そして、その解消法の数はできるだけ多く持っておくのが、とても望ましいです。
いくつも持っておいて、環境や場面に合わせて早めに対処できるようにしておくと、ストレスの影響を最小限にできるのでおすすめです。