健診用語の基礎知識シリーズ!その他よく見る検査値は?#314

Voicy更新しましたっ!

今回は健康診断で出る検査値の最終回。

肝機能や腎機能以外で重要な、その他の項目について。

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その他で見ておくべき数値

ここまで、肝機能や腎機能、コレステロールや血糖値など有名なものを中心にご紹介していきましたが、今回はその他で重要な数値を2つご紹介いたします。

血清クレアチニンキナーゼと、尿酸値です。

血清クレアチニンキナーゼ

まず一つ目に、CK、CPKと書かれる「血清クレアチニンキナーゼ」というものです。

これは主に筋肉に含まれている成分で、心臓も心筋という筋肉でできているため、血中に含まれている量を測ることで、筋肉や心臓に何らかの病気があるかを推測します。

この数字が高すぎると、筋肉や脳が壊れている可能性が高い、となります。

どういう事かと言うと、心筋梗塞もそうですが、筋ジストロフィーという特殊な難病の恐れがあることが分かります。

異常をきたしていると、数値にしておよそ3桁後半から4桁まで行くことがあります。

また、コレステロールの薬において有名な副作用で、横紋筋融解症というものがあります。

簡単に言うと筋肉が融解、溶けてしまう病で、この時にも数値が上がります。

ただし、筋肉や心臓に問題がないのにCPKが上がることもあり、その場合は甲状腺の機能が低下している可能性があります。

甲状腺とはざっくり言うと、体の調節をする働きがあります。例えば甲状腺からは2種類のホルモンが出ていて、全身へ指令を送って様々な調節をしていきます。

ホルモンの分泌の働きがあるため、甲状腺が弱ってもダメで、働きすぎてもダメという繊細な部分です。これが低下するとCPKの数値が上がり、働きすぎていると数値が下がると言う特徴があります。

正常値は男性で57~197IU/L、女性は32~180IU/L、となります。

尿酸値

もう一つの尿酸値は、聞いたことがあるという方も多いと思いますが、これが多いといわゆる「UAと表されます。

文字通り風が当たっただけで痛みが走る、と言うぐらい強い痛みが特徴で、発作によって起こるものですが、その時は骨折の痛みを超えるぐらいの痛さが出る、とされています。

もともと尿酸とは、以前少し触れましたが、たんぱく質を使うと尿素というものが出ますが、尿酸もその一種で、いわば老廃物のようなものです。これが体内に必要以上にたまってしまうと、痛風になります。

痛風は男性の方が圧倒的になりやすいという特徴がありますが、実は女性であっても閉経後の中高年の方では、なる可能性があるので、しっかりと数値を見ていてください。

正常値は7mg/dl以下となります。これを超えないようにしてください。

数値を上げないために

この二つが正常値を超えてしまった場合は、まず最初のCPKは運動後や筋トレの翌日の場合で、数値が大きく高まることはあります。

ですので、値の移り変わりを見て、病気かどうかを確認していくという事をします

もう一つの尿酸は、一気に下げようとすると逆に痛風の発作を引き起こす原因になります

ただし、食生活の見直し、お酒の量を抑えるのはもちろん重要です。

特にいくらや数の子のような魚卵、お肉だとハラミのような内臓系のもの、お酒だとビールが大敵となるので、注意してください。お酒は焼酎やワイン、ウイスキーのような蒸留酒だとプリン体が少ないので便利です。

運動も必要ですが、尿酸値が高い状態で激しい筋トレをするとそれが刺激となって痛風の発作を起こすことがあるので、避けてください。

軽いジョギングなどのような、足腰を使う有酸素運動をして尿酸を消費していくと、緩やかに落ちて行きます。

ある程度尿酸値が落ち着いた状態で筋トレをして、筋肉を付けて行くのがおすすめです。

尿酸値や痛風は273回にて詳しくお伝えしておりますので、そちらも是非ご覧いただければ幸いです。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

相談されたい薬剤師
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属