ノロウイルスが流行る前にしっかり対策!#266

Voicy更新しましたっ!

今回は冬の食中毒こと、ノロウィルスの話。

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ノロウイルスとは

よく「冬はノロウイルスに注意」と言われます。

前回のインフルエンザなどに関連して、度々触れてきたこの「ノロウイルス」について、少しご紹介していきます。

 

ノロウイルスは胃腸炎を起こすウイルス

胃腸炎と言えば代表的なのは食中毒で、夏であればO157が特に知られていると思います。

実はノロウイルスは、O157のように食中毒の原因になるウイルスです。最も多いものが、冬のカキによる食中毒です。

O157は夏から秋ごろですが、ノロウイルスは11月から4月までが多く、特に1月までは一番ピークとなる時期です。ただ場合によっては単にあたったということではなく、カキアレルギーに急になったという場合もあります。

カキアレルギーもノロウイルスと同じような症状なので、注意してください。

 

ノロウイルスは24時間以内に発症する

ノロウイルスの症状は、菌が入って24時間以内に発症します。

腹痛、嘔吐、下痢と言った症状が、激しく襲い掛かりますが、通常であれば長くても3日以内で治ります。なぜ3日以内かというと、ウイルスが体から全部出切る時間が3日なためです。

そして、ノロウイルスは誰でも、老若男女問わず体内に入る可能性があり、入ると必ず発症します。

違いがあるのは重症度で、症状も軽めですぐ治る方もいれば、非常に苦しくなる方もいます。ただ基本的にはノロウイルスで命の危険がある、ということはほぼありません。

やっぱり一番注意して欲しいのが「脱水症状」です。強い脱水症状こそ、ノロウイルスの一番怖いところです。

3日以内で収まることが多いですが、その分その3日のうちに失われる水分はとてつもない量になります。なので後述しますが経口補水液を使って水分補給をしていってください。

 

治すには、ノロウイルスを出し切るしかない

このノロウイルスを治すのは、体からウイルスを出し切ることに尽きます。

つまり治療薬はありません。下痢、嘔吐を繰り返してウイルスを外に出す、ということです。

なので、絶対に下痢止めを使わないでください。

体からノロウイルスを出すことが唯一の治療なので、下痢や嘔吐が無いということは胃腸がずっと壊れたままになる、と考えても良いレベルです。

下痢止めを使わず、水分を補給しながら全部出し切ることを祈る、ことに尽きます。

ポイントは、栄養を補給するために優しいものでもいいから食べるのは間違い、ということです。

 

栄養補給ではなく、水分補給を充分に

ウイルスを外に出すために懸命に働いているのに、そこで新しいものが入るとその処理に追われてしまうため、結果としてそのまままた吐く、下痢してしまうということになります。

出来るだけ食べず、水分補給だけをしてください。

水分補給も、経口補水液を15分に1回ぐらい、ペットボトルキャップ1杯程の量を取ってください。それ以上多いと結局吐いてしまうとか、負担になるため、補給にならない可能性があります。市販のOS1で充分です。

OS1には塩分などのミネラル類も含んでいるため、脱水症状を改善させるのに必要なものが全て摂取できます。

もし、ペットボトルキャップ1杯の水分も受け付けない、と言う場合は点滴での水分補給になるので、早めに病院に行ってください。

 

ノロウイルスにならないために必要なこと

ノロウイルス予防としては、食中毒と同じことが言えます。

例えばカキは生食せずに、鍋や蒸しなどにして充分加熱してください。

具体的には中心温度が85度から90度の状態で90秒、という風に基準はありますがとにかくしっかりと過熱したらまず大丈夫です。

決して中途半端に熱が通っただけとか、半生の状態では食べないでください。

あとやっぱり大事なのは、手洗いです。

調理前、食材を触る前に充分手洗いする、そして調理後に食事をする前にまた充分に手洗いする、ことを徹底してください。

 

アルコールはノロウイルスには効かない

最後に、以前も少し触れたと思いますが、ノロウイルスにはアルコール消毒は効きません。

単純に普通のアルコールでは死なない菌なためです。

。パッケージにノロウイルス用とかノロウイルスに有効と書いてあるものであれば大丈夫です。

これを持ち歩いて、外食するときとかトイレに行った後とか、気になる時に使うと、非常に良い予防になるのでお勧めです。

また、手袋をするのも意外に良い予防です。外食をするにしても手袋のままで食べることは無いと思います。外にいる間は手袋をして、食べるときだけ手袋を外すようにすると、手袋に菌がつくだけですので、予防になります。

あとは夏の食中毒でも同じことが言えますが、ハンカチやタオルの貸し借りは避けた方が良いです。

 

ノロウイルスには、こうしたことに気を付けてみてください。

 

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属