Voicy更新しましたっ!
今回はアンサングシンデレラ主演の石原さとみさんが結婚を発表したことにも関連して、薬剤師の少し深いお話
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薬剤師の「専門性」?
つい先日、アンサングシンデレラが最終回を迎え、また主演の石原さとみさんが結婚を発表しました。
今回はこれに絡んで、薬剤師についてでも特に深く、普段ではなかなか知り得ないことをいくつかご紹介したいと思います。
今回は特に「専門性」という部分を中心に掘り下げていきます。
お医者さんの「専門」
まず、お医者さんと言えば、誰もがご存知のように、内科、耳鼻科、皮膚科、外科など、様々な「専門」があり、それぞれで開業されていたり、総合病院では科が分けられていて、お医者さんもそれぞれ存在しています。
一方の薬剤師は、このように専門できちんと区切られていることはありません。
言い換えれば、薬剤師の資格があれば、どの科の、どんなお薬でも扱うことができるのです。
ば、その数々の専門のお医者さんが処方する、あらゆる領域の薬を等しく知っていて、正しく扱えるかというと、これは正直に言って難しいです。
例えば副作用が出やすく扱うのが難しいお薬、個人差が広い薬で患者さんそれぞれに用量を決めるのが難しい薬も存在します。
そう言った薬を、普段から扱いなれている薬剤師と、なれていない薬剤師、というのがどうしても存在します。
そこで、ドラマのアンサングシンデレラでも出てきたのが「専門薬剤師」という制度です。
「専門薬剤師」に「認定」される
薬剤師は国家資格で、公的な制度としては一つしかありませんが、「専門薬剤師」という制度で49の認定制度があります。
とても多く感じられますが、ほぼ同じ領域を扱う団体がいくつかあり、重なっている部分が結構あります。
どういうことかというと、ドラマのアンサングシンデレラで出てきた、「がん薬物療法認定薬剤師」というものがあります。
これは文字通り、がんのお薬を扱っていることを認定するもので、これを制定している団体は「日本病院薬剤師会」というところが出しています。
しかし、日本医療薬学会というところでは「がん専門薬剤師」を、日本臨床腫瘍薬学会というところでは「外来がん認定薬剤師」と、がんのお薬の認定だけでも3種類があります。
これは一例で、言ってしまえば乱立している、という部分も少なからず言えると思います。
多いのは「研修認定薬剤師」
そして、薬剤師であれば大抵、何かしらの認定があることが多いです。
そもそも認定を受けるのは、49もの認定資格があるように、様々な方法があります。
例えばこれまで実際に扱ってきた患者さんやお薬のレポートを提出して、実績として認められて認定される、という事もあります。
種類として一番多いと思われるのが、研修認定薬剤師というもので、実際に自分も持っている資格です。
これは何か特別な領域に特化していることを認定するものではなく、1単位1.5時間ほどを、1年で10単位分の時間、研修を受けるという内容で、簡単に言えば薬剤師になってからも、日々新しいお薬や病のことについて勉強していることを示す資格となります。
これと併せて、他にも資格を持っている方ももちろん存在します。
例えばプライマリ・ケア認定薬剤師というのがあり、詳しく説明するのが難しいですが、簡単に言うと生まれてから亡くなるまで、赤ちゃんからお年寄りまでの間のあらゆる相談を受けられる、総合的な力のある薬剤師というのを認めるものです。
これはプライマリ・ケア連合学会というところが出していて、研修認定薬剤師のように更新していく資格です。
また、健康という面でとても大切な、禁煙のお薬、指導に強いことを認定する、禁煙指導士というのも存在します。
専門知識を「活かせる場」で使う
上記で挙げた、プライマリケア認定薬剤師、禁煙指導士は、実は自分が以前持っていた資格で、現在は持っていません。
更新をしなかったということで、その理由としては更新にかかる費用や、研修のための講習、勉強の時間がとれないなどいくつかありますが、はっきり言うと、自分の現在の立ち位置、業務の方針として、活かすことが出来なかった資格、といえます。
乱立しているようで、意味がないのもあるように見られますが、実はそうでもないのが、認定薬剤師の特徴です。
例えば分かりやすいのが、公認スポーツファーマシストというものがあり、これはドーピングにまつわる薬剤師を認定する資格で、扱いが難しい医療用のものだけではなく、市販されるあらゆるお薬、サプリメントに対して高い知識があることを示す資格です。
選手が服用するものに、ドーピングとみなされる禁止薬物が含まれているかどうかを判断する、非常に重要な薬剤師となります。
これはわかりやすい例ですが、このように資格があることも、そしてどのように役立つのかも、なかなか知られていないのが一つの問題だと思います。