HPVワクチンまだ間に合う?今すぐ確認したいこと#973

4月1日に変わる価格

毎年4月は、医薬品の価格改定や制度変更が行われる時期であり、医療の現場でもさまざまな変化が起こります。

長年使われてきた薬の価格が見直されたり、多くの医薬品が値下げされたりと、患者さんの負担にも影響が出てきます。

これを逆に言えば、3月末までなら、と考えると、色々と検討できる余地があります。

そこで今回取り上げるのが、HPVワクチンです。

実はHPVワクチンは、3月末までは公費での接種ができますが、4月1日以降から自己負担が発生します。

ですので、もし対象となる方で検討されている方は、是非参考にしていただければと思います。

HPVワクチンとは

HPVワクチンは、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染を予防するためのワクチンで、分かりやすく言うと子宮頸がんの原因を減らせるワクチンになります。

ウイルス自体は非常にありふれたもので、万一感染したとしても多くの場合は自然に体から排除されますが、一部が長期間残ってしまうことで、子宮頸がんの引き金となります。

現在日本では、そのワクチンが公費の対象となっており、種類としては2価のサーバリックス、4価のガーダシル、そして9価のシルガード9という3種類のワクチンがあります。

特に9価のワクチンは、2価と4価のより多くの型のウイルスを防ぐ効果があり、子宮頸がんの原因のおよそ80〜90%を予防できるとされています。

もう少し具体的に言うと、2価は子宮頸がんの予防に特化しているワクチンですが、4価は子宮頸がんに加えて尖圭コンジローマの発症も防ぐ効果があります。

近年では、この9価ワクチンが主流となり、より広い予防効果が期待されています。

また、HPVは女性だけでなく男性にも関連するがんの原因となるため、実は男女問わず重要なワクチンとなっているのです。

3月末までなら2回目の接種が公費負担

今回取り上げた理由が、「キャッチアップ接種」と呼ばれる制度によるものです。

1回目の接種は1年前の3月31日で終了しておりますが、2022年4月から2025年3月末までの間に、1回HPVワクチンを接種した人は2026年3月31日まで、公費の負担で残りの接種を完了することができるという制度です。

まずは母子手帳などで接種履歴を確認して、自分が対象かどうかを確認してみてください。医療機関によっては、ワクチンを常備していない場合もあるため、問い合わせると確実です。

ワクチン以上に大切で安全なのは、やはり定期的な子宮頸がん検診です。ワクチンと検診の両方を組み合わせることで、より確実にリスクを減らすことができますので、不安がある方は是非定期的に検査をして行くと良いかと思います。

HPVワクチンの副作用

ちなみに日本国内では、2013年にHPVワクチン接種後に失神したり、運動障害や持続的な痛みが出るなどといった報道があり、厚生労働省が接種の呼びかけを一時中止したことがありました。

しかしその後、国内外で多くの研究や解析が行われ、接種後に報告された症状は血管迷走神経反射などで、ワクチンそのものの安全性は高いとしました。

その後もワクチンの研究は重ねられ、結果としてその他の副作用との因果関係を示す明確な証拠は確認されておらず、世界的にも安全性と有効性が繰り返し評価され、2022年に日本でも呼びかけが再開されました。

つまり日本国内では、単純計算で約9年間接種の推奨をしていませんでしたが、その間海外では継続的に接種しており、その間の子宮頸がんの世代別の発症率で見ると、国内外で違いが出ているという現状もありますので、可能であれば打っていくのをおすすめします。

この記事を書いた人

吉田 聡

吉田 聡

相談されたい薬剤師
公益社団法人日本薬剤師会、公益社団法人東京都薬剤師会、所属