Voicy更新しましたっ!
今回は頂いたコメントから「乳酸菌」のもう少し詳しいお話
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乳酸菌でおなかにガスが溜まる?
以前、453回で「ガス腹」の回として、おなかにガスが溜まるということについてまとめております。
内容を簡単におさらいすると、おなかに溜まるガスのほとんどは、普段の会話や食事などで、胃に飲み込む空気が多いことで起きます。
例えば噛む回数があまり多くなく、すぐに飲み込んでしまう早食いとか、コップではなくペットボトルから飲み物を飲むことが多い場合などで、飲み込む空気量が増えます。
腸内細菌や腸の動きで生み出すガスは、それよりも少ないですが、ガスは発生しますので溜まっていくことはあります。
そして今回、コメントで「乳酸菌添加と書いてあるものを飲食した後、おなかにガスが溜まって苦しくなる」と頂きました。
今回はこのコメントから、乳酸菌について詳しく掘り下げていきます。
乳酸菌は本来、ガスを減らす役割がある
まず最初に、腸内細菌からのガスは悪玉菌による働きで発生しており、お肉などタンパク質が多いとにおいが強くなりやすく、豆類やきのこ、野菜類と言った食物繊維が多い食事や発酵食品が多いとにおいが少なくなりやすいです。
そして、腸の動きが悪くなる、便が溜まるなどでガスがおならとして排出されにくくなることもあります。
この場合は運動をするなど、便秘解消のための対策をすることで改善されて行きます。
本題の「乳酸菌によってガスが溜まる」ということですが、本来であれば乳酸菌はガスを減らす方向に働きます。
前述のように腸内細菌によるガスは悪玉菌が働いており、善玉菌となる乳酸菌は悪玉菌の働きを抑え、緩やかにするため、ガスも発生しづらくなります。
市販の「ガスピタン」という、おなかのガスに効くお薬も主成分の乳酸菌の働きでガスをしずめて行きますが、このコメントの方は「ガスピタンを飲んだら余計に苦しくなった」というお話があります。
これは実は、体質によって、乳酸菌をとる方がガスが溜まって苦しくなる、ということが起こり得るのです。
2種類の乳酸菌
まず、乳酸菌というものは、いくつか種類がありますがほとんどのものはブドウ糖から乳酸を作るための菌、のことです。
そしてもう一つ、それよりも少数ですが、アルコールと二酸化炭素を出す乳酸菌、というのも存在します。
この二つは同じ乳酸菌というカテゴリでもタイプが違うもの、と考えてください。
わかりやすく言うと、ヨーグルトを作る乳酸菌と、お酒を造る乳酸菌との違い、という感覚で大丈夫です。
この両者のうち、後者の乳酸菌のほうが、腸内に多いという方が存在します。
そのことと、ガスが溜まることは関係なさそうに見えますが、自分なりにもう少し調べたところ、これは推測になりますが、「アルコールや二酸化炭素が腸内で活発に作られる」といったことが起きている恐れがあります。
通常、乳酸菌とは99%が胃に入ったときに、胃酸で死にます。
ですが、その乳酸菌の死骸が腸内に行くことで、腸内で生きて活動している乳酸菌のエサとなります。
このとき、もし前述のアルコールと二酸化炭素を出す乳酸菌の方が多いという方であれば、その働きが一層活発になってしまい、乳酸菌をとる=二酸化炭素が出てガスが不必要に溜まってしまう、という状態になっている可能性があるのです。
腸内環境をリセットして改善
これをどう改善していくかですが、正直自分の能力ではあまり良い方法が見つけられませんでした。
ただ一つ、大腸検査をしているお医者さんのコラムにあったことを引用しながら、自分なりに紹介していきます。
それが、腸内環境のリセットです。リセットと言っても、普通の大腸検査のことを指します。
通常、大腸検査の際には、腸内をきれいさっぱりに洗浄してから見て行きます。
わずかなポリープや腫瘍を見逃さぬように充分に洗浄しますが、この時、腸の中の細菌のバランスが完全にリセットされます。
ですので、この後にビオフェルミンや乳酸菌、ビフィズス菌、酪酸菌といったもののサプリメントや、乳酸菌製剤といったお薬を飲むことで、今まで腸内に居た細菌を根こそぎ替える、という方法がありました。
わざわざそうしなくとも、今の段階でサプリメントやお薬を飲んで乳酸菌を整えることはできないのか、と思われそうですが、今のまま少しサプリメントやお薬をとった程度では、腸内細菌のバランスや種類はほぼ変わりません。
小腸では1兆、大腸では100兆の細菌がいて、例えば1億個の乳酸菌が含まれたヨーグルト1個を食べたとき、長くても4日ほどでその乳酸菌は排出されてしまいます。
ですので、大腸検査で一回完全に、腸内をリセットして、ほぼ細菌がいない状態ぐらいにまでなったところで、外からサプリメントやお薬を取り入れることで、体質が変わる可能性があります。
ただし、これは大腸検査をしているお医者さんのコラムから引用したもので、しっかりとしたエビデンス、実験データが公開されているわけではありません。
ですので、あくまで参考程度にとどめておいてください。
もし乳酸菌によって、ガスが溜まっていると感じるときは、お医者さんに相談してみていただければと思います。