ストレートネックの患者さんが増加
最近、首の痛みや肩こりを訴える患者さんが増えてきたと感じることがあります。
特に寒い日が続く時期には、急に首が痛くなったとか肩こりが強くなった、という相談が目立つことがありますが、こうした症状の背景としてよく話題に上がるのがスマホ首です。
実は自分も、スマホ首というほどではありませんが、ストレートネックと指摘されたことがあります。
今回は現代社会で問題になっている、スマホ首、ストレートネックについてご紹介していきます。
スマホ首・ストレートネックとは
スマホ首とは俗称で、スマートフォンやパソコンを長時間のぞき込む姿勢によって、首が前に出た状態で固まりやすくなっている状態です。英語圏ではテキストネック(Text Neck)と呼ばれることもあります。
具体的には、正常な首の骨はゆるやかなカーブを描いていますが、そのカーブが小さくなってしまい、レントゲン上ではまっすぐに見える状態がスマホ首、ストレートネックとなります。
ただし、これはあくまでレントゲン上の状態を指す言葉で、必ずしも痛みやしびれといった症状が起こるというものではありません。
しかしこうしたスマホ首になると、姿勢の崩れに加えて首や肩のこり、頭痛、眼精疲労などの症状が現れやすくなる、ということです。
ストレートネックが起こる最大の原因
ストレートネックの最大の原因は、頭が前に突き出た姿勢です。
頭は数キログラムの重さがあるため、頭が前に出るほど、首や肩の筋肉がそれを支えるために強く働く必要があります。
結果として、それらの筋肉に思い負担がかかり、こりや痛みが生じやすくなります。
これはやはり、俗称にあるようにスマートフォンや携帯電話の普及によって、長時間の画面作業が当たり前になったことが大きな理由とされています。
ある研究では、スマートフォンの使用時間が長い人は、そうでない人と比べて首の痛みの発生率が2倍以上になるという報告もあります。
他には、長時間座りっぱなしの生活も首への負担を増やすため、例えば座った姿勢でスマートフォンを使う場合は、テレビやパソコンよりも首が前に傾きやすく、より大きな負担がかかると考えられています。
症状としては、首こりや肩こりから始まり、後頭部の重だるさ、目の疲れなどが現れることが多く、進行すると頭痛やめまい、吐き気、さらには腕や手のしびれにつながることもあります。
寒い季節に悪化しやすい理由
前述のように、これらの症状は寒い季節に悪化しやすい傾向があります。
理由は単純で、寒さによって筋肉がこわばりやすくなることが最大の原因です。
また、寒いと肩をすくめる姿勢になりやすく、さらに首や肩の血流が悪くなり、普段から首に負担がかかっている人ほど、寒さが増すにつれて痛みやこりが強く出やすくなります。
ちなみに、首の痛みやしびれがある場合は、頚椎症性神経根症のような首の骨の加齢変化によって神経が刺激される病気が隠れていることもあります。
ですので、腕や手のしびれが続く場合や、力が入りにくくなる、物を落としやすくなるとなどの症状がある場合は自己判断せず、整形外科などの医療機関で診察を受けてください。
スマホ首の改善のポイント
スマホ首は、骨の形をすぐに元に戻して治療する、ということはできません。
ただ、姿勢や生活習慣を見直して、痛みや負担を軽減していくことは可能です。
まず大切なのは作業環境の見直しで、スマートフォンを使う場合はできるだけ顔の高さに近づけて持ち、画面は目線より少し下くらいの位置で見るようにします。
距離も近すぎないように、40センチほど離すことが目安です。また、肘を机などに置いて、腕を支えるだけでも首の負担は軽くなります。
またセルフケアとしては、軽くあごを引く姿勢を意識したり、肩をすくめてストンと落とす運動や肩甲骨を後ろに寄せる運動を、休憩時間などに少しずつやってみると、改善が期待できます。
寒い季節のポイントとして、首元を冷やさないことも大切で、マフラーなどで首を温めることで血流が改善し、症状が楽になることもあります。
受診の目安としては、およそ2週間以上、仕事や日常生活などで影響が出るほどの痛みやしびれ、頭痛がある場合は整形外科のお医者さんに相談していただければと思います。
定期的に姿勢を変えて予防を
スマホ首の予防についてですが、スマートフォンやパソコンを使う時間を減らすのが一番ですが、現代社会では非常に難しいと思います。
ですので、30分から1時間に一度程度でも、姿勢を動かしてリセットしてみてください。
前項でもお伝えしましたが、高さはできるだけ顔の高さに近づけて、距離は40センチほど離すことが目安です。
スマホの使用の際も、例えば長文のフリック入力は時間がかかりやすく、指の疲労もあるため、音声入力を使うのも手です。
またノートパソコンも、画面が低くなり、姿勢が悪くなりやすいですので、台の上にノートパソコンを置いて高さを調節して、キーボードは外付けのを使って距離と高さを変えるとより安全です。
さらに他の対策では、寝る時に使う枕が高いと首が前に押し出され、ストレートネックの一因になっていることがあるので、心当たりがある時は枕を見直すのも良いかと思います。
