Voicy更新しましたっ!
今回はニュースでの注目度が高まっている「重症者数」について
健康情報を声で聞ける!
医療・健康ナビ なくすりーなはこちらから聞いてみて下さいね^^v
地域の中核病院で大規模クラスターが
今回もcovid-19についてのお話ですが、ここ数日で注目されているのが、北海道旭川市の「中核病院」で大規模なクラスターが出てしまったという問題です。
今回はこのことにも関連して、重症者が急増していることを中心にお伝えしていきます。
重症者数が連日最高値を更新
現在、重症者の数は全国で500人を超え、連日のように最高数を更新しています。
増加率はやや減少していて、一気に激増しているという事はありませんが、増加に歯止めがかからない状況にあります。
こうなった理由として考えられるのは、まず一つは感染者数そのものが減少していないことが挙げられます。
現在は冬を迎えてウイルスが活発になっていて、感染者が夏場よりも増えやすい環境です。
ですので今までよりも、より強力に対策をしないと、感染者数は増える一方になります。
また、何度かお伝えしている通り、高齢者は若年者に比べて重症化しやすいという特徴があり、数字で言うと50代以下の方の重症化率は0.3%、60代以上で8.5%と、30倍近く急激に上がることが分かっています。
そして感染者の年齢層は、第一波の時には高齢者よりも若年者の方が割合が多かったと言う特徴があり、当時は「若者が自粛しないがために感染が広まった」、という言い方もされていたと思います。
しかし第三波となる現在は、各年代平均して同じぐらいの割合で感染者が増えています。
東京では60代以上の感染者は5月では11%だったのが、現在は18%と、元々の感染者が増えていることもあり、高齢者の感染者が以前よりも大幅に増加しているのです。
ですので、60代以上は重症化率が高いということから、必然的に重症者数も増えてきている、という事です。
感染者数が減っても、重症者はすぐには減らない
そして当然ですが、感染者数が減少に転じても、すぐに重症者数が減るという事はありません。
重症者は退院できるまで回復するのに、およそ1か月近くの時間が必要になります。
人工呼吸器を付けている期間はおよそ10日前後ですが、だからと言ってすぐに退院はできず、完全に回復するには1か月ほどはかかります。
もし軽症、中等症であればおよそ10日から半月ほどで退院できるので、単純に2倍近くの期間が必要になることになります。
単純計算で、感染者数の数が減少しても2週間ほどは重症者の数は増えて行きます。
これは先日の第一波、第二波、どちらにも共通することです。
これをさらに言い換えれば、現在も感染者数が減少に転じていないことから、今後2週間は重症者が増えることがほぼ確定している、ということになります。
各地域の医療機関や自治体は、このことも見越してまで、今後の医療体制を整える必要があるのです。
実際に今の医療体制はどうなのか
これを踏まえて、現状の医療体制はどうなのかについてですが、まず具体的に大阪では病床を約70%使用していて、東京では約50%と発表しています。
数字だけ見るとまだなんとかなりそうに思えますが、この数字は「準備病床」も含めて計算されている数字になります。
準備病床とは、現在の他の入院患者さんを転院させるなどの措置が必要となる、感染者用ベッドとして使うために1週間程度かかる病床のことで、これの反対を即応病床と言います。
即応病床は準備病床よりも数が少ないためこの数字よりも割合が上がり、大阪の発表では現在85%となっているので、かなりギリギリな状況と言えます。
「医療が逼迫(ひっぱく)する」という意味
当然ですが、病院にはcovid-19以外の方のベッドも確保する必要があります。
様々な病気があり、それに対処するためには、その患者さん用のベッドが必要になります。
病院内のベッドが突然増えるということは無く、いきなり専用病棟を作ることもほぼ出来ません。
covid-19用に病床を確保する、準備病床を作るというのは、今用意できるものをcovid-19のために使うという事であり、他の病気へ供給できる医療が減ることに直結します。
簡単に言えば、普段は入院して治療が受けられる病気でも、受け入れてもらえない、という事です。
これが以前から度々触れてきた、「医療資源が枯渇する」、「医療が逼迫する」、という言葉の意味です。
もっと平たく言うと「救える命が救えなくなる」という事です。
実際の病院内のような、現場で働く医療関係者の方にとっては、このことが現実味を帯びて来ている事態なのです。
自分の身を守るためにも、引き続き、日頃から感染対策をして行ってください。