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抗菌薬とは
この前何かのニュースで、抗菌薬は風邪に効かない、というような内容があり、抗菌薬を間違って使って70万人近く亡くなっている、というような内容でした。これは確かに、抗菌薬は風邪に効かない、と個人的にも思います。
よく抗生物質とか抗生剤、抗菌薬などがありますが、これらは基本的には同じ役割で、成分もほとんど同じです。今回はこれらについて詳しくお伝えしていきます。
抗生物質・抗生剤とは
まず抗生物質、抗生剤、抗菌薬はどれも同じ内容です。
体に悪影響がある生物であれば、何に対しても効果がある、と考えられがちですが、実はそれは大きな誤解と言うか、語弊があります。
悪影響がある生物と言えば、いわゆる細菌とかウイルスが思い浮かぶと思いますがが、菌とウイルスは厳密には違いがあります。
菌は細胞分裂をして増えていくのですが、ウイルスは細胞分裂をせずにただ細胞を攻撃します。
他にも様々違いがありますが、平たく言えばこの違いが大きいです。
ただ、抗生物質や抗生剤、そして抗菌薬は細菌に効くもので、ウイルスには効果がありません。
これが抗菌薬の大きな誤解であり、最大のデメリットになります。
風邪の9割は、細菌ではなくウイルス
そして、一般的に言われる風邪のうち9割は、ウイルスによるものです。
このことがあるため、ほとんどの風邪は抗菌薬は効果が無い、と考えられます。
なぜ抗菌薬が処方されるのかと言うと、一つは風邪に続いて起こる病など、二次的な細菌感染を防ぐことと、もう一つが患者さんが求めることが多いため、ということです。
まず二次的な細菌感染ですが、これは例えば風邪を引いて抵抗力が弱まっているときに、肺炎菌などにかかって、肺炎を起こすと、単なる風邪から肺炎になって重病化する、などです。細菌の影響がある風邪はかなり治りづらく、また治療も難しくなります。
これを防ぐのに抗生剤、抗菌薬が役立ちます。これらを防いで、風邪だけと戦える状態を維持します。
風邪が早く治るという「思い込み」
もう一点が、患者さんから要望されることが多いため、と言うのがあります。
患者さんから「風邪が早く治るから抗生物質が欲しい」とか「抗生剤じゃないと熱が下がらない」などと言われて、出してしまうというようなことです。
抗菌薬を飲む飲まないで、風邪が治った期間を比べた研究がありますが、実はどちらもそれほど変わらないというデータがあったので、これはいわば思い込みと言えます。
逆に、抗菌薬は風邪には関係ないなら別に飲んでもいいのでは、と思われそうですが、実は必要ない時に抗菌薬を飲んでしまうと、菌が免疫をつけるように、強くなってしまって、抗菌薬が効かないという可能性が出てきます。
これは近頃問題になってきていて、病原性と言って風邪などほかの病気と関わって、組み合ってしまうと治療する手段が事実上無くなる、ということになります。
なので無理に抗菌薬、抗生剤などを飲むのは辞めてください。
風邪かと思ったら「無理に病院に行かない」「悪いものは出し切る」
もし風邪かと思ったら、無理に病院に行かないで、悪いものは出し切ることを意識してみてください。
以前インフルエンザなどについての時にもお話したと思いますが、普通の風邪であれば自然治癒することが多いです。なので無理に病院に行ってしまうと、逆に菌をたくさんもらってしまう、というようなことにつながります。
もう一つが、悪いものは出し切るというのは、つまり咳、鼻水、熱と言ったものです。
例えばたんが出たら飲まずに吐き出すとか、解熱剤を使わずに水分を取って熱を出し切るなどです。
もし家で、お子さんとかご家族がいない状態で、風邪と真っ向から戦える環境があれば、これが一番良い治療になります。
ただ現実的には、仕事に行ったり、何かすることがあると思いますので、軽い風邪程度なら出来るだけ動きたいはずです。
そういう場合は咳止めや鼻水止めと言った一般的な風邪薬を使って、様子を見てみてください。
しっかりと寝て、休むことが必要
あとはやはり、早く寝てゆっくり休む、ことが必要です。
きちんとできていると、大体3日目をピークに、あとは徐々に回復していきます。
どうしても、軽いからほとんどいつも通りに動く、という方が多いですが、長引くと重症化するので、水分はきちんととる、睡眠はしっかりととる、ことだけは充分意識してください。
ただし、もしどんどん悪化していくとか、水分が取れないことがあればすぐに病院に行ってください。