にんにくを食べる時は適量で
夏バテに効果的な食べ物の一つに、にんにくがあると思います。
スタミナが付く食べ物で、好きな方も多いと思いますが、先日ネットニュースでニンニクを食べて吐き気が止まらなくなったというものを見ました。
また海外では、にんにくの食べ過ぎで死亡例もあるようです。
実はにんにくは、食べ過ぎるとかなり危険な食べ物の一つになります。
今回はこの、にんにくという食べ物についてご紹介しています。
アリシンとビタミンB群が豊富なにんにく
にんにくの主な栄養素になるのが、アリシンという成分とビタミンB群です。
アリシンとは、にんにく特有の香りの元となる成分で、細菌やウイルスを直接殺す、殺菌作用に優れています。
これは免疫力を高めるというよりも、アリシンそのものに菌を殺す働きがある形です。
次にビタミンB群は、以前の夏バテの回などでも取り上げた、ビタミンB1とB6が特に多く、疲労回復に活躍してくれます。
他にはビタミンCや、ミネラルで言うとマンガンが多いのが特徴です。
マンガンは骨の健康の維持や、エネルギーの代謝の補助に働きます。
ちなみにもう少しマイナーなもので言うと、セレンというミネラル分も含んでおり、免疫機能の助けになります。
にんにくは消化がしにくい食べ物
この、にんにくを食べすぎることで吐き気が出たり、お腹を壊すというのは、単純ににんにくは消化に難がある食べ物なためです。
例えば前述のアリシンは、細菌やウイルスを殺す作用がありますが、大量に食べてしまうと胃腸にある善玉菌などもまとめて、根こそぎ殺菌する危険があります。
そうなると腸内の細菌のバランスが崩れ、下痢となって現れます。
また、アリシンそのものが刺激の強い成分ですので、胃腸に負担になるのです。
そしてもう一つ、にんにくを食べて吐き気が出るというのは、少し事情が違います。
なかなかありませんが、にんにくを生のままで、すりおろしもせずに食べるのは、いわば火を通していない生ものを食べるというような状態と同じです。
すりおろしもしていない、完全な生のにんにくには、アリシンになる前のアリインという物質があります。
アリインには体内の赤血球を壊す働きがあり、これが急激な貧血を起こし、吐き気となって現れます。
一片程度であればあまり問題はありませんが、万が一いくつも大量に食べて、取り込んでしまうと、危険な状態になることもあるのです。
食べ過ぎた時はお水を飲む
にんにくはラーメンや焼肉と言った料理と食べることが多いと思いますが、万が一生のにんにくを食べすぎてしまったと感じるときは、水を飲むのが最善です。
アリシンは水に溶けるという作用がありますので、特に常温か、少しぬるい水があると、胃腸に負担にならずにスムーズに消化していくことができます。
冷たいお水を一気に飲むと、逆に一気に吸収されてしまうため注意してください。
ちなみに、にんにくは匂いの問題がありますが、気になる時はりんごか牛乳があると、少しですが匂いを軽減できるため便利です。
りんごはアリシンを分解する働きがあり、牛乳は脂肪によって匂いの成分を包む働きがあります。
ただどちらも、あくまで一般的な通常量のにんにくを食べた際に効果的な方法ですので、大量に食べた場合には効果はあまりありません。
にんにくは火を通して食べるのがベスト
最後に、にんにくのおすすめの食べ方ですが、生の状態ですりおろして食べるのは、量や匂いなどで気を付ける部分が多いですので、火を通して食べるのがベストです。
調理をすることで刺激が小さくなり、風味が和らぐのと同時に、摂取もしやすくなるため、とてもおすすめです。
例えばペペロンチーノのようなパスタに使うことも多いですが、個人的には匂いは強くなりますが、にんにくをそのままアルミホイルでくるんで焼くホイル焼きも好きです。
またレモンもニンニクの匂いを和らげますので、一緒に摂るのもおすすめです。
生でも調理をしても、食べすぎには注意して、活用してみてください。