カフェインは敵にも味方にもなる?上手な飲み方#972

カフェインの上手な活用法

最近、デカフェという言葉を耳にする機会が増えてきました。

これまで、漢方のお茶を販売していますが、度々「カフェインは入っていますか」と尋ねられることがありました。

一応分類としてはほうじ茶で、少ないながらもカフェインが入っていますので、その旨を伝えると遠慮されることもありました。

そこで自分もデカフェのコーヒーを飲んでみると、心なしか体が楽で、刺激の少ない感じで飲めたのを覚えています。

今回はこのカフェインという成分、デカフェという言葉についてまとめてみたいと思います。

カフェインとは

まず今回の主役となるカフェインという成分は、コーヒーや紅茶、緑茶、コーラ、エナジードリンク、チョコレートなどに含まれるもので、眠気を減らしたり集中力を高めたりする作用があります。

食品ではなく医薬品の、風邪薬や頭痛薬に含まれることもあります。

脳には、眠気を促すブレーキのような役割を持つアデノシンという物質があり、カフェインはその働きを抑えて、神経を活性化させます。

そのため、飲むと頭がすっきりしたり、作業に集中しやすくなったりします。

もう一つの特徴として利尿作用があり、尿を出しやすくする働きもあります。

カフェインは、とってからおよそ10分から30分ほどで作用が現れ始めるとされ、体内で約4~5時間で半分程度まで分解されて、10時間ほど経つと効果がほぼなくなります。ただし、完全に体から無くなるまでには、最大で20時間ほどかかるとされています。

ちなみに自分の例ですが、長時間の運転の際に市販の眠気覚ましのカフェインのドリンクを飲んだことがあります。

お昼14時頃に1本飲み、10時間ほど経った0時頃に、最後に飲んでから10時間経っているからと思ってもう1本飲もうとしたところ、気分が悪くなって1本の半分も飲めなかったということがあります。

最後にカフェインをとってから10時間経って、効果がなくなったとしても体内にはまだ残っていて、とりすぎとして受け付けないことがあるのだと実感した出来事です。

カフェインは適量であれば、眠気対策や集中力の向上などのメリットがありますが、一度にとりすぎると動悸や、不安感、手の震え、胃の不快感、寝つきの悪さなどの症状が出ることがあります。

飲み物の種類によって含まれる量が変わり、目安としてはコーヒー1杯ではおよそ100~140mg程度、緑茶や紅茶には1杯約75mgほど、コーラで1缶40mg、エナジードリンクで80mg程度が多いですが、製品によってバラバラですので摂取前にはきちんと見ておくのがベストです。

カフェインの取り過ぎと依存の問題

摂取量としては一般的には健康な成人で、1日約400mg程度までが安全な目安とされ、妊娠中の方の場合は約200mgまでが目安となります。

ただし、摂取量の目安はかなりの個人差がある上、依存性があるため毎日飲んでいると慣れてきます。

特に、普段あまりカフェインを摂らない人が短時間に大量に摂取すると、動悸や不安、吐き気などの症状が出やすくなり、重い健康被害につながる可能性もあります。およそ1時間に1200mgほどの量をとると、けいれんが起きたり最悪死に至ります。

特にお子さんの場合は、カフェインの代謝に時間がかかるため、エナジードリンクやコーラを多めに飲んだだけで事故が起こることもあります。

また、カフェインの依存性は、毎日多く摂取していると効きが悪くなってくる上に、突然やめるとカフェイン離脱と呼ばれる症状が起こることがあります。

数日から1週間ほどで落ち着きますが、頭痛や強い眠気、だるさ、集中力の低下などが起きます。

さらに最近では、確かなエビデンスはまだありませんが、カフェインによって副腎が疲れるという、副腎疲労が起こるという説もあります。

もし、睡眠不足や動悸などの症状が長く続く場合には、カフェインの摂取量だけでなく、別の体調問題が隠れている可能性もありますので、注意してください。

デカフェという選択とカフェインとの上手な付き合い方

最後に今回取り上げるきっかけとなった、デカフェについてですが、現在カフェインをとっている方がデカフェのものに切り替えると、一番は睡眠に違いが表れると思います。その次に、胃腸の調子が良くなったり、動悸が出にくくなることもあるかと思います。

最近のデカフェコーヒーは普通のコーヒーと遜色なく、美味しく作られていますが、実は一昔前は薬臭く、独特の違いがありましたが、水や二酸化炭素などを使ってカフェインを取り除く方法が主流で、以前よりも風味を保ったまま作られるようになりました。

ただし、デカフェのものでもカフェインが完全にゼロというわけではなく、少量のカフェインが含まれている場合もあるため表示を確認するのが安全です。

以上を踏まえてカフェインと上手に付き合うためには、まず摂取量を意識することが重要です。

コーヒーであれば1日2~3杯程度、400ml以上を飲まないようにするを目安にして、夕方以降は控えると睡眠への影響を減らすことができます。

朝の1杯で集中力を高めたり、昼寝の前に飲んで目覚めを良くする使い方は非常におすすめです。

ただ、寝付きが悪い場合は、昼寝の前に飲むのは辞めるのが安全です。

エナジードリンクや眠気覚ましのようなカフェインの濃縮液、カフェインタブレットなどは、日常的に使うのではなく、必要なときだけにすることが大切です。深夜の運転など、どうしても集中力が必要な時だけにとどめて、毎日は使わないようにしてください。

そして、もしカフェインを減らしたい場合は、いきなりやめるのではなく、通常のコーヒーとデカフェを組み合わせるなどして少しずつ量を減らしていくと、離脱症状を起こしにくく無理なく調整していくことができます。

例えば朝のコーヒーは普通のもので、2杯目からは1杯目の半分の量をデカフェにして混ぜて飲むなどで、わずかにでも量を減らしていくのがおすすめです。

万が一離脱症状が出ても、長くて1週間程度のことがほとんどですので、なんとか乗り切っていただければと思います。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

相談されたい薬剤師
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属