台風間近!気圧が下がると起きる天気痛って何?#358

Voicy更新しましたっ!

今回は大型台風にも関連して「天気痛」のお話

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天気が悪くなって体が痛む?

天気が悪くなると痛みが出る」という現象をご存知でしょうか。

また逆に、痛みが出てきたからこれから天気が悪くなりそうと感じる、ということもあります。

痛みとは、昔できた古傷とか、偏頭痛だけではなく、喘息の発作やめまいなど様々ありますが、今回はこの「天気痛」という現象についてのお話です。

 

「天気痛」とは

天気によって痛みが出るという現象は、実際に存在します。

ある実験で、気圧をコントロールできる部屋に、天気痛が起きたことがあると言う人を何人か入れて、15分で40hPaずつ下げていきました。

これは強めの台風ぐらいの気圧変動で、しばらく下げたままにしてから、再度15分かけて40hPaずつもとに戻していった、という実験です。

どうなったかというと、気圧を下げ始めると痛みが急激に出てきて、気圧が一定まで下がりきってそのまま気圧が落ち着いたら、痛みの出方も同時に落ち着いた、というものです。

痛みとは前述したように昔の古傷とか頭痛ですが、例えば交通事故に遭った時のむちうちなどと言った怪我、後遺症の痛みも強くなることがあります。

他にはリュウマチの痛みも天気、気圧と関係あることが分かっており、さらには喘息の発作やめまいと言った、厳密に言うと痛みではないものも、関連して起こることがあるため、広義では天気痛の一つでもあります。

天気が崩れることで、体の調子が悪くなることを「天気痛」と定義されています。

 

天気痛の原因

天気痛の原因は未だに解明されていませんが、いくつかの有力な説はあります

例えば「ヒスタミン」が影響している説があります。

ヒスタミンとは炎症を促す成分で、アレルギーに関連して良く名前が出てくると思います。

気圧が下がって天気が悪くなるにつれてヒスタミンの量が増え、炎症が起きて、喘息や痛みが強まります。そして気圧が一定になると分泌が収まって、炎症が引くという仕組みです。

もう一つ、気圧が下がることで体の中の血液など、水分の動きが妨げられて、上手く循環しなくなる説もあります。場所によって水分がとどまってしまって、何らかの神経を圧迫して、悪影響が出ているという説です。

また、こちらも気圧下がることに関連して、内耳にある気圧を感知するセンサーが敏感に働いてしまって、自律神経の交感神経の方を急激に刺激してしまい、影響が出る、という説もあります。

ノルアドレナリンという物質が出て、これが血管を締めてしまい、昔に傷を負った部分の周辺の神経を刺激して、痛みが出る仕組みです。

 

古傷は厳密には、治っていないケースもある

ちなみに、昔負って今は治っているという「古傷」ですが実は、表面ではきちんと治っていて、出血もなく皮膚もきれいになっていても、その部分の筋肉組織や血管は、完全には元に戻っていない、という事があります。

そう言った時に、気圧など何らかの影響でそこの神経を刺激してしまい、痛みが出ることは充分あります。

実は自分も交通事故で首を痛めて、この天気痛の症状が出ることがしばらくありました。

しかし、3年ほど経ちましたが、今ではかなり落ち着いて、体内の組織も治ってきたようで、症状がだいぶ無くなってきました。

とはいえ、10年来の傷が痛む、という方もいるので、やはり傷の度合いによって左右されるのかもしれません。

 

天気痛を和らげるには

天気痛を和らげるには、痛いところをゆっくりストレッチするのが簡単で、確実です。

痛い場所を、20秒とか30秒ほどかけて、無理のない範囲でゆっくり動かしてみます。その場所を温めるのもおすすめです。

動かしたり温めて、血行を良くしてみると改善する可能性があります。

自律神経の影響を考えると、やはりストレスの問題もあるので、気分転換をしてみるのも改善につながります。

また、少し触れましたが内耳の気圧のセンサーにも負担がかかっているので、こめかみから耳のあたりを少しマッサージするという手もあります。

もし三半規管の影響の場合であれば、トラベルミンのような酔い止めの薬を飲むと、内耳に働きますので、結果として天気痛の改善になることもあります。

もし痛みが強い時、どうやっても痛みが引かない時は別の可能性もあるので、ペインクリニックのような痛みの対処に強いお医者さんに診てもらってください。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

相談されたい薬剤師
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属