濃厚接触疑いでPCR検査を受けました!#483

Voicy更新しましたっ!

今回は自分が実際に体験した、PCR検査について

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陽性者との濃厚接触の疑いで、PCR検査を実施

今回は、つい先日、自分が経験したPCR検査について、詳しくお話していきます。

ちょっとややこしいですが、PCR検査を受けた最初のきっかけとなる「濃厚接触疑い」というところから、詳しくご紹介していきたいと思いますので、今後の何かの参考に、ご覧いただければと思います。

 

教室内で陽性者が

まず始めに、きっかけとなった場所ですが、ある学校の教室内です。

薬剤師には学校薬剤師と言い、校内の明るさが学習や児童の視力に影響しないかとか、二酸化炭素の濃度を測って空気の環境がどうか、と言ったことを調べるという仕事があります。

そして併せて、薬物乱用防止のための授業を、ある学年の教室で行いました。

これが1月20日に行った、学校薬剤師としての仕事で、この時は問題ありませんでしたがその後、22日に学校から連絡があり、その薬物乱用防止授業を行った教室内の児童に、covid-19の陽性者が出た、という事だったのです。

この連絡を受けて、30分か1時間ぐらい経ってまた再度学校から連絡が来て、「保健所から、濃厚接触者疑いにあたると判断されたため、PCR検査をお願いします」、という事になりました。

ようやくPCR検査のお話になりますが、ここからは割と素早く、その日の夜7時45分には「検査キットが届きますのでそのときにとりに来てください」ということで、ドライブスルー方式ですぐにキットを受け取って翌土曜日に検体を届けました。

月曜日朝に連絡があって、陰性ということが分かり、無事に職場復帰しました。

 

濃厚接触「疑い」とは

今回、保健所が判断したのが「濃厚接触疑い」というもので、正直言うと自分も初めはあまり良く分からなかったです。調べたところ、濃厚接触者とは結構違いがありました。

まず濃厚接触者については、現在しっかりと定義づけされており、無症状を含む感染者と一定のかかわりがあった人の事を指します。

例えば、感染者と同居しているとか、電車や飛行機と言った車両内に長時間同席していた人、また受け入れ病院ではない医療機関などで、適切な感染防護をせずに感染者を診察、看護介護した人や感染者の気道分泌液や体液に直接触れた可能性が高い人で、後者の方は医療、介護従事者が多いと思います。

そして最後が、手で触れることの出来る範囲で、必要な感染予防策をせずに感染者と15分以上接触があった人、も濃厚接触者になります

手で触れることのできる範囲とはおよそ1メートルで、この範囲で感染予防策をせずに、15分以上接触があれば、濃厚接触者になるという事です。

今回の、薬物防止授業の教室内では、この濃厚接触者の定義には入らないのです。

まず、自分が居た教壇と児童の距離は1メートル以上離れていた上に、自分も児童たちもマスクをしていて、換気についても事前に、きちんとされていることを確認しています。

感染予防策をしていましたが、陽性者と45分間同室していた、という事で「念のため」検査をした、と思われます。

これはあくまでも、検査のきっかけの違いですが、自分が一番驚いたのが検査後に行う「隔離」の処置についてです。

 

積極的疫学検査

芸能人の方でも、濃厚接触者になってしまい2週間隔離になり、出演を取りやめるという事がしばしばあるように、濃厚接触者は陰性であっても2週間隔離する措置をとられています。

完全に外出せずに待つように、と言われていますが、実は自分が該当した濃厚接触疑いでは、その措置はありません。

つまり、自分の例で言うと、月曜日からすぐに職場に復帰した、ということになります。

今回自分が居た環境は、正直言うと感染するリスクはほぼ無い、と断言して良いレベルと思います。

しかし現在、自治体にもよると思いますが、積極的疫学検査と言い、濃厚接触に近い人が居れば積極的に検査対象にしている県が多いと思われます。

もちろんこれは悪いことではないですが、かなり感染状況が広がっているのが分かっている現状で、ここまで検査対象を広げると、保健所の業務、リソースを大幅に割いていると思います。

今回の自分の例も、実は当初は日曜日の夜に検査結果が出るとのことでしたが、連絡が無く、自分から問い合わせてみたところ、月曜日になるとのことで、月曜朝に分かったという次第でした。

 

扱いが難しい濃厚接触・隔離の措置

検査後の隔離も、自分の場合では金曜日の夕方に連絡があってからすぐ隔離ということで、業務から離れることになったのですが、そのとき他の薬剤師さんを急遽手配して、薬局を休業せずに済みました。

しかし、芸能人のように、代えが効かない職種の個人事業主もたくさんいますので、この措置は非常にリスクが高く、難しいと思います。

どれだけ感染対策をしていても、濃厚接触疑いとか濃厚接触者になってしまうと、検査結果が陰性であったとしても、最低1日や2日、もしくは2週間は完全に隔離となるのです。

ただその一方で、感染力が極めて強く、無症状感染であっても感染力があるのがcovid-19の特徴ですので、充分に必要な措置であることも分かります。

実際に自分が、検査から隔離までの一連の流れを経験してみましたが、やはり本当に大変なことでした。

ちなみに、自分の薬局の事務さんが、自分のこの件で家族と喧嘩になったと言っていました。

自分の場合はあくまでも念のためでPCR検査対象になっただけな上に、その事務員さんは日頃から行っている感染対策についても充分知っています。

しかし平たく言えば、「家族の職場の人がPCR検査を受けた」という事実になり、万が一自分が感染、ということになれば、毎日同じ空間で長時間働いているその事務員さんが濃厚接触者となります。

するとその事務さんと同居する家族も、濃厚接触者とほぼ同義ということで、会社に行けない、仕事ができないと思い、実際に会社を休まれてしまったのです。

本当に申し訳なく迷惑をかけたと思った反面、正直言うと関係ないように思うところもありましたが、実際に自分を介して、こんな風に影響が出るんだと深く痛感しました。

これからも引き続きお互い、日頃から感染対策をして行きましょう。

 

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属