この時期の目の痒みは花粉症かも?#451

Voicy更新しましたっ!

今回は、秋でも注意したい花粉症についてのお話

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花粉症の患者さんが増加

今回は花粉症についてのお話です。

夏、秋と言えば、花粉症とは縁遠い季節に思われがちですが、実は秋でも花粉症は起こり得ます。そして実際、自分の身の回りでも花粉症の症状で来られる方が増えて来ています。

花粉症については、voicyでも何度か詳しく取り上げていますが、今回は今時期の原因不明の目のかゆみという症状も取り上げながら、触れていきたいと思います。

 

花粉症の原因

まず、これまでも何度かご紹介している、花粉症のメカニズムですが、簡単に言うとアレルギー反応の一つ、となります。

元々、花粉は人にとっては無害なもので、実際に花粉が体内に入っても問題無い体質の方も存在します。しかし、体質によっては、花粉を細菌やウイルスと同じような扱いをしてしまい、激しく抵抗して体外に出そうとします。

これが花粉症です。

このアレルギー反応を起こす種類の花粉を持ち、全国的に広範囲に広がって植えられているのが、スギ、ヒノキと言った植物です。

花粉症は春ごろに特にニュースになりやすく、患者さんも増加しますが、それはスギやヒノキが春ごろに花粉を飛ばすためです。

これを言い換えれば、夏から秋にかけて花粉を飛ばすタイプの植物で、アレルギー反応が起きてしまう植物もある、ということになります。

具体的にはブタクサ、ヨモギ、アサ、カナムグラ、などが挙げられます。これらは8月の終わりごろから10月の半ばごろにかけて花粉が飛ぶため、これらによる花粉症はまさに今時期がピークと言えるほどです。

ちなみにイネ科の植物もゴールデンウイークごろから6月にかけて一度花粉が飛び、その後秋口の今時期に再度花粉が飛ぶという特徴があります。

 

風邪・covid-19との見分け方

風邪や新しいウイルスとなるcovid-19と、花粉症との見分け方が難しいケースもあると思いますが、これらとの見分け方は、まずcovid-19は鼻の症状はほぼ出ません。

ですので、鼻がかゆい、鼻水が出るという場合は、covid-19についてはひとまず安心して良いかと思います。

一方の風邪は、鼻風邪というのも有名なように、少し難しいですが、熱があるかどうかが一つの目安となります。

喉、咳の症状よりも鼻の症状の方が重い場合や、目のかゆみの症状があれば、花粉症の可能性が高いです。

そして、以前も少しご紹介した、室内の環境で分かるケースもあります。

アレルギー反応ですので、部屋の中に入ったら、特定の空間にいたら症状が治まる場合は、風邪ではなく花粉症の可能性が高いです。

 

春の花粉症と治し方の違い

秋の花粉症の治療、予防ですが、どちらも同じ仕組みで起きていることですので、方法は同じです。

アレルギーのお薬を使っての治療で、例えば鼻詰まりがひどい場合にはステロイドの点鼻薬を使う事もあります。

また、以前の花粉症の回でも触れていますが、予防のために、花粉が飛ぶピークの2週間ぐらい前から飲んでおくのが非常におすすめです。

アレルギーは火事のようなもので、症状が大きくなる前に早めに対処しておくことで、症状が大幅に軽くなりますので、是非覚えておいていただければと思います。

 

市販薬で大丈夫?

そして、その時に使うお薬ですが、市販薬で充分対処できます。

なぜかというと、実は現在のアレルギーのお薬は、医療用で使っているものとほとんど同じものが市販されているのです。

例えばvoicyでも何度か出ているアレジオン、アレグラ、クラリチンと言ったお薬は、医療現場でも頻繁に使われるお薬で、成分と含有量も全く同じものが市販されています。

ステロイドが使われている点鼻薬は、市販薬と医療用で少し種類が違いますが、市販のも存在します。

例えば、ナザールアルファARはステロイドが入った点鼻薬で、これを予防的に使うのも効果的です。

そして、花粉症のお薬と言えば眠気の副作用ですが、前述の例で言うとアレグラとクラリチンは特に眠気の作用が改善されているので、もし気になる方はこれらを試してみてください。

もし、毎年花粉症で悩んでいて、市販薬が効かないというぐらいの方であれば、遠慮せずに早めに病院に行って相談してみてください。

 

covid-19対策でとても重要な「換気」で、花粉が入ってしまう

最後に、現在covid-19の感染対策で、何度もお伝えしているのが「換気」という事です。

花粉は空気清浄機を使って取り除くことが出来、家の中に入る前に上着を脱いで家の中に花粉を入れないようにするなどの対策が出来ますが、covid-19対策のために、窓を開けて換気をすることで、花粉が外から入ってきてしまう、という問題に直面する方もいると思います。

完全に相反することで、非常に難しい問題ですが、これは自分が長時間過ごす部屋であれば、必要最小限の換気をするのがベストと思います。

例えば毎日8時間や9時間過ごす寝室は、花粉もcovid-19も両方注意する必要がある場所ですので、花粉が入らないように、最低限、短時間でも良いので換気をするのが安全です。

 

その他の対策

その他の対策ですが、こちらは以前も触れましたが花粉が目に入らないようにメガネをかけるとか、今はほとんどの方が使っているマスクも、花粉対策に効果的です。

また、それほど症状がひどくないという場合は、お薬ではなくサプリメントもあり、例えば甜茶(てんちゃ)の飴やサプリメントを、今からこまめに使ってみると、症状が落ち着くことがあります。

最近では青みかんがアレルギー用のサプリメントとして売っていることもありますが、どちらもサプリメントですので、お薬ほど効果が強いわけではないので注意してください。

 

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属