疲れ・老化の原因は炭水化物?糖質の正しい知識と対処法#512

Voicy更新しましたっ!

今回は、人間のエネルギーに必要不可欠な「糖質」「炭水化物」に関するお話

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「糖質」によって、体が疲れる?

今回は、自分の知り合いとのお話から、糖質についてお伝えしていきたいと思います。

ある人が、第一三共ヘルスケアという会社から出ている「リゲイントリプルフォース」という指定医薬部外品の商品に書いてあった「寝ても疲れが取れない原因は糖化」という文言を見て、「糖というエネルギーがあるのに何で体は疲れるの?」と思ったそうです。

脳が消費する重要な成分であり、人間が動くためには欠かせない栄養の一つですが、この糖質によって、体は疲れを感じたり、老化が進むことがあります。

今回は糖質、糖化と言ったことについて、詳しくお話していきます。

摂り過ぎた糖分が糖化する

通常、外から取り込んだ炭水化物は胃や腸で分解され、小腸で吸収され、糖類となって体に入ります。

必要な分はエネルギーになりますが、エネルギーにならなかった分、摂り過ぎた分は、血中に残ります。

血中の糖類の割合が増えると、血中のその他の成分にあるタンパク質の部分に、糖類がくっつき、形が変わってしまいます。これが糖化です。

例えば、赤血球にもタンパク質は含まれていますので、それと結合することで酸素や栄養を運ぶという重要な働きが悪くなります。

もし、お肌のタンパク質ととくっつくと、お肌のたるみやしわに繋がります。

タンパク質は人体を構成している成分と言っても過言ではありませんので、腎臓や目の網膜とくっつき、それらの働きが落ちる事もあります。つまり、透析を受けることになったり、失明すると言ったことです。

こういったことが、いわゆる「糖尿病」という病です。糖分を過剰なほど摂りすぎ、糖化が全身で酷く起きた場合には、腎臓透析や失明と言った事態にまでつながるのです。

さらに、糖化するときには体内に活性酸素が大量に出ます。言わずと知れた、老化の原因となる厄介な敵で、様々な細胞を傷つける一因です。

細胞に糖がくっついても、入れ替わりによって、時間とともに排出されて行きますが、その排出のスピードは、老化とともにどんどん落ちていきますので、糖化した細胞が徐々に体内にとどまることになります。

糖化を防ぐためには、糖質を摂りすぎないこと

糖化を防ぐためには、やはり糖質を摂りすぎない一点に尽きます。

つまり、エネルギーに使う以上の量の糖分が、血中に入っていなければ大丈夫という事です。

これはあくまでも、余分な糖が無い程度のことで、極端な糖質制限をするのは逆に危険で、違う悪影響が出ることに繋がります。

血中の糖分の量、いわゆる血糖値は、食事によって急激に上がるので、まずは食事の食べる順番を見直すだけでも、ある程度コントロールできます。

一番最初が野菜類、その次に主菜となるお肉やお魚と言ったタンパク質、最後に主食のご飯など炭水化物を食べる、という風にすると、野菜の食物繊維やタンパク質があるので、糖分の吸収がゆっくりになります。

食べる順を考えるのが難しい時は、コップ1杯のお水を飲む

例えば、牛丼のような丼物やラーメンのような麺類などの場合で、食べる順を決めるのが難しかったり副菜が少ないときは、コップ1杯のお水を先に飲むのがおすすめです。前項のように、初めに野菜類やたんぱく質をとるのよりは効果が薄いですので、難しいところですが、ある程度は吸収が抑えられます。

もし不安がある時は、糖質の吸収を抑えるサプリメントを使うのも手です。

難消化性デキストリンという成分が特定保健用食品の一つにあります。

これが含まれているコーラやお茶、いわゆるトクホのコーラとか、トクホのお茶などと言ったものを軽く飲んでから、食事をするようにすると、血糖値が上がりづらくなります。

ただし、野菜をとるために野菜ジュースを飲むのは避けてください。

野菜ジュースは果物も入っていることが多く、その糖質がジュースという吸収しやすい形になっているため、意外と血糖値を高めることに繋がりますので、血糖値の上昇を抑えたいという時にはあまり向きません。

ちなみに反対に、最初に出てきた「リゲイントリプルフォース」は、体が積極的に糖を使うようにする成分や、ビタミンB群が含まれており、体内の糖をどんどん消費していくことができますので、血糖値を下げることが出来ます。

まずは食生活を見直して、血糖値をコントロールしていきましょう。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属