GW前に麻疹の確認っ!#210

Voicy更新しましたっ!

今回は、一部で流行っている麻疹の話。

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医療・健康ナビ なくすりーなはこちらから聞いてみて下さいね^^v

 

「はしか」と言う病

はしか(麻疹)とは、はしかの「ウイルス」による病です。

ウイルスにかかることで、発熱、せき、だるさと言った症状が出ますが、普通の風邪とそれほど変わりません。それと同時に「発疹」そして「目への症状」が出ると言う特徴が大きいですが、実はさらに大きい特徴が「免疫力の低下」です。

 

免疫力が落ちる事が最も問題

個人的に、はしかで一番怖いのが「はしかにかかることで免疫力が低下する」ということです。

はしかのウイルスにかかることで風邪のような症状が出ますが、実はそれは普段感染しないような菌にもかかってしまい、ちょっとした症状も簡単に出るためです。

これは言うまでもなく、インフルエンザなど重度なウイルスに感染して重症化するということでもあります。例えば肺炎を起こしたり、もっと重度なものだと「脳症」を起こす可能性もあります。

脳症とは「インフルエンザ脳症」などで有名ですが、簡単に言えばウイルスなどによって神経障害や意識障害を引き起こす症状のことです。

非常に危険で、脳症によって命を落とすこともあるほど、重大な病です。

はしかにかかることで、免疫力が落ちてしまい、通常であれば現代社会では問題なく寄せ付けない病にもかかり、症状が強く表れることがあるのが、はしかがもつ最大の脅威なのです。

 

はしかを「予防接種」以外で防ぐのは至難の業

このはしかを防ぐ方法は、現時点では「予防接種」以外ではほぼ不可能です。

はしかとは、感染している方と同じ空間にいるだけで、感染していない方へとうつるのです。つまり、「空気感染」をするのです。

 

通常の飛沫感染とは

通常、風邪やインフルエンザのウイルスは、飛沫感染と言い、簡単に言うと、感染された方が起こしたくしゃみ、鼻水というような体液が外にある手すりやボタン、つり革と言ったようなものに付着し、さらにそれが手に付き、それが目、鼻、口に入ることでようやく感染する、という仕組みです。

空気感染はそういったことがなく、空気に乗って漂い、付着することで感染するうえに、はしかはもともと感染力も強いため、かなり厄介なウイルスなのです。

 

マスクをしていたら感染・拡散を防げるというわけではないため、防ぐための手段はほぼありません。

感染しないためには、自分自身がはしかに対して免疫力を持つ、ということにあります。

もし、はしかにかかってしまったかもしれないと言うときは病院に行ってください。

 

はしかにかかってしまったかも、と思ったら

はしかかも、と思った時にできることは、病院でお医者さんの診察を受けることです。

ポイントは、最近はしかが流行している地域に行ったかどうか、という点です。

はしかが流行すると、ほぼ必ずどこかがニュースにするはずですので、仕事などでよく全国を行く、遠出するという方は、逐一チェックしてみてください。

そして、もし心当たりがある地域に行ったのであれば、お医者さんに「最近○○に行った」と伝えてみると良いです。

 

はしかは対症療法で治療する

ただ、はしかと分かっても、何か特効薬があるわけではなく、症状を抑えて治していく、という「対症療法」が基本となります。

せきが出ていれば咳止め、熱が出ていれば解熱剤、と言うように、一つ一つを治していくという治療になります。

ただ、先述したように免疫力、抵抗力が下がっているため、抗生剤はとても効果的で、使うことが多いです。

これ以上別の菌をもらわないよう、二次感染を防ぐためにも、抗生剤を使うのがベストです。

 

ただし、以前はしかにかかっているのであれば、二度とかからない

非常に厄介な病ですが、実ははしかは「一度かかると二度とかからない」という病でもあります。

特に、幼少期に予防接種をしているという方であれば、ほぼ発症することはありません。

具体的には、1990年2月以降に生まれたという方は、ほぼ確実に2回予防接種を行っているはずので、問題ないといえます。

もしそれ以前に生まれた方、はしかにかかったことがない、分からないと言う方は、自分が免疫を持っているか確認できるうえに、少し費用は掛かりますが、病院で予防接種も打てるので、活用してみてください。

仕事をなかなか休めない、頻繁に各地を回ると言う場合であれば、是非チェックしてみてください。

 

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

薬局・なくすりーな薬局長
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属